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本田雅一が“超解像”の進化を体感:IPS×超解像×オーバードライブチェンジャー搭載で“動画に強い”23型フルHD液晶――三菱電機「RDT231WM-X(BK)」に迫る (1/2)

三菱電機は2009年の春、ボンヤリした映像を鮮明に表示できる「超解像技術」を他社に先駆けて液晶ディスプレイで実現したが、年末商戦に向けて超解像技術搭載モデルのラインアップを拡充してきた。特に「Diamondcrysta WIDE」シリーズのマルチメディアモデルに追加された「RDT231WM-X(BK)」は、IPS液晶パネルや段階設定が可能なオーバードライブ回路など、意欲的なスペックを盛り込んだ1台だ。その強化ポイントを開発者に聞き、実機の表示能力を試した。

“X”の名を冠した超解像Diamondcrysta WIDEの新鋭機とは?

tm_0911rdt01.jpg 2009年11月20日に発売された新モデル「RDT231WM-X(BK)」。(BK)は、ボディカラーがブラックであることを意味する

 超解像技術をいち早く取り入れた23型フルHD液晶ディスプレイの「RDT231WM」シリーズで話題を集めた三菱電機が、今度は広視野角のIPSパネルを用いつつ、動画に適した性能も備える「RDT231WM-X(BK)」を発売した。

 製品名に「-X」が追加されただけというRDT231WM-X(BK)は、確かにフルHD(1920×1080ドット)の画面解像度や基本的なボディデザイン、操作ボタンの配置などは、以前紹介した「RDT231WM」シリーズと同じである。

 そのまま液晶パネルだけを高性能なものに換えただけ……と思えるかもしれないが、実は見た目以外の共通点がほとんどないほど、多くの点が改良されている。名前の違いは小さいが、実際には上位モデルにふさわしい画質と機能を実現すべく、あらゆる部分で前進の跡が見られる、非常に実力の高い製品に仕上がっていた。

IPSの事実――本当は動画に強い!?

tm_0911rdt02.jpg 広視野角が身上のIPS液晶パネルを採用したことで、これほど斜めから画面を見ても色再現性が保たれている

 RDT231WM-X(BK)の最大の特徴は、何といっても広視野角で画面のギラツキが少ないIPS液晶パネルを用いながら、ゲームや動画鑑賞にも適した高応答性を実現している点である。パネルの表面処理は、光沢がないアンチグレアを採用している。最近は液晶テレビでグレア処理の製品が増えているが、あくまでもPC用ディスプレイとして使いやすく、プラスαで動画性能を求めたいユーザーには、画面に照明などが映り込むことがないアンチグレア処理のほうが都合がよいはずだ。

 ここで“いや、ちょっと待ってくれ。IPSは動画に弱いのではないか?”と疑問を持つ読者も多いと思う。しかし、動画表示のみに特化しているはずの液晶テレビにおいて、IPS液晶パネルを搭載する製品が多数販売されていることからも分かる通り、IPSが動画に不利という事実は実際にはない。むしろ、動画表示に向いているとさえ、いえるほどだ。

 IPSが動画に弱いと思われている根拠は、黒→白→黒(あるいは白→黒→白)といった駆動パターンでの応答速度(多くの場合、カタログ値として掲載されている数値)が、TNよりも不利だからだ。

 ところがTNは、上記パターンでの応答はとても速いのだが、実際の映像表示でよく使われる中間階調から中間階調への応答は、実はIPSのほうが高速になる。IPSの中間応答が高速というよりも、TN液晶パネルは書き換え前の階調と書き換え後の階調の差によって、応答速度が大きく変化する(安定していない)ので、色変化の得意なパターンと苦手なパターンが生じてしまうのだ。

 もっとも、“だからIPS液晶パネルのほうが動画向き”とはいわない。なぜなら、IPS液晶パネル自体は動画を表現するために十分な応答性能を備えているわけではないからだ。しかし、大きな利点がある。それがオーバードライブ回路との相性のよさだ。

 オーバードライブとは、中間階調における液晶の応答が高速になるよう、液晶の駆動波形へ事前にイコライジングをかける技術をいう。具体的には液晶分子にかける電圧を一時的に高め、配向変化を高速化させることで、中間階調の応答速度を白黒の応答速度とほぼ同等まで引き上げる。TN液晶パネルの場合、条件に応じて応答速度が違うため、オーバードライブによって全階調の応答速度を均一に高めることはとても難しい。

 オーバードライブは、イコライジングを強くかけすぎると疑似階調など、画質を低下させる副作用を引き起こすため、全階調で応答性が安定しているIPSのほうが、より積極的なオーバードライブ制御を行いやすいという利点がある。

tm_0911rdt03.jpg オーバードライブの設定はOSDメニューで3段階に切り替えられる

 通常、オーバードライブ回路は対応する液晶パネルとドライバの組み合わせで実現される(液晶の特性に合わせてオーバードライブをかける必要があるため)が、RDT231WM-X(BK)はオーバードライブ回路を備えないIPSパネルに独自のオーバードライブ回路を組み合わせて高い応答性を実現した上で、「オーバードライブチェンジャー」という独自機能を搭載した。これはオーバードライブ時にかけるイコライジングの強さをユーザーが任意に変更できる機能だ。

 前述したようにオーバードライブはギリギリまでかけたほうが応答性は高くなるが、強くかけ過ぎると副作用がある。そこで、オーバードライブの強度を3種類(オフを含む)から選択できるようにしたのが、オーバードライブチェンジャーというわけだ。これにより、オーバードライブを強くかけた際にはGTG(グレー to グレー:特定階調レベル間の応答速度平均)で3.8msを達成している。この値は、IPS液晶パネル搭載PC用ディスプレイ(国内販売スタンドアロンタイプ)において最速という(2009年11月20日現在、三菱電機調べ)。

 PC向け液晶ディスプレイでIPS採用といえば、「動画向きではないが、静止画はキレイで視野角も広い」という印象が強いが、RDT231WM-X(BK)にはこれが当てはまらないことが分かるだろう。広い視野角と落ち着いた発色を得ながらも、きちんと動画性能を追求した製品なのである。

実践的に“使える”超解像へとファインチューン

 もっとも、RDT231WM-X(BK)は液晶パネルの性能がよくなっただけの上級機ではない。先行して発売されていたRDT231WMでのフィードバックを基に、設定できるパラメータが徹底して吟味され、さらに操作性も大きく向上しているからだ。

tm_0911rdt04.jpg 超解像の強度設定は5段階で細かく調整可能になり、前述のオーバードライブチェンジャーと同時に適用できる

 まず、RDT231WMでは3段階だった超解像の強度設定が5段階に増加した。三菱電機 デジタルメディア事業部モニター事業センター技術部 技術グループ 専任の白崎義之氏は「超解像の強度を従来より細かく分割し、特に高解像度の映像に対する処理を細かく設定可能にしています。強度の値で1〜3が主にHD映像、4がSD映像、5はインターネット上で共有されている動画を主なターゲットにチューニングしました」と話す。

 実際に映像を見ると、なるほど従来よりうまくチューニングされている。例えば、もともとの質が高いBlu-ray Discソフトならオフか1、BSデジタル放送なら1、地上デジタル放送なら2、720pのPC用動画ファイルならば3ぐらいが適当な超解像設定の目安となるだろう。RDT231WMでは最も弱い設定でも超解像が効き過ぎている印象だったが、このぐらい設定の幅があれば、素材の質感を損ねない程度の味付けから、質の低い映像への強めの補正まで、幅広く調整できる。

 また、超解像設定を4にするとWii®やPlayStation2®などのハイビジョン非対応ゲーム機の映像の見栄えがよくなり、5まで強度を高めるとYouTubeなどのネット動画に適した調整になった(YouTubeの中でも高画質な動画については、HQモード対応動画なら4、HDモード対応動画なら3の設定がよさそうだ)。

 もっとも、超解像が同じぐらいの効き具合といわれる設定にしても、RDT231WMとRDT231WM-X(BK)では少しばかり画質が違う。IPSパネル採用の新機種のほうが、ノイズっぽさが少ないのである。

tm_0911rdt05.jpg デジタルメディア事業部 モニター事業センター技術部 技術グループ 専任の白崎義之氏

 「効きの強さということでいえば、RDT231WMの設定“中”がRDT231WM-X(BK)の設定“3”に相当しますが、超解像のチューニングも変えています。暗部やハイライトでの超解像処理を弱め、中間階調での処理を中心にしました。こうすることで暗部のノイズを強調せず、ハイライトのギラツキを抑えることができています」(白崎氏)

 このように自分がよく見るコンテンツのタイプによって、細かく設定を行えるようになったRDT231WM-X(BK)の超解像技術は、PCだけでなくゲーム機やハイビジョンレコーダーなど、さまざまな機器との接続でより使いやすいものに進化した。

 さらに、RDT231WMから専用の画像処理LSI「ギガクリア・エンジン」を受け継いでおり、超解像に加えて、画面の局所的なコントラストを高める「局所コントラスト補正」、画面全体のコントラストを最適化する「ダイナミックコントラスト補正」、滑らかな階調表現を実現する「階調数拡張処理」、モスキートノイズやざらつきを抑える「ノイズリダクション」、記憶色に配慮した色再現を行う「色変換」といった技術を組み合わせることで、総合的に動画を見栄えよく見せる工夫がなされている。

 なお、ここでゲーム用途のユーザーは、表示の遅延がどうなっているのかを気にするかもしれない。一般に映像の高画質化処理を行うと、映像が入力されてから画面に表示されるまでに時間がかかる。ほんの数フレーム遅れるだけなので、通常は問題ないのだが、ボタンを押すタイミングがシビアな一部のアクションゲームや音楽ゲームなどでは、操作ミスにつながってしまう。

 これに対し、高画質化処理を間引くことで表示遅延を極力減らすスルーモードに対応した製品もあるが、「ギガクリア・エンジン」はすべての処理を行った上で表示遅延を1フレーム未満に抑えている。つまり、動画を高画質化したまま、ゲームも存分にプレイできるというわけだ。豊富な映像入力(詳しくは後述)も備えており、ゲームへの対応力は高い。

tm_0911rdt06.jpg 画面左がギガクリア・エンジン適用時(超解像の設定は「3」)、画面右が適用していない状態。画面に表示しているのはかなり画質が低いSD映像だ。ギガクリア・エンジンによって、コントラスト感や解像感、色の鮮やかさが向上しているのが一目で分かる

待望の“超解像”対応HD GAMEディスプレイ――「VISEO MDT243WGII」

tm_0911rdt07.jpg ボディカラーに「キャストメタルブラック」を採用した「MDT243WGII」

 三菱電機はRDT231WM-X(BK)のリリースに先駆け、より動画コンテンツとの親和性向上に注力したマルチメディア液晶ディスプレイ「VISEO」シリーズの新モデルとして、「MDT243WGII」を2009年10月28日に発売した。

 MDT243WGIIは2008年11月に発売された24.1型ワイド液晶ディスプレイ「MDT243WG」の後継機。VISEOシリーズとしては初めて超解像技術を搭載し、しかも10段階での強度設定に対応したことで、きめ細やかな超解像のカスタマイズを可能としている。多彩な入力端子を生かし、PinP機能の子画面のみに超解像技術を適用できるのはユニークだ。

 もちろん、バックライトスキャニング、黒挿入、オーバードライブを組み合わせることで、動画のブレを大幅に低減させる「MP ENGINEII」など、これまで好評を博してきた高画質化技術は受け継がれている。1920×1200ドット表示の24.1型ワイドVA液晶パネルは、RDT231WM-X(BK)より一回り大きく、ゲーム映像をより迫力ある画面サイズで堪能できるはずだ。

 ゲーム用途がメインで、特に動きが激しいゲームタイトルを頻繁にプレイするユーザーにとっては、まさにうってつけのモデルなので、RDT231WM-X(BK)とともにチェックしてみてほしい。



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提供:三菱電機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年12月25日

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