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» 2009年12月02日 18時00分 UPDATE

Windows 7 交響曲:Windows 7はどれだけ“速い”のか!?――VAIO P、ThinkPad T、自作PCでテストした (1/4)

好調なスタートを切ったWindows 7だが、ちょっと性能が低いPCでもアップグレードすべきなのか? 3台のPCにWindows XP/Vista/7をインストールして“速さ”を比べた。

[織田薫,ITmedia]

Windows 7のスピードに迫る

tm_0912_win7-2_01.jpg Windows 7 Ultimateのデスクトップ画面

 「Windows 7は速い」――マイクロソフトはWindows 7の発売前から、このメッセージを繰り返してきた。Windows 7 RC版が公開された際には、わざわざWindows 7とWindows XPの起動時間を計測した結果を動画付きで公開し、動作が鈍いと批判されることも少なくなかったWindows Vistaはもちろん、XPに対しても速度面で負けていないと強調したほどだ(参照→「XPより快適」──動画で見るWindows 7の起動速度とパフォーマンス)。

 実際、筆者もβ版の段階から「Windows 7はVistaより快適」と述べてきた(参照→Vistaとはドコが違うの!?:Windows 7 β版の注目ポイント“7”)。確かに高速なPCを利用しているとき、Windows 7の動作は軽快だ。Windows 7を導入するため、Core 2 Duoクラス以上のCPUが搭載されたPCを新調したならば、OSの動作速度に不満を感じることは少ないと思われる。

 問題は、今まで使ってきたPCをWindows 7にアップグレードする場合だ。さまざまな理由からVistaへの移行を避け、今でもXPを使い続けている人は多い。XPとVistaを比較すると、明らかにXPのほうが軽く、キビキビと動く。VistaとWindows 7を比較すると、Windows 7のほうが速い印象だ。では、XPとWindows 7を比べると、どうなのだろうか? こうしたパフォーマンス面への不安が原因で、XPからWindows 7へ移行すべきなのか悩んでる人は少なくないだろう。

tm_0912_win7-2_02.jpg ソニーのミニノートPC「VAIO P」

 筆者もその1人だ。個人的な話だが、所有しているPCの中では、特にAtom Z搭載ミニノートPC「VAIO P」(購入当時の製品名は「VAIO type P」)のOSはどうすべきか悩ましい。

 筆者のVAIO PはVista Home Premium搭載モデルだが、OSの起動や終了が遅く、アプリケーションも「ゆっくり動いている」という感じがしてしまう。VAIO Pは後から登場したXPモデルやWindows 7モデルで、動作のもたつきがかなり緩和されたが、XPにダウングレードすべきか、Windows 7にアップグレードすべきかは難しい選択だ。

 そこで今回は、VAIO Pを含め、少し性能が低かったり、古かったりするPCにWindows XP/Vista/7をインストールし、各種ベンチマークテストで速度を比較した。個人的なPC環境における限定されたテストなので、PCの構成によって結果は大きく変わることも予想されるが、XP/VistaからWindows 7に移行するべきかどうか悩んでる人に、少しでも参考になればと思う。

テストには、VAIO P、ThinkPad T61、XeonデスクトップPCを使用

 テストに用いたマシンは、冒頭で述べたVAIO Pと、ノートPCの「ThinkPad T61」、そして自作のデスクトップPCだ。各マシンの主なスペックは下表の通りで、Core 2 Duo T7500(2.2GHz)搭載のThinkPad T61が最も高いパフォーマンスを備えており、Atom Z520(1.33GHz)搭載のVAIO Pがほかの2台よりかなり非力となる。ちなみに、自作機はXeon 2.4GHz×2(開発コード名:Prestonia)とIntel 875P(開発コード名:Canterwood)チップセットを組み合わせた少々変わった構成のマシンで、組んだ当時(約6年前)は高性能だったが、今ではかなり古びてしまった感がある。

テストに使用した3台のPC
製品名 VAIO type P(VGN-P70H/W) ThinkPad T61(7658A3I) 自作デスクトップ機
メーカー ソニー レノボジャパン
CPU Atom Z520(1.33GHz) Core 2 Duo T7500(2.2GHz) Xeon 2.4GHz×2
マザーボード 独自設計 独自設計 PC-DL Deluxe(ASUSTeK Computer)
チップセット Intel SCH US15W Intel GM965 Express + ICH8M-E Intel 875P + ICH5R
メインメモリ 2Gバイト(PC2-4200/DDR2-533) 2Gバイト(PC2-5300/DDR2-677) 2Gバイト(PC2700/DDR333)
グラフィックス Intel GMA 500 Intel GMA X3100 AMD ATI Radeon X1650(DDR3 256Mバイト)
HDD 東芝 MK6028GAL(Ultra ATA 60Gバイト/4200rpm) HGST HTS541616J9SA00(Serial ATA 160Gバイト/5400rpm) Maxtor 7Y250P0(Ultra ATA 250Gバイト/7200rpm)

 OSは、XP Professional(SP3)、Vista Ultimate(SP2)、Windows 7 Ultimateの3種類を選んだ。VistaとWindows 7のエディション選びは悩んだが、今回は各OSで最上位のエディションを利用することに決めた。Vistaはエディションによって起動時間や起動時のメモリ使用量が結構変わるため、速度比較では少し不利な構成になっている。また、Windows 7では64ビット版を選択するユーザーが増えているので、一部のテストはWindows 7の32ビット版と64ビット版の両方で実施した。

 各OSはデフォルトのインストールオプションで導入し、Windows Updateで最新の状態にしている。VistaとWindows 7が備えるWindows Aero機能は、ThinkPad T61と自作機では有効に、VAIO Pではデフォルトの無効に設定した状態だ。ベンチマークテストではデバイスドライバの種類やバージョンも結果に影響を与えるが、基本的にはOSに含まれているものを使った。OSにドライバが含まれていない場合は、各ハードウェアメーカーからドライバをダウンロードしてインストールしている。

 自作機は、XPに限りCatalyst 9.3のドライバを導入している。テストに影響の少ないところでは、Intel Network Connections 13.5.32.0、SoundMAXのドライバとユーティリティ、Promise SATA378のドライバもインストールした。VistaとWindows 7では、Promise SATA378のドライバをインストールしただけだ。

tm_0912_win7-2_03.jpg 「ThinkPad T61」はSerial ATA HDDを採用するが、Windows XP標準の環境ではAHCIモードが無効なので、ドライバを別途導入してAHCIモードを有効化した

 ThinkPad T61は、XPに限りIntel Matrix Storage Manager 8.8を用いてAHCIモードを有効にし、グラフィックスドライバにIntel Grapics Media Accelerator Driver 6.14.10.4860をインストールした。テストに影響の少ないものでは、Intel Network Connections 13.5.32.0、Intel PROSet/Wireless Wifi ソフトウェア 12.2.0.0、SoundMAXのドライバ、指紋認証のドライバとユーティリティ、Intel Active Management Technology関係のドライバなどを入れている。VistaとWindows 7では、Intel Active Management Technology関係のドライバのみインストールした。

 VAIO Pは、XPに限り「type P Windows XP用VAIOソフトウェア」でドライバのみ適用し、ユーティリティソフト類はインストールしていない状態にした(参照→ソニーが“P専用XPドライバ”を配布開始:「VAIO type P」Vistaモデルを速攻でWindows XP化した)。Vistaではプリインストールされていたオリジナルのドライバのみ搭載、Windows 7ではSony CXD9192(ワンセグ用ドライバ)のみインストールした。

 それでは、次のページから各種テストを実施し、3台のPCにXP/Vista/Windows 7を搭載した場合の速度をチェックしていこう。

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