いまやクラウドなんちゃら全盛と言われる。ケータイやスマートフォン、あるいはホテル据え置きのPCからも、個人メールやプライベートなファイルへ簡単にアクセスできる環境が整ってきている。……にも関わらず「自宅のPCに保存してある、あのファイルを忘れた。というか、なぜ忘れたのだ」というミスがなくならないのは、筆者が単に整理下手で忘れ物が多い性格であるためだ。それゆえ、普段使うPCは常に持ち運ぶために小さく軽量で、かつ“これ1台でほぼ何でもOK”であるものを利用すると決めている。
というわけで、1366×768ドット表示に対応する液晶ディスプレイを備え、重量1キロ台の“モバイルノートPC”でありながら、Core 2 Duo SU9400(1.40GHz)や4Gバイトのメインメモリ搭載というスペック、そして光学ドライブや、AV機能やノイズキャンセリングイヤフォン機能などエンタテインメント系機能も備える“何でも入り”の「VAIO T」(VGN-TT53FB →価格を調べる)は、そんな筆者の要望にぴったりのPCである。なお、旧PCのVAIO type T/VGN-TZ90NS(以下、旧VAIO T)を含めて過去2台VAIO type Tを愛用するほど“VAIO T”にほれているわけだが、これまでのようにメインPCとして、かつモバイルノートPCとして満足のいくPCなのか。導入早々、北海道札幌市への出張に連れ出してみた。
VAIO Tシリーズはモバイル時のサイズ感が(筆者にとって)特に絶妙と思っている。普段使うバッグやケース類は“(ほぼ)旧VAIO Tにジャストフィットする製品”で統一しており、もちろんこのまま使いたい。というか、バッグはモバイル時、いや外出時における“基本”であり、これに合わせないと生活スタイルが乱れる──という理由から、今回も新VAIO Tを選んだようなものだ。
さて、筆者が愛用する出張用キャリーバッグは、B5サイズのノートPCがぴったり収まるサイズの手提げ付きインナーバッグが付属し、かつ機内持ち込みが可能なサイズのACE製「WENGER(ウェンガー)ソフトキャリーバッグ トリアングル 46センチ」(→価格を調べる)だ。キャリーバッグを開くとすぐ表れる内ポケット部にこのインナーバッグをすっぽり収納できる仕組みとなっており、スライドファスナーを少し開くだけでPCをラクに引っ張り出せるのがお気に入りのポイント。新VAIO Tはややボディデザインやサイズが異なるものの、このインナーバッグにも、キャリーバッグの内ポケットにも入った。
……と思って安心したが、羽田空港の“保安検査場”で立ち往生した。
ご存じのとおり、旅客機内にノートPCを持ち込む際は、保安検査場でいったんPCをカバンから取り出してX線の手荷物検査を受けなければならない。ほかに人がたくさん並んでいるし、何となく“あいつ、旅慣れてないな”などとも思われたくないし、できるだけスマートに通過したいもの。愛用キャリーバッグは前述のとおり、こういった時に効果を発揮し、PCをスムーズかつスマートに取り出せる――はず。順番は次だ。
出なかった。内ポケットのふちに引っかかったインナーバッグを引っ張り出そうともがいたが、ダメ。しれ〜とPCを取り出せないままX線検査機に入れたが、もちろん止められた。検査員の目の前でキャリーバッグを全開し、再検査して事なきを得た。
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