ギガバイトのCULVノートがBooktopで──2010年に登場する「M1305」を2009年に眺める(1/3 ページ)

» 2009年12月29日 12時00分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]

ギガバイトがようやく日本に投入するCULVノートPC

Booktopシリーズの最新モデルとして2010年1月下旬に登場する予定のM1305は、CULV版CPUを搭載することで、Atom搭載のM1022から性能を大幅に向上させるという

 「M1305」は、ギガバイトが展開する4種類のノートPCラインアップで“Booktop”と呼ばれるカテゴリーに属する新モデルだ。稼働するサンプルは2009年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2009で展示されていたが(詳細は家でも外でもどちらでも──多様化したニーズのすき間を埋める、GIGABYTEの「Booktop」を参照のこと)、製品の市場投入時期については、12月29日の時点でも、ギガバイトのWebページで「Coming Soon」とされている。しかし、市場関係者によると2010年の1月下旬にも日本市場に投入する予定で準備を進めているという。

 その登場に先立ち、評価用の日本市場向け機材で、M1305の仕様と機能を紹介しよう。なお、今回掲載する製品画像やマシン構成は、評価用の試作機のものだ。出荷される量産モデルとは外観や細かい仕様、製品構成が異なる可能性が十分あるので、その点はご了承いただきたい。また、同じ理由で、今回はベンチマークテストの結果も紹介していない。具体的な性能や挙動については後日改めて掲載する予定だ。

 いろいろな気になるポイントを持つ「M1305」だが、まずは、ギガバイトがようやく投入するCULV版CPU搭載ノートPC(以下、CULVノートPC)として注目できる。ギガバイトの資料によると、搭載するCPUは各種予定されており、Core 2 Duo SU9400(動作クロック1.4GHz)から、超低電圧版のCeleron、Pentiumがスペック表には記載されている。現時点で用意されるCPUの具体的なプロセッサーナンバーは明らかでないが、評価機にはCore 2 Duo U7300(動作クロック1.3GHz、2次キャッシュ容量3Mバイト)というインテル未発表のモデルが搭載されていた。

 チップセットも、Intel GS45 Expressが採用された。SFF(Small Form Factor)対応のモバイル向け最上位モデルで、グラフィックスコアは、HDコンテンツの再生支援機能をハードウェアで実現するIntel GMA 4500MHDを統合する。メモリもDDR3に対応し、M1305では、2基あるメモリスロットにDDR3-1066を2Gバイト×2枚実装する。

 データストレージは2.5インチHDDを搭載する。ワールドワイド向けのスペック表では500Gバイトと320Gバイトのモデルが用意されるようだが、評価用機材には500Gバイトのウエスタンデジタル「WD5000BEVT-00A0RT0」が搭載されていた。

 本体に用意されたインタフェースは、2基のUSB 2.0と5in1カードリーダー(メモリースティック、メモリースティクPro、メモリースティックDuo、MMC、SDメモリーカード対応)に加えて、eSATA専用コネクタも1基備える。ただ、M1022で搭載していたExpressCardスロットはなくなった。画像出力もアナログRGB出力とHDMIと充実している。ネットワークインタフェースは1000BASEーTに対応する有線LANとIEEE 802.11b/g/n対応に無線LANを備える。また、Bluetooth 2.1+EDRも標準構成で利用可能だ。

M1305の前面(写真=左)と背面(写真=右)は、インタフェースが配置されない

左側面(写真=左)には有線LANと内蔵ドライブを搭載し、右側面(写真=右)には2基のUSB 2.0とeSATA、HDMI、アナログRGB出力が並ぶ。M1022と同様、USB 2.0は左側面だけに配置された

底面のカバーを外すと、メモリスロットとHDDベイ、mini PCIスロットにアクセスできる。内蔵する光学ドライブも着脱可能で、ここに搭載できるセカンドバッテリーがオプションで用意される予定だ

大画面高解像度ディスプレイと打ちやすいキーボードで使い勝手も向上

 M1305は、13.3型ワイドの液晶ディスプレイ(解像度は1366×768ドット)と光学ドライブを本体に搭載したことで、ボディサイズは328.7(幅)×230(奥行き)×29.3(厚さ)とM1022Mから大型化した。重さも1.79キロとUltraSlimノートとしてはやや重い。搭載するバッテリーの容量は6セル11ボルト3800ミリアンペアアワー(41ワットアワー)で、スペック上のバッテリー駆動時間は約7時間とされている。本体内蔵の標準バッテリーに加えて、本体内蔵のDVDスーパーマルチドライブをセカンドバッテリーパックに交換することも可能なので、重量増をいとわなければ、さらにバッテリー駆動時間を伸ばすことも可能だ。

 M1022で評価が高かったキーボードのタッチは、M1305でも同様で、打ち込んだ指の力をぐっと支えてくれる。実際に打鍵していて、キーストロークがこのサイズのノートPCにしては浅く感じたが、実測で約2ミリとほかのノートPCと遜色ない。キーピッチはほとんどのキーで均等で、横18×縦19ミリとわずかに縦長だ。狭いキーは右寄りのごく一部で、ピッチは横15ミリ。スペースバーの横幅は実測で約55.5ミリある。その両脇の「変換」「無変換」キーは15ミリピッチの狭幅タイプになっている。

 キーボードのレイアウトで気になるのがカーソルキーの周りで、段差や空間を設けずに通常キーと連続している上に、上カーソルキーが右ShiftキーとEndキーにはさまれている。Endキーとの押し間違いでストレスを感じることがあるかもしれない。ただ、台湾PCメーカーで多い、「Enterキーの右脇のキー列」は存在しないので、日本のノートPCユーザーでも問題ない。

 パームレストの縦幅は79ミリでキーボード側の8ミリに傾斜を持たせている。タッチパッドのサイズは横幅73×縦幅41ミリで、下に縦幅16ミリのクリックボタンと指紋センサーを並べる。クリックボタンの横幅は左右ともに26ミリだ。タッチパッドの表面は、軽い突起加工が施してあって指の滑りがいい。場所はボティの中央で、キーボードのホームポジションからやや右にずれている。GキーとHキーの境からタッチパッド中央の横方向のオフセットは実測で20ミリあった。

M1305は13.3型ワイドの液晶ディスプレイを搭載する。最大解像度は1366×768ドットで、液晶パネルの輝度は10段階で調整可能だ。光沢パネルなので、輝度を下げると操作している自分の姿と向き合うことになる(写真=左)。M1022で定評だった“打ちやすいキーボード”はM1305にも引き継がれ、打ち込んだ指の力をしっかりと受け止めてくれる。キーピッチはほとんどのキーで18ミリを確保している(写真=右)

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