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» 2010年01月13日 12時00分 UPDATE

ノートPCにシフトするShuttleの2010年事業戦略説明会 (1/2)

Shuttleは、2010年から立ち上げる新しい事業戦略の説明会を行った。自社ブランド製品からODMノートPCにシフトし、ベアボーンラインアップは大幅に整理する。

[長浜和也,ITmedia]

苦戦する“ローカル企業”を助けるShuttleのノートPC戦略

 Shuttleの新しい事業戦略は、グローバルで展開するデルやヒューレット・パッカードといった、同社が「グローバル企業」と定義するPCベンダーではなく、世界のそれぞれの国で国内限定でホワイトボックスPCを展開する、Shuttleが「ローカル企業」と呼ぶPCベンダーがターゲットであるのが特徴だ。

 Shuttleの調べによると、ローカル企業が出荷するPCのシェアは2001年にワールドワイドで20%あったのが、2008年には7%まで落ち込んでいるという。その理由がグローバル企業が投入する、高品質で、かつ、価格が安い製品によってローカル企業の製品が駆逐されたため、とShuttleは分析する。特に、ホワイトボックスPCを主軸にしていたベンダーは、PCのコストパフォーマンスをメリットとして訴求してユーザーの支持を得ていたが、デルやHPといったグローバル企業がコストパフォーマンスだけでなく、ボディデザインや充実したサポートを提供する製品を、ホワイトボックスPCと同程度の価格で投入するようになって、苦戦するようになったと説明している。

 さらに、Shuttleは、ノートPCのODM向け生産が、上位4社で全体の75%を占める寡占状況にあることもローカル企業が苦戦する理由として挙げている。ODM向けノートPCの生産企業が限られているため、コスト決定は生産企業側が主導権を握っており、発注するボリュームが圧倒的に多いグローバル企業向けの生産が優先され、価格も安くなる傾向にあるという。発注ロットが限られるローカル企業向けの生産では、価格も高くなり、また、オリジナルデザインのモデルも新規開発の最小ロット数が国内で見込める販売台数を上回るために、発注できない状況だ。

kn_shuttle_01.jpgkn_shuttle_02.jpg 国内限定で製品を出荷する“ローカル企業”は、大手のグローバル企業に駆逐されつつあるという(写真=左)。その大きな理由の1つがODM向けノートPCベンダーの寡占状態にある(写真=右)

低価格でノートPCの生産を可能にする「規格化」

 ShuttleのノートPC事業戦略は、このローカル企業にむけて、安価にノートPCを提供するのが目的だ。1つ1つのローカル企業が発注するロット数は少ないものの、世界中に存在するローカル企業から発注を受けることで、グローバル企業に相当するロット数を確保し、安価に製品を提供するとしている。

 Shuttleでは、安価にノートPCを生産する工夫として、ノートPCのボディから液晶ディスプレイ、そして、システムボードといったすべての部材において規格化を進め、クライアントのオーダーに合わせて、部材を組み合わせるだけでノートPCを生産できる態勢を用意する。特に、システムボードの規格化を進めたことが、新しい取り組みだとShuttleは訴求している。システムボードの形状を大画面ノートPC向けの「SPA」とモバイルノートPC向けの「μSPA」の2種類だけにして、インテル、AMDのノートPC向けプラットフォームにその2種類のボードで対応するようにしたことで、開発コストが削減できるとShuttleは説明している。なお、採用するプラットフォームごとに異なるTDPの違いは、搭載するクーラーユニットをプラットフォームごとに変えることで対応する。

 規格化された各部材の検証と認証作業はShuttleが事前に行うことで、認証された部材を採用するノートPCの開発においては、検証作業の時間が削減できるのもコスト抑制につながる。

kn_shuttle_03.jpgkn_shuttle_04.jpg ShuttleのノートPC事業戦略では、規格化された各部材を選んで組み立てることで新規ノートPCが低コスト短時間で出荷可能になるという。Shuttleの説明によると受注から出荷まで1カ月程度という

 規格で用意されるそれぞれの部材のラインアップは、システムボードの形状こそ2種類に絞っているが、そのほかの部材では幅広く用意する予定だ。液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイドから17.3型ワイドまでそろえ、それぞれの画面サイズについてボディデザインを10パターン程度用意するとしている。ボディデザインやボディパネルのカスタマイズについては、現時点で情報がないということで明らかにされなかったが、ボディデザインを新規に開発するオーダーにも対応する予定で、この場合も、新規デザイン製品の出荷先を発注先企業の国内限定に調整したうえで、複数の企業から受注することで開発コストを下げることも検討可能としている。

kn_shuttle_05.jpgkn_shuttle_06.jpg ShuttleにノートPCの生産を発注する“ローカル企業”は、液晶ディスプレイのサイズ、システムボードのフォームファクタ、システムプラットフォーム、GPUの種別などを選択して、ノートPCのスペックを決定していく。ボディデザインもディスプレイサイズごとに10パターンほど用意するという

kn_shuttle_07.jpgkn_shuttle_08.jpgkn_shuttle_09.jpgkn_shuttle_10.jpg

kn_shuttle_11.jpgkn_shuttle_12.jpgkn_shuttle_14.jpgkn_shuttle_13.jpg Shuttleが提案する低コスト生産の工夫として特にアピールするのが、システムボードの規格化だ。大画面ノートPC向けのSPAとモバイルノートPC向けのμSPAの2種類に限定し、その上にインテルやAMDのプラットフォームを実装して、事前に検証作業を済ませておくことで、クライアントの発注から短時間低コストで生産が可能になるという

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