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» 2010年01月14日 17時30分 UPDATE

山谷剛史の「アジアンアイティー」:Googleは撤退し百度はクラックされる──混迷する中国検索サイト事情 (1/2)

1月13日のGoogle公式ブログ発言に端を発する中国撤退騒動。結末はまだ見えてこないが、中国ユーザーの動揺と、同時に起きた百度トラブルを現地から速報する。

[山谷剛史,ITmedia]

その予兆は2009年後半から

kn_chinagl_03.jpg Googleの撤退を示唆する公式コメントが明らかになった直後から、それまで検索できなかったNG画像がGoogle中国で表示されるようになった

 Googleが中国政府に反旗を翻した。中国で強化されるインターネット検閲と、Gmailを通じた中国人権活動家へのサイバー攻撃が相次いだことを理由に、Googleは中国からの完全撤退を検討していると同社のオフィシャルブログで発表した。13日の朝9時にGoogle中国で行われた全体ビデオ会議では、Google創業者のセルゲイ・ブリン氏から、中国政府と協議して検閲体制が変わらなければGoogleは中国市場から撤退するという考えをスタッフに対して明言している。

 その会議でセルゲイ・ブリン氏は「今まで4年間にわたり、中国政府とうまく交渉を重ねてくれて感謝している」とGoogle中国のスタッフをねぎらうコメントをしたと伝えられている。ただ、オフィシャルブログでの発表から数時間後に、Google中国から“NGな”コンテンツが検索できるようになったことが確認された。1月14日16時(現地時間)も、この状況は続いている。

 今回の騒動において、実はその前兆となる動きが2009年後半に起きている。2009年9月のGoogle大中華区総裁 李開復氏の退任だ。李氏は、中国のIT企業のリーダーでよくある“自信過剰”のない、グローバルな視野を持った人物として高く評価されていたが、その彼がGoogleを去ったというニュースは、当時中国IT業界で話題となった。2009年10月には、すでにGoogleが中国から撤退するうわさが流れ始めるなど、今回の騒動につながる予兆が中国では確認されていた。

ネットスラングで抵抗する中国のパワーユーザー

kn_chinagl_01.jpg 中国のSNSで行われたアンケート「Googleは中国から撤退してもいい?」の結果は反対77.68%

 オフィシャルブログが掲載された内容を紹介する記事が中国のWebニュースサイトで報じられているが、その記事の内容は、「人権」という単語を省いて翻訳していたり、オフィシャルブログが言及していない内容を記載していたりという記事も少なくない。ただ、いずれにしろ、Googleが発表した原文を忠実に紹介する記事や、Googleが決断した原因について言及している記事は13日の時点で皆無だった。その上で、「中国から去りたければ去れ。中国市場を失ってGoogleは大損害だろう」という撤退歓迎を表示するメディアもあれば、「中国で偉大な功績を残したのに残念でならない」と撤退を惜しむメディアもあった。

 中国でGoogleが実施したサービスは、“ピンインIME”の開発などWeb検索やメールサービスだけにとどまらない。「Googleの中国撤退発表により、ナスダック市場でGoogleの株価が下がり、百度の株価が大幅に上がった」という記事も多く掲載された。Googleの中国撤退で「Google中国の失業者が増える」ことを危惧する記事も少なくない。(記事掲載当初、Google日本語入力がGoogle中国の“ピンインIMEをベースに開発されたと記載しましたが、Google日本語入力は日本で独自に開発されています。おわびして訂正いたします)

 13日の時点で、中国からGoogleのオフィシャルブログへアクセスができなくなった。中国のブロガーたちは、オフィシャルブログに掲載された発表画面をキャプチャーして、各自のブログ記事に張り付けている。直訳を載せている度胸あるブロガーもいれば、「中国人|権」と検索に引っかからないように“意訳”した文章を掲載するブロガーもいた。そのコメント欄にはGoogle撤退を悲しむコメントとともに、(コメントを消されないようにする対策のためか)現政権を皮肉混じりに褒めるコメントが書き込まれている。

 ある書き込みでは「Facebook、YouTube、Twitter、そしてGoogle。世界の人気サービスは偉大なる天朝がためにすべて使えなくなった。あるのは百度と(SNSの)「校内網」、動画共有サイトの「優酷網」といった素晴らしいサービスだけだ」と中国純正のサービスだけが残った状況を皮肉るコメントも確認された。

 ブログ記事の感想には、上記の「天朝」のほかにも「zf」(政府の発音zheng fuのイニシャル文字)「party」(党)「河蟹」(中国政府の目標として掲げる「和諧」社会の同音異義語。河蟹こと川の蟹を模した萌えキャラがグリーンダム騒動で登場した。グリーンダムなど、中国が試みたフィルタリング強制導入義務化騒動については政府強制フィルタリングソフト、中国人ハッカー軍団に屈するや、フィルタリングソフト義務化で中国人民の反応は?── 「ぶっちゃけ無理だろ」を参照のこと)などの“ネットスラングを駆使して”表現の自由に関する批判を書き込んでいる。

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