インスタントモードはキーボードの手前にある「XMB(クロスメディアバー)ボタン」から10秒ほどで起動し、ソニー製AV機器やゲーム機でなじみのある操作メニュー「XMB」で操作する。メモ帳機能は、Windowsのメモ帳に似たデザインのテキスト入力エリアが画面全体に表示される仕様だ。操作感もWindowsのメモ帳とそれほど変わらないが、若干の注意点がある。
まず、VAIO PのインスタントモードはLinux上で動くため、日本語入力システムがWindows 7上で用いるものと異なる、Linuxの日本語入力システム「Anthy(アンシー)」を使用する。もっとも基本的な操作感や変換効率の高さはMS-IMEとそれほど変わらないと感じるが、ローマ字入力のキーバインドが少し異なっている。例えば“ちょっと”を「chotto」でなく「cyotto」と入力するスタイルのユーザーは少し気をつけたい。
もう1つ、メモ機能で作成したテキストを本体内蔵ストレージに保存すると、Windows 7側から直接読み出せない。データそのものは単なるテキストファイルだが、インスタントモードはWindowsで認識できないストレージ領域で動作しているため、内蔵ストレージに保存したデータはインスタントモードからしか読み出せない……仕組みのようだ。入力したメモを後でじっくりWindows 7上で扱いたい場合は、USBメモリなどの外部ストレージに保存しておくとよいだろう。
インスタントモードは、メモ帳以外に画像や動画、音楽の再生機能のほか、ブラウザやSkype、インスタントメッセンジャー機能も利用できる。通信環境は内蔵有線LANと無線LAN以外に、内蔵ワイヤレスWAN(FOMA HIGH-SPEED)も利用できる。1点、USB接続タイプの外付けデータ通信端末は使用できないが、モバイルWiMAXなら「AtermWM3300R」、イー・モバイルなら「Pocket WiFi」など、ワイヤレスWAN回線を無線LANで共有でき、かつPC本体に何も接続せずに利用できるモバイルルータ機器を用意するならOKだ。これらは電源を入れてバッグに入れておくだけでよいので、使い勝手の面でも小型ボディのVAIO Pと大変相性がよいといえる。
さて、天神北部のエリアは俗に“天神北”あるいは“キタテン”などとも呼ばれ、実は大手同人誌ショップやメイド喫茶なども多く存在している。もちろん東京・秋葉原や池袋などには及ばないが、“そっち系”が好きな人にとってもたいへん面白い街である。
とあるメイド喫茶でVAIO Pを開いたが、普段あまり話しかけてもくれないメイドさんが興味津々に声をかけてくれた。この気持ちを忘れないうちに、メモ帳機能で即座にメモが可能。これだけで、VAIO Pの導入満足度は満点に近いのである。
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