「そして、同じコンセプトで作られたのがこれだ」と、ミラー氏が取り出したのが、そのユニークなギミックがCES Unveiledで最も注目を集めた「IdeaPad U1 hybrid」だ。本体部分はCore 2 Duoを搭載し、Windows 7で動作する通常タイプのノートPCだが、ディスプレイユニットを取り外すと、その部分がマルチタッチ機能を備えたタブレットデバイスとして利用できる(2010 CESで行われえたCES Unveiledの詳細はCES Unveiledで登場した“オモロイ”ノートPCたちを参照のこと)。
ディスプレイユニットはSnapdragonを搭載してSkylight OSで動作するなど、「Skylight」と同じ仕様でバッテリー駆動時間は8時間。タブレットデバイス使用時も、HDMIでノートPC本体を外部ディスプレイに接続すれば普通のPCとして使える(IdeaPad U1 hybridの詳細はプライベートイベントで「T410」「U1 Hybrid」「Skylight」に肉薄するを参照のこと)。
「ただし、2010 CESで紹介しているモデルはかなり初期段階の試作機で、仕様などはまだまだ詰める必要がある」と、ミラー氏は述べている。確かに、今回見た試作機のタブレットデバイス部には外部スロットが何もついていない。Lenovo内部で話し合った結果、ヘッドフォンのジャックを取り付けることが決まっているそうだ。使い勝手を考えると、microSDなどの外部メモリスロットは欲しいところだが、こちらも「検討中」としている。
また、導入されているソフトウェアも開発途上で、現在、ノートPC本体とタブレットデバイスで同期できるのはWebページ閲覧の履歴だけとなっているが、MacやPCとiPodをつなぐiTuneに相当するような同期用ソフトウェアも独自に開発中としている。
このように、ハードウェアもソフトウェアもまだまだ改良の余地がありそうだが、Lenovoでは、IdeaPad U1 hybridを2010年後半に発売する予定だという。
SkylightとIdeaPad U1 hybridは、Lenovoが考えるこれからのデジタルライフのありかたを明確に表しているという。コンセプトモデルでは終わらせずに、本気で、しかも短期間のうちに製品化してしまうところがLenovoの底力といえるだろうか。コンシューマー市場に登場したこれらの製品がモバイルコンピューティングにどのような影響をもたらすのかを興味深く待ちたい。
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