プライベートルーム向けとして、PCとテレビをまとめてスマートに導入したい──。NECの「VALUESTAR N」はこのようなシーンに合致する液晶一体型デスクトップPCだ。2010年春モデルはモバイル向けのCore i5/Core i3とIntel HM55 Expressにプラットフォームを変更しつつ、デザインも従来モデルより薄くコンパクトなボディに一新した。
今回は最上位モデルのVN770/WG6R(クランベリーレッド)を評価機とし、各ポイントをチェックしていこう。
ボディは、1600×900ドット表示に対応する20型ワイドのスーパーシャインビューEX液晶ディスプレイを中心に、よくある液晶テレビと同じように“正面は(ほぼ)画面だけ”となるスタイルを継承する。画面サイズは従来モデルの21.5型ワイドより若干小さくなったが、本体サイズは490(幅)×362(高さ)×169(奥行き)ミリ(ディスプレイ最小傾斜時)と、その分縦横のサイズがコンパクトに、かつ奥行きも24ミリ短くなり、より省スペースに設置できるようになったのがポイントの1つだ。重量も約8.4キロと、約2.5キロほど軽くなっている。
カラーバリエーションは上位のVN770/WG6、下位のVN550/WG6ともにクランベリーレッド(評価機)、ファインブラック、パールホワイトと3色を用意し、設置する部屋の色調や好みに応じて選択できる。評価機のクランベリーレッドは、ブラックを基調にディスプレイベゼル部を濃く深めのレッドであしらったツートーン構成となっており、高級感の演出も上々だ。過度に主張しすぎるデザインでないため、濃い目の色調の部屋に導入する場合や、照明を控えめにしたベッドルームなどへの設置にも適しているだろう。
角度は、背面スタンドにより上下10度〜20度の範囲で画面のチルト角を調整できる。左右の向き調整は本体ごとずらして行うことになるが、重量は約8.4キロなのでそれほど苦痛ではない。とはいえ、別の部屋へ、あるいは作業デスクからベッドサイドのテーブルに移動する──というように本体ごと移動させたい場合は、適当な“持つ場所”がないので少し苦労する。取っ手の機能を果たす何かが設けてあればありがたかった。
キーボードとマウス、テレビ操作用のリモコンは2.4GHz帯無線を使うワイヤレス型で、わずらわしいケーブルの接続なしに利用できるほか、キーボードあるいはリモコンの操作のみでPCの電源も制御できる。利用可能範囲は約3メートル(とあるが、実利用時は5メートルほど離れても操作できた)で、未使用時は本体の下部に双方収納しておける。リモコンは主にテレビ系機能やWindows 7のMedia Centerで利用するが(家庭用AV機器で一般的な赤外線型ではない)無線型であるため、リモコンの先を本体に向けなくても操作できるのが便利だ。
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