多数登場したエントリークラスのPhenom IIとAthlon IIラインアップだが、今回はPhenom IIの2モデルでベンチマークテストを行った。なお、ベンチマークテストに用いたシステムのOSにはWindows 7 Ultimateを導入したが、計測に使ったベンチマークソフトの安定動作の都合で32ビット版を選択している。
計測に使うベンチマークソフトも、これまでの“イマイタ・レビュー”から少し変更した。「SYSMark 2007 Preview Patch-5」、「PCMark05」「PCMark Vantage」、「3DMark Vantage」、「CINEBENCH R10」、「Sandra 2010」といった定番は継続するが、市販ゲームタイトルを使ったベンチマークテストでは「ストリートファイターIVベンチマークテスト」を、エンコードテストでは「Media Show Espresso」を用いた。
評価作業に使ったシステムは、これまでAMDのCPUを検証してきた構成を継承するが、グラフィックスカードをRadeon HD 5850に変更している。
評価用システム構成 | |
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マザーボード | MSI 790GX-G65 |
チップセット | AMD 790GX+SB750 |
メモリ | DDR3-1333 4Gバイト(2Gバイト×2) |
GPU | Radeon HD 5850 |
HDD | WD5000AAKS(500Gバイト/7200rpm/16Mバイト) |
OS | 32ビット版 Windows 7 Ultimate |
行ったほとんどのベンチマークテストの結果で、「100MHz分」のスコア上昇が確認できた。Sandraの各テストやCINEBENCH R10はいうまでもなく、3DMark VantageやストリートファイターIVベンチマークテストなどの3D系でも、新CPUでわずかながらスコアが上がっている。結果の値はわずかのように感じるが、Media Show Espressoのエンコードでは、5分のフルHD映像をメニューで用意された「PSPフォーマット」(H.264、480×272ドット)に変換する処理で4秒の時間短縮も、2時間の映像なら1分半以上の違いとなるはずだ。わずか100MHzであっても侮れない。
今回テストした2製品は、ともに従来から速くなった「100MHz」のスコアアップを果たしている(誤差に吸収されてしまったテストもあるが)。ユーザー心理としても「100MHz速い」ことは魅力として認識されるだろう。さらに、Phenom II X2 555 BEは、80ワットというTDPで3.2GHzという動作クロックを実現している。SYSMark 2007におけるE-LearningやProductivityで見られるように実用アプリにおけるパフォーマンスも高い。いろいろな意味で「一発逆転」狙いの自作PCユーザーの心をくすぐるユニークなCPUだけに、注目したい製品だ。
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