軽くて丈夫。パワフルで長時間。相反する要求をすべて実現するレッツノートRシリーズは、モバイルユーザーに長期にわたって支持を得てきた。新世代CPUを搭載したR9の実力に迫る。
いつも持ち歩き、外出先はもちろん、社内や自宅でも使う。“モバイルノートPC”を端的に表現するとしたら、こんなシンプルな答えになるだろう。しかし、シンプルだからこそ、そこにはいろいろな意味が含まれている。同じように、ユーザーがモバイルノートPCに求める条件もさまざまだ。携帯しやすさ、堅牢なボディ、あるいは長時間駆動……。
パナソニックがレッツノートを利用しているユーザーにアンケートを実施したところ、96%以上が「満足している」と答えながらも、「さらにCPUパワーがあってもいい」と回答した人が6割に達していたという。これはレッツノートが、ユーザーから外出時に限らず常に利用する“メインマシン”として考えられていることの表れだろう。
2009年冬モデルで新たに登場したSシリーズとNシリーズは、標準電圧版CPUを採用することで、新世代モバイルと呼ぶにふさわしい高い処理能力を実現した。これは手軽さで注目を集めていたNetbookに対するパナソニックの回答ともいえるが、ユーザーのニーズにもしっかりと一致していた。新たに登場した2010年春モデル(レッツノート“9”シリーズ)でも、このようなユーザーの期待に応えるべく、さらなる高い性能を追求している。
今回のモデルチェンジで最大の特徴は、“プロフェッショナルモバイル”に必要な高いパフォーマンスを実現するため、全モデルにおいて新世代のインテル Core vPro プロセッサー・ファミリーを搭載したという点だ。「F9」「S9」「N9」では標準電圧版のインテル® Core™ i5-520M vPro™プロセッサー(以下、Core i5-520M)、「R9」では超低電圧版のインテル® Core™ i7-620UM vPro™ プロセッサー(以下、Core i7-620UM)を採用した。また、レッツノートのショッピングサイト「マイレッツ倶楽部」では、それぞれワンランク上のCore i5-540MとCore i7-640UMを搭載している。
ここで注目したいのが「R9」だ。レッツノート“9”シリーズは、全モデルで開発コード名「Arrandale」と呼ばれていた32ナノメートルプロセスルールを導入したデュアルコアのCore iシリーズを採用するが、R9では、TDP18ワットの超低電圧版をいち早く搭載している。ほかの「S9」「N9」「F9」が採用したCore i5-520Mの動作クロックは2.4GHzであるところ、Core i7-620UMは1.06GHzと差があるため、性能的には「F9」「S9」「N9」が上を行くが、それでも軽量・コンパクトボディを特徴とするRシリーズに最新のCore i7が搭載されたのは驚きだ。
この「RにCore i7を搭載」というのは、超低電圧版といえども簡単なことではない。Rシリーズのボディは高性能モバイルとして極限まで小型化を追求したボディで、重さも1キロ以下を維持している。R8のボディをそのまま継承したR9は、外見こそ大きな違いはないものの、内部構成に関してはほぼ一新されている。その中で最も大きな変更といえるのが“放熱”だ。
R9では2009年秋に登場のS8で実績のある放熱設計を応用し、約3倍の風量を実現することで、冷却性能を50%向上した。排気口のサイズ自体は変わらないため(ただ、スリットの幅がR8より広くなった)外見上では気づきにくいが、R8では本体後部に約1.5センチ径のファンが取り付けられていたのに対し、R9では、ファンの位置をより効率のいい基板の底面側へ移動し、大きさも約3センチ径に増やした。このファンからダクト経由で排気が行われている。この変更で静音性能も向上したという。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年3月3日