先々週のAthlon II X4/X3/X2シリーズに続き、Phenom II X4 e/X2シリーズにも上位モデルが追加された。「Phenom II X4 910e」と「Phenom II X2 555 Black Edition」で、価格は順に1万7000円弱から1万8000円弱、1万円前後となる。在庫は潤沢だ。
Phenom II X4 910eは、従来のシリーズ最上位「905e」より動作クロックが100MHz高い2.6GHz動作のクアッドコアCPUで、計2MバイトのL2キャッシュと6MバイトのL3キャッシュを備える。TDPは65ワットだ。Phenom II X2 555 Black Editionも、従来のシリーズ最上位「550 Black Edition」より動作クロックが100MHz高い。3.2GHzで動作し、L2キャッシュは計1Mバイト、L3キャッシュは6Mバイト。TDPは80ワットで、動作クロックの倍率は変更可能だ。
入荷したフェイス秋葉原本店は「シリーズ最上位といっても、AMD製CPUブランドの中で最高の性能を持つPhenom II X4の上位モデルが出ないとインパクトが弱いですね。注目度はそれほど高くありません。とはいえ、割安感は相変わらずあるので、2モデルともに今後の売れ筋になる可能性は秘めています。特にPhenom II X2 555 Black Editionは1万円前後で買えるので、エントリー構成でマシンを組む人にヒットしそうです」と語る。
「割安にそこそこ多機能で性能の高いマシンを構築する」というニーズを後押しするように、先週はギガバイトからUSB 3.0に対応するAMD 785Gマザー「GA-785GMT-USB3」とAMD 770マザー「GA-770T-USB3」も登場している。価格はともに1万2000円弱で、在庫は潤沢だ。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「USB 3.0やSATA 3.0対応マザーが登場してから、ギガバイト製品のラインアップが増えまくってます。もう置き場所に困るくらいですが、AMD系は比較的バリエーションが少なかったので人気を集めるかもしれませんね」と語る。
こうしたラインアップの充実も手伝って、AMD系パーツの売れ行きはPhenom I時代から順調に回復しているそうだ。ドスパラ秋葉原本店は「Phenom I時代は、CPUの売り上げ全体の1割行くか行かないかという辛い状況でしたが、今では2〜3割で安定しています。今回登場したPhenom II X4 910eは1万8000円弱ですが、Phenom II最上位の『X4 965 Black Edition』もほとんど同じ価格なんですよね。本当に安い。でも、AMDファンとしては、もっと尖った高性能モデルも早くほしいところです」と漏らしていた。
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