前述の理由から、光学ドライブもDVDスーパーマルチドライブに切り替えた。インテル編でも採用したバッファローの「DVSM-24AS/V」で、価格は2980円だ。「私の経験則ですが、BDビデオの視聴に関してはプレイステーション3を使うという方が非常に多く、BD-Rドライブの売れ行きが伸びない理由になっている気がするんですよ。もしPS3やBDレコーダーを持っているなら、無理して高価なBDドライブを選ぶ必要はないかな。DVDスーパーマルチなら3000円以下でアプリケーションやサポートが十分に付いたリテール品が買えるわけですから」。しかし誰もがPS3やBDレコーダーを持っているわけではない。
そんな人には、DVDスーパーマルチに加えて、再生専用のBD-ROMドライブの追加が割安だという。「LITEONのバルクドライブ『iHOS104-06』なら5980円。Windows 7なら特にソフトやドライバを追加しなくても標準で使えるので、選択肢としてはかなり魅力的だと思います」と別の選択肢もアドバイスしてくれた。
最後の変更はPCケースだ。今回の構成はインテル編に比べて、グラフィックスカードの性能が高く、そのぶん発熱量も多い。このため、剛性やメンテナンス性に加えて、排熱性の高さも重要になってくるという。そこで選ばれたのは、クーラーマスターの「CM690 PURE」。価格は1万780円だ。
「電源ユニットの熱を独立して排気できるのと、グラフィックスカードの熱も底部の吸気口を使って、上下に逃すことができます。長めのグラフィックスカードを差すとケースの底部に熱がたまりやすくなるので、そこにファンを追加できるケースを選ぶのがオススメですね」とポイントを解説する。
ちなみに、電源ユニットはグラフィックスカードの消費電力を考慮して、標準構成の「ZUMAX 700W」のままだ。「優良な電源ユニットは、ピーク時の電力に対応する発熱にも耐えうる設定になっています。GeForce GTS 250を採用したことで、インテル編よりも発熱量が高くなりますが、ZUMAXの700ワットタイプならまず心配ないでしょう」。
以上の変更から、パーツ構成は以下のようになった。価格は取材当日のツートップ秋葉原本店を参考にしている。
新しいパーツ構成表(変更した項目は★) | 製品名 | 価格 |
---|---|---|
CPU | AMD「Phenom II X4 945」 | 1万4480円 |
★マザーボード | ギガバイト「GA-770TA-UD3」 | 1万2980円 |
メモリ | マスタードシード「UMAX Cetus DCDDR3-4GB-1333」 | 1万980円 |
★HDD | (Deskstar 7K1000.C HDS721010CLA332)※DSP版Windows 7とセット | − |
★光学ドライブ | バッファロー「DVSM-24AS/V」 | 2980円 |
★グラフィックスカード | リードテック「WinFast GTS250 512MB」 | 1万1530円 |
★PCケース | クーラーマスター「CM690 PURE」 | 1万780円 |
電源 | Abee「ZUMAX 700W 限定モデル ZU-700W-KA」 | 8980円 |
OS | マイクロソフト「Windows 7 Premium 64bit DSP版」+日立GST「Deskstar 7K1000.C HDS721010CLA332」 | 2万4250円 |
合計金額 | 9万6960円 | |
大幅な変更ののち、グラフィックス機能が強化され、USB 3.0とSATA 3.0が使えるマシンに生まれ変わった。10万円まであと3000円分の余りがあるので、インテル編と同じように1TバイトHDDを500Gバイトタイプ2台に変更(7250円→9300円)したり、HDDを500Gバイト1台にしてBD-ROMドライブを追加するといったカスタムも余裕だ。
樋熊氏は「今回の構成はあくまで一例です。ゲームは十中八九しないと思われるなら、AMD 785Gマザーを使う元の構成にして、BDドライブ分の予算をPCケースに回すのがよいかと思います。また、地デジチューナーも1万円強で買えるので、元の構成で光学ドライブをBD-ROMのみに変えて、2TバイトのBD&地デジマシンを作るといったことも可能でしょう。5年先までの使い方がはっきりしているほど、よりお得なマシンが組めるわけです」と語り、ダメ出しを締めくくった。
いわば自作の“プロ”であるアキバの店員さんに相談すると、予算や用途にあわせてさまざまな選択肢を提示してくれる。もちろん、店員さんの好みに左右されることもあるが、自分では思いつかなかったアドバイスを聞けるメリットは大きい。PCを新規に1台組むときだけでなく、パーツの買い替えや買い増しなどでも、ぜひアキバのパーツショップに足を運んでみよう。
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