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» 2010年02月15日 16時30分 UPDATE

Macworld Conference&Expo 2010:規模は縮小したけれどMacworld Expoは大盛況 (1/2)

“アップル不在”の心配をよそに、Macworld Expoの展示会場は今年も熱気であふれていた。まずは「BEST OF SHOW」で紹介された新製品と、会場の注目ブースを紹介していこう。

[林信行,ITmedia]

名物記者の基調講演と「BEST OF SHOW」で幕開け

og_macworld3_001.jpg オープニング講演「LATE NIGHT WITH DAVID POGUE」

 2月11日(日本時間12日)、アップル不在のMacworld Expoの本編とも言える展示会場がオープンした。前日までのカンファレンスは人影もまばらで、果たして本当に盛り上げるのか不安なところもあった。

 しかし、11日の朝に行われたオープニング講演は立ち見が出る満席となった。その後に続いた、今回のMacworld Expoに出展する優秀製品を紹介する「BEST OF SHOW」も大入りとなった。

 「LATE NIGHT WITH DAVID POGUE」と題されたオープニング講演は、古くからアップル関連の記事をNew York Timesの名物記者、デビッド・ポーグ氏を司会に迎え、アメリカ人にとってなじみ深い深夜のニュースショー形式で行われた。

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 SFテレビドラマ、新スタートレックでジョーディ・ラ=フォージ役を演じた俳優のレヴァー・バートン氏らも登場。アップルがどん底にいた'98年ごろにポーグ氏が書いたコラムを脚本に、「もし、この世にアップルが存在しなかったら」というコメディ劇などを披露した。

 バートン氏がスティーブ・ジョブズ役を務め、ピアノ演奏の腕でも定評があるポーグ氏がBGMを演奏した。同講演ではほかに、人気アーティスト、T-Painの登場後、アメリカで大流行のオートチューンの技術を使って政治家やニュースキャスターを唱っているように見せる映像なども披露し、終止笑いが絶えない講演となった。

 続いて行われた「BEST OF SHOW」では、これまでNetscapeやGoogleといった数々のイノベーティブな製品がデビューを飾ったイベント「DEMO」のホストでもあるマット・マーシャル氏(VentureBeat社CEO)がホストを務め、今回のExpoで注目を集めた6製品の開発者を壇上に招いた。

og_macworld3_003.jpg 天文系ソフトウェアを開発するCarina Software

 最初に登壇したのは、天文系ソフトウェアを開発するCarina Software社(カリーナ・ソフトウェア)。iPhone 3GSのコンパス機能と連動した天文アプリ「Sky Voyager」で有名な会社だ。同社は「Sky Voyager」が「MACWORLD 2010 Best of Show」を受賞したことを記念して2月14日まで9.99ドルに値段を下げて提供している。

 同社はDEMOでもう1つ新しい製品も紹介した。「SkyFi」という天体望遠鏡制御の製品だ。これまでPC制御が可能な天体望遠鏡はいくつかあったが、その多くはDB-9形式のシリアルポートを備えていたため、iPhoneで操作することができなかった。そこでCarina社では、無線LAN経由でiPhoneと連携ができるシリアル通信ボックスを開発。このボックスを天体望遠鏡につないでおけば、iPhoneから天体望遠鏡の操作が可能になる。価格は149.95ドルだ。

 2つ目に登場したのは、Canson Software社(カンソンソフトウェア社)の「Paper Show」(199ドル)。プロジェクターで、かつてのOHP(オーバーヘッドプロジェクター)のような、リアルタイム書き込みが行えるのが魅力の製品だ。製品を構成するのは、ペンとUSBキーと紙のノート。USBキーをMacにさし、USBに入っているアプリケーションを起動すると、付属のノート(インタラクティブペーパー)に描いた内容が、そのままMacの画面に表示される。さらにノートに印刷されたボタンをペンでタッチして、線の太さを変えたり、色を変えたりと言ったこともできる。あらかじめ用意されたPowerPointなどのスライドの上に、強調の下線や矢印を描き加える、といった形でのインタラクティブプレゼンテーションも可能だ。

 3つ目に登場したのはTen One Design社。「Inklet」という描画ソフトを紹介した。マウスを使って絵を描こうとしても、なかなか思ったように描くことができない。かといって、感圧タブレットは持ち歩くには不便だ。そこで同社が目をつけたのが、最近のMacBookシリーズに搭載され、どんどん巨大化しているマルチタッチのトラックパッドだ。同社はこのトラックパッド用に「pogo sketch」というスタイラスペンを発売しており、このペンを使ってトラックパッドを使って署名をする「Autograph」というアプリケーションも発売していた。新発表の「Inklet」はそれをペイントソフトに発展させたものだ。ペンに加わる圧力に反応してきちんと線の太さも変わるため、繊細な表現が可能だと言う。

og_macworld3_004.jpgog_macworld3_005.jpg 手書きメモソフトを紹介したCanson Software社(写真=左)と、トラックパッドを使ったペイントソフトを披露したTen One Design社(写真=右)

 4つ目に登場したのはMicrovision社(マイクロビジョン)。レーザーピコプロジェクターの「SHOWWX」を紹介した。iPhoneを少し厚くしたような大きさの製品で、内蔵のリチウムイオン電池で2時間駆動。RGBの光の三原色のレーザーでiPhoneとケーブル1本でつながりプレゼンテーションができる。常に焦点があうフォーカス不要の製品で、6〜200インチの映像を投影可能だ。

 5つ目はBox.net社のQuickOffice。iPhone用のクラウドベースのオフィススイートだ。GoogleのオフィススイートであるGoogle Docsや、ファイル共有のDropBox、アップルのMobileMeなどを使って、文章や表計算などの書類を閲覧、編集できる。

 文字のスタイルなども反映し、PC上でレイアウトした通りの表示をすることもできるが、必要であればiPhoneサイズにあわせて文字を折り返し表示させることもできる。iPhoneの小さな画面でも、快適に文章の左寄せ/右寄せなどのスタイリング操作ができる独自の操作デザインのメニューもなかなかよくできている。飛行機の機内など電波が届かない場所でもあらかじめ同期しておいた書類の編集が可能で、次回の接続時に変更を反映してくれる。

 6つ目はSachManya社の「YAPPER」というアプリケーション開発サービスだ。なんとWebブラウザで必要情報をいれていくだけで簡単にiPhoneアプリが作れてしまう。iPhoneは今回開催されたMacworld Expoのガイドにも使われるなど、イベントガイドとして活用されることが多い。YAPPERは、こうした情報提供型アプリを簡単に作成するサービスだ。最大25個までのRSSを登録し、それぞれのRSSを表示するためのボタンなどをブラウザに表示される画面上に配置していくだけで、簡単にiPhoneアプリを作成できる。iPhone OSのアップデートへの対処も同社側で行ってくれ、Android用アプリも作れる。Expo開催期間中はスペシャルで99ドルでアプリの作成ができるという。

og_macworld3_006.jpgog_macworld3_007.jpgog_macworld3_008.jpg Microvision社(写真=左)。Box.net社のiPhone用オフィスアプリ「QuickOffice」(写真=中央)。SachManya社の「YAPPER」(写真=右)

 「LATE NIGHT WITH DAVID POGUE」と「BEST OF SHOW」。この2つのイベントが終わるのにあわせて、Macworld Expo 2010の展示会場もオープンした。Moscone Center North Hallを埋め尽くす展示ブースは、例年と変わらない大勢の来場者と熱気であふれていた(ただし、人口密度は例年と同じだが、会場規模が3分の1ほどになっていることを考えると、やはり来場者は大幅に減っているのかもしれない)。

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