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» 2010年02月17日 10時05分 UPDATE

Macworld Conference&Expo 2010:ファイル互換から作業スタイル互換へ――「Office for mac 2011」説明会 (1/2)

既報の通り、マイクロソフトがMac版Officeの次期バージョン「Office for Mac 2011」を発表した。Macworld Expoで行われたプレス説明会では、同社Mac BUのアマンダ・ルフェーブル氏と、Macエバンジェリストのカート・シュマッカー氏の2人が製品の特徴を語った。

[林信行,ITmedia]

コラボレーションでも互換性

og_office_001.jpg Macintosh Business Unit(Mac BU)のシニア マーケティング マネージャー、アマンダ・ルフェーブル氏(左)と、シニア・Macエバンジェリストのカート・シュマッカー氏(右)

 Mac版Officeの最新バージョン「Office for Mac 2011」は、2009年に発表があった通り、2010年末(2010年第4四半期)にリリース予定だ。

 Macworld Expoで説明会を実施したマイクロソフトのアマンダ・ルフェーブル氏は、今回の新Officeで最大のテーマだったのは、ファイルフォーマットを超えた「互換性」だと語る。OfficeはWindows版を含めると、すでに5億人のユーザーを抱える一大プラットフォームとなっており、Macユーザーの大半も週に1度はWindows版のOfficeに触れているという。

 しかし、これまでMac版のOfficeを使うユーザーにとって、Officeが提案している共同作業機能の一部が利用できない、Mac版とWindows版Officeを行き来するうえで操作方法が異なっている、企業向けの先進機能がWindows専用のためにIT部門がなかなか採用に踏み切れないといった問題があった。

 今回の新バージョンでは、これらの問題点の解消を目指したという。ルフェーブル氏は「新Officeは、ファイルフォーマットはもちろん、仕事のやり方やユーザー体験についても互換性を持たせたOfficeだ」と語る。また、同席したシュマッカー氏は、この新しいレベルの互換性を「コラボレーション」「Outlook」「ユーザー体験」の3つのキーワードで詳しく解説してくれた。

og_office_002.jpg 共同作業機能の強化がOffice for Mac 2011の特徴の1つ。画面左下の吹き出しは、この書類がSkyDrive上に保存されていることを示している。画面上の方の、左端に線が引かれた箇所は、現在ほかの人が編集中の箇所で、ロックされており編集できない

 まずはコラボレーション。最近のOfficeでは、マイクロソフトのインターネットストレージサービス「SkyDrive」や、企業イントラネット用サーバの「Sharepoint」を使ったワークグループでのコラボレーションに力を入れている。また、「Microsoft Office Web Apps」というクラウド型のOfficeの提供も始めている。「Microsoft Office Web Apps」は、今でもMacのSafariやFirefoxといったWebブラウザを使って操作ができるが、Officeアプリケーションとの連携は実現しておらず、「(書類を)Wordで開く」といった操作ができなかった。

 一方、Office for mac 2011ではこの機能に対応した。メニューを実行すると書類がダウンロードされ、Co-Authoringと呼ばれる共同作業機能が有効になり、編集後の書類は直接「Microsoft Office Web Apps」上に保存される仕組みだ。クラウドを使って編集作業を行うと、1つの書類を複数の人が同時に編集するといったことが起きうるが、今回用意されたCo-Authoring機能によって、ほかの人が編集中の箇所を段落単位でロックしてくれる。これは共同作業の相手がMac OS XとWindowsのどちらのプラットフォームを使っているかは関係ない。

 ルフェーブル氏は、同機能は、企業向けの機能のように見えるが、学校などで共同論文を書く場合や、家族で書類を共有する場合にも便利な機能だと付け加えた。

企業向け機能にも互換性

og_office_003.jpg

 2009年の秋、マイクロソフトは、「次期Office for macではEntourageをなくし、代わりにWindows版Officeと同様にOutlookをバンドルする」とアナウンスした。シュマッカー氏によれば、企業からはExchangeサーバとOutlookを使った統合的協調環境へのニーズがあるが、これまでのMac版OfficeではEntourageにOutlookの機能を部分的に実装していたため、せっかくのExchangeの機能を使いたくても、Macユーザーの反発にあって使えないケースが存在したという。

 コンテンツの内容を保護するIRM(Information Rights Management)という機能もその1つで、マイクロソフト社内のIRMチームは、Mac版Officeを開発するMac BUを訪問して同機能の実装を直談判したらしい。Mac BUはこれに応え、Word、Excel、PowerPoint、Outlookの4アプリケーションすべてで、IRM形式の書類の作成と閲覧をできるようにした。

 Mac BUでは、こうした要望に応えるべく、Exhcangeチームとの関係を深めており、2009年夏にリリースされた「Microsoft Entourage Web Services Edition」(EWS)では、Exchangeと効率的に通信ができるよう、新しいプロトコルをExchangeサーバチームと共同開発した。さらに、Windows版OfficeからMac版Officeに移行しやすいように、Windows版Outlookが採用する「.pst」というデータ蓄積形式にも対応し、これを取り込めるようにした。

 従来のEntourageに比べ、Windows版Outlookとの互換性を大幅に向上させる一方で、Macらしさも忘れてはいない。Outlookは、Mac OS XのCocoaの技術を使ってユーザーインタフェースを完全に作り直し、Macらしいソフトにしあげたとシュマッカー氏は語る。

 また、新しいOutlookで、もう1つの特徴となっているのが、送受信したメールや連絡先、予定などの情報を蓄積するデータベースの構造で、これも1から作り直した。というのも、これまでのEntourageのデータベースは、Mac OS Xの標準バックアップ機能、Time Machineに非対応で、削除してしまった予定や連絡先、メールを、検索し復元するといった操作ができなかった。Time Machine対応は、企業と教育機関のどちらからも要望が多かったため、今回、その対応を果たした。新データベースでは、信頼性やアクセス速度の向上、Time MachineとSpotlight検索対応を実現したという。

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