VAIO Yのキーボードは、キーとキーの間隔を離したアイソレーションタイプで、キーストロークは2ミリ、主要キーのキーピッチは19ミリの正方ピッチとなっている。キーのサイズは15ミリの正方だが、「ろ」キーのみ横幅が12ミリ(16ミリピッチ)と短く、カーソルキーも同サイズで小さめだ。キーとキーの間隔が空いているのでミスタイプの可能性が少なく、キーを強く押し込んでもユニットがしならないのは好印象だが、キー入力時にカチャカチャという音がやや気になった。
なお、店頭モデルは日本語配列のみだが、ソニースタイルの直販モデルでは英字配列も選択できる(差額は+5000円)。英字配列ではスペースバーが長く(日本語キーボードは53ミリ)、カーソルキーも大きくなる半面、Enterキーの右側にHomeやEnd、PageUpやPageDownキーが並ぶので好みが分かれそうだ。
キーボード左上には、VAIO Careをワンタッチで起動するための「ASSIST」ボタンと、Media Galleryを起動する「VAIO」ボタンが用意される。独自のサポートソフトであるVAIO Careは、システムの状態をチェックする「ワンクリックケア」、発生した問題を解決する「トラブルシューティング」、リカバリディスクの作成やシステムの復元を行う「リカバリーと復元」、システム固有情報やサポート窓口を案内する「VAIOサポート」といった機能を集約したユーティリティだ。Windowsが起動しないなど重大なトラブルが発生した場合に、電源オフの状態でASSISTボタンを押すと、「VAIOリカバリーセンター」が立ち上がり、ここから必要なファイルのバックアップやハードウェア故障の診断、出荷状態への復元が行える。なかなか気が利いた仕様といえるだろう。
細かいところだが、Caps LockやScrooll Lockなどのランプは目につきやすいキーボード右上にあるのに対し、HDDのアクセスランプや無線LANのランプは本体前面部分にあるので、キー入力時はやや見づらい。
2ボタンのシンプルなポインティングデバイスは、タッチパッドのサイズが81.5(横)×45(縦)ミリと広く、クリックボタンのサイズもゆとりがあり、しっかりとしたクリック感がある。パームレスト面からわずかにくぼんでいて、表面もパームレストと違って滑らかなので指の感触で分かるようになっている。
最後に、店頭モデルのパフォーマンスを計測した。Windowsエクスペリエンスインデックスを見ると、最低のスコアがゲーム用グラフィックスの「3.4」となったが、チップセット内蔵のIntel GMA 4500MHDだけにやむを得ないところだ。もちろん、グラフィックスの値は「4.1」、プロセッサは「4.2」でWindows 7の操作は快適に行える。PCの総合的な性能をテストするPCMark VantageやPCMark05の値は良好で、ビジネスアプリケーションなどでもたつくことはないだろう。
バッテリー駆動時間は、BBench1.01(海人氏作)でテストした。無線LANで常時接続し、BBenchの設定はデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」および「10秒間隔でのキーストローク」としている。結果は電源プランの「バランス」(輝度は最高)で6時間1分、「省電力」では8時間3分動作した。これならば、ACアダプタを持たずに1日持ち歩いての利用でも対応が可能だろう。前述したとおり、ACアダプタは小型かつ軽量なので携帯も苦にならない。
ファンの風切り音は非常に静かで、システムに高い負荷をかけ続けるとファンの回転数が上がるものの、一般家庭のノイズに紛れて気にならない程度で済む。ボディの発熱も左側面奥にある排気口付近の底面側が暖かくなるが、35度を超えることはなく、手の触れる部分を含めて熱が気になることはない。
以上、VAIOシリーズのニューフェイスとなるVAIO Yを見てきたが、低価格なCULVノートPCながら、使い勝手のよさはフルサイズノートPC譲りで、VAIOならではの味付けも施された1台として注目に値する。店頭モデルはスペックが高めで、Office Personal 2007をプリインストールしているため価格は10万円を超えてしまうが、直販モデルなら7万円を切ることが可能だ。
VAIOオーナーメードモデルでは、「メッセージ刻印サービス」や「VAIOオーナーメードワイヤレスWANキャッシュバックキャンぺーン」(2010年3月1日15時まで)も選択できるため、店頭モデルの構成に不満を覚えた場合は、まずはソニースタイルをチェックしたい。
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