もう1つ、位置情報ツール「x-Rader」(コラム:「モバイラーマストダウンロード「x-Radar」」参照)も大変面白い。x-Raderは、GPSではなく無線LANアクセスポイントの位置情報をもとにして現在地を把握し、その周辺情報を表示してくれるソフトだ。このため、(GPSがなくとも)PCに無線LANさえ内蔵されていればよい。2010年2月現在、x-Rader Ver1.6 betaが無償公開されているので、外出機会の多いモバイルPCユーザーは1つ試してみてほしい。
x-Raderを起動すると、その名称のとおりレーダー探査機器のような画面が表示される。レーダーの中心が自分の現在位置で、どの方向・距離にどんなスポットが存在するかを示してくれるわけだ。無料口コミ地図情報サイト“PetaMap”と連携した周辺情報を適宜切り替えながらチェックでき、標準でノーマル、らーめん、カフェ、グルメぴあ、無線LAN、酒場といったカテゴリが登録してある。
“ノーマル”レーダーはフリーワード検索が可能、“無線LAN”レーダーは周辺の公衆無線LANスポットやFONの無料LANアクセスポイントを示してくれる。ちなみに西新はラーメン店の激戦区でもあるので、観光に来たなら“らーめん”レーダーでラーメン屋巡り──というのもよさそうだ。
肝心の現在西新周辺の情報は……残念ながら(2010年1月現在は)まだあまり充実していない印象だった。VAIO Pユーザーはもちろん、西新近辺のx-Raderユーザーも一緒に、どしどしPetaMapに情報を登録していってほしいところだ。
UQコミュニケーションズが1月19日に発表した2009年12月末時点のサービスエリア情報によると、西新はほぼ全域がエリア内となっていたが、百道の福岡タワー周辺を含む一部や西新の南西側に位置する高取地区、荒江地区の一部地域(主に県立福岡工業高校周辺)、区をまたいだ城南区の県立城南高校周辺の一部地域などに若干の穴があるようだ。西新の近くにある筆者自宅の周辺は、もののみごとに不感地帯で軽くショックを受けたのだが、どうやら西新周辺の不感地帯は、地形の高低差や建物などの遮へい物による影響を受けているものと想像される。
もっとも、数日前まで使えなかった場所がある日突然対応エリアになり、電界強度が弱かった場所もいつの間にか改善されていた……というほど、福岡におけるモバイルWiMAX環境は意外と急ピッチで対応エリア化が進んでおり、2010年3月末までには上記のエリアもカバーされる予定とある。こちらは、今後に期待したい。
さて、2010年1月にVAIOの2010年春モデルが発表されたが、「VAIO P」については新色のルビーピンクが直販モデル(VAIOオーナーメードモデル)に加わった以外、PCとしての主な仕様は2009年秋冬モデルが継続して販売される。
今回、常に携帯するためのPC「VAIO P」を福岡市内のあちこちに連れ出したが、毎日新しい何らかの便利な発見があった。
特に超小型のボディと機能、より普及してきたモバイルブロードバンド回線との組み合わせは「スマートフォンがあれば外出時でも困ることはなく、もはやPCなど不要だ」という今までの考えを改めさせたほどだ。スマートフォンを活用するメリットも当然多数あるが、モバイルPCと使い分けや連携を行うことで、できることの幅が広がる可能性がまだまだあることを知った。
そしてきょうも、VAIO Pを抱きしめて人知れず“にやけて”いる。
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