デルは、2月24日に堅牢性に特化したノートPC「Latitude XT2 XFR」を発表した。製品発表会では、製品説明のほかにデルの公共事業の取り組みについても紹介された。
デル コーポレートディレクター 執行役員 北アジア地域 公共事業本部 統括本部長の郡信一郎氏は、デルが取り組む公共事業の現状について紹介した。現在デルは、大企業向け、中小企業向け、コンシューマー向け、そして、公共事業向けの4つの事業本部でビジネスを進めている。4本柱の1つという重要な位置付けにある公共事業向け事業について、郡氏は「公共事業向けビジネスの顧客で共通するのは、人々の生活を向上させるのが使命であること。デルはそういう使命の成功に貢献したい」とデルの理念を示した。
郡氏によると、デルが公共事業向けに開発する製品では、従来から同社が得意とする汎用性のあるモデルをベースに、公共事業の利用目的に特化した付加価値を提供していくとしている。デルの公共事業に対する取り組みとしては、すでに、教育現場向けの「Latitude 2100」がある。このノートPCでも、タッチパネル、抗菌キーボード、堅牢性など、ユーザーである生徒や児童がノートPCをどのように扱うかを意識した設計が特徴だ。郡氏は、その実現が「デルがそれまで培ってきた技術を投入した」おかげとアピールする。
続いて、デル 北アジア地域 公共マーケティング本部 クライアントソリューションマーケティングマネージャーの垂見智真氏が、Latitude XT2 XFRの具体的な説明を行った。垂見氏は「外見が語るように、堅牢性を重視して開発した」と、Latitude XT2 XFRが防衛的や公安的な用途を意識して、一般的な用途では求められないほどの堅牢性を実現したことをアピールする。
デルは、堅牢PCのカテゴリーをサイズと堅牢性の強度で分けている。サイズでは、通常タイプのノートPCが含まれる「Large Form Factor」とハンドヘルドやタブレットデバイスのような「Small Form Factor」の2種類に、堅牢性ではクリアするMILスペックやIP基準で「Rugged」「Fully Rugged」「Ultra Rugged」の3種類にそれぞれ分類している。
垂見氏によると、今後の伸びが期待されるのは「Large Form Factor」の「Full Ruged」のカテゴリーで、パトカーなどの緊急車両への搭載需要が多くなるという。デルは、この市場規模が2013年までに現在の1.7〜1.8倍に成長すると予測している。ただ、日本と米国では車のサイズが異なり、米国では搭載できる大画面のノートPCが日本の緊急車両では大きすぎるため、日本の公共事業向けには、従来のATGや米国だけで出荷されている大画面液晶ディスプレイを搭載したXFRシリーズではなく、Latitude XT2 XFRのような12.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載の小型な堅牢ノートPCが求められると考えている。
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