日本で堅牢ノートPCのカテゴリで出荷している「Latitude ATG」シリーズは、米国防省が製品の動作条件を定める基準の1つ「MIL-STD-810F」をクリアすることを訴求していたが、実質的にオフィス利用で想定される耐衝撃性と防滴性能を持たせたモデルだった。しかし、Latitude XT2 XFRでは、MIL-STD-810Fをクリアするとともに、「IP54」で定めた防じん防滴性能もクリアすることに成功したことで、使用条件が厳しいフィールドワークでも十分耐えうるノートPCとなった。
なお、Latitude XT2 XFR本体には吸気と排気用のスリットが左側面に設けられているが、この部分は隔壁で仕切られた小部屋になっていて、ここにファンを組み込んだクーラーユニットが設置される。ヒートパイプが隔壁を貫通してボティ内部のシステムボードに取り付けたヒートシンクと連結することで、CPUやチップセットから発生する熱を隔壁の外にあるクーラーユニットに誘導し、さらにボディの外に排出する仕組みだ。ヒートパイプを貫通させる穴に防水パッキングを施すことで、クーラーユニットのためのスリットをホディに設けたにもかかわらず、システムボードエリアまでの浸水を防ぐことを可能にしたと垂見氏は説明する。
CPUに超低電圧版のCore 2 Duo SU9600(動作クロック1.6GHz)を搭載し、最大5GバイトのDDR3-1066(PC3-8500)を実装する(ただし動作は800MHz)。本体サイズは308(幅)×239(奥行き)×39(厚さ)ミリ、重さは最小構成で約2.49キロとなる。データストレージデバイスは、160GバイトのHDD(5400rpm)が用意されるほか、64Gバイト、または、128GバイトのSSDも選択可能だ。HDDも、落下検知センサーを実装したモデルを採用するので、落下時の耐衝撃性能は確保できるとしている。
なお、垂見氏は、Latitude XT2 XFRの具体的な耐衝撃性能について「MIL STD 810Fをクリアしたレベル」とのみ説明しているが、デルが用意した資料には、3フィートからの落下試験をクリアしたとされている(落下時の方向、動作条件は不明)。
液晶ディスプレイのサイズは12.1型ワイドで最大解像度は1280×800ドット。タッチパネルを組み込んでマルチタッチ操作が可能であるのもLatitude XT2 XFRの特徴であると垂見氏はアピールする。Latitude XT2 XFRに搭載されるタッチパネルは静電式モデルのほかに、フィールドワークでよくある「手袋をはめたままで操作」が可能な抵抗薄膜方式の感圧タイプモデルも用意する(感圧式タッチパネル搭載モデルは後日登場予定)。このディスプレイは反転させてスレートタイプのTablet PCとして使うことも可能だ。本体の左側面奥には、スタイラスペンも内蔵している。
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