レビュー
» 2010年02月22日 16時30分 UPDATE

ビジネスVAIOの新顔:Windows 7+Core iで一皮むけた「VAIO B」に目を細める (1/2)

Calpellaプラットフォームを採用して約1年3カ月ぶりに大幅なモデルチェンジを果たしたビジネスノートPC「VAIO B」。その店頭モデルを試用した。

[富永ジュン(撮影:矢野渉),ITmedia]

ボディデザインはそのままに、内部システムを一新

ht_1002vb01.jpg フルモデルチェンジした「VAIO B」

 15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載した「VAIO B」は、2008年10月に発表されたビジネス向けのノートPC「VAIO type BZ」の後継モデルだ。「プロフェッショナルビジネスモバイル」をコンセプトとしたVAIO type BZでは店頭販売モデルが用意されず、同社直販のソニースタイルで扱う「VAIOオーナーメードモデル」や法人向け代理店のみと販売チャンネルが限られていた。しかし、実際にはブラックを基調とした落ち着きのあるデザインや堅牢性に優れたマグネシウム合金ボディ、シンプルな使い心地がユーザーの裾野を押し広げ、ビジネス用途だけでなくビジネス/パーソナル兼用PCとして書斎とオフィスの両方で利用されることが多かったようだ。

 今回発表されたVAIO Bでは、シリンダーフォルムの多面ボディデザインや堅牢性はそのまま継承しながらも、Nehalemアーキテクチャを使ったインテルの最新モバイルプラットフォーム「Calpella」や、Windows 7を搭載して新世代機へと生まれ変わった。

 また、HDMI端子や無線LAN、Webカメラなどの採用をはじめ、カスタマイズオプションとしてBlu-ray DiscドライブやSSDドライブを用意し、ビジネス用途だけでなくより柔軟な用途に対応できるようになったのがポイントだ。新たに店頭モデルをラインアップしてきたことからも、同社が本気でユーザー層を広げようとしていることがうかがえる。


新たにHDMI端子やExpressCardスロットを搭載

ht_1002vb02.jpg 新たに採用されたプレミアムブラックカラー

 まずは新モデルでの変更点を見ていこう。

 ボディサイズは362.4(幅)×266.8(奥行き)×29.8〜37.7(厚さ)ミリ、重量は約2.7キロと従来のVAIO type BZと変わらないが、天板カラーは高級感があるプレミアムブラックとなった(これまでのブラックは直販モデルで選択が可能)。

 細かい点では、本体左側面のPCカードスロットがExpressCardスロットに変更されたのに伴い、HDMI出力が追加され、USB 2.0端子の位置が変更された。照度センサーを内蔵することで液晶ディスプレイの明るさを自動調整できるようになったのも春モデルの特徴だ。なお、すべてのモデルでIEEE1394端子とFeliCaポートが非搭載となった。バッテリーの駆動時間は標準で約5.5時間、オプションのLバッテリー装着時で約8.5時間だ。

ht_1002vb03.jpght_1002vb04.jpg 前面にメモリースティックPRO対応スロットと、SDHC対応SDメモリーカードスロットをそれぞれ用意する(写真=左)。背面はコネクタが用意されず、バッテリーが占める(写真=右)

ht_1002vb05.jpght_1002vb06.jpg 左側面にDC入力、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0、ExpressCardスロット(/34対応)が並ぶ(写真=左)。右側面に2基のUSB 2.0とDVDスーパーマルチドライブ、ギガビット対応の有線LAN、FAXモデム、電源ボタンがある(写真=右)

※記事初出時、USB端子の記述で誤りがありました。おわびして訂正させていただきます。

アイソレーションタイプではないノーマルキーボードを採用

ht_1002vb07.jpg 15.4型ワイドの液晶ディスプレイを備える。直販モデルでは1280×800ドットも選択可能だ

 15.4型ワイドの液晶ディスプレイは光沢タイプで、画面解像度は1440×900ドットだ。ソニースタイルでは1280×800ドットの解像度も選べるが、その場合は非光沢タイプとなり、液晶ディスプレイ天板がマグネシウム合金から再生プラスティックとなるほか、WebカメラとBluetoothが省かれ、ボディカラーがブラックになるので注意したい。光沢タイプゆえ画面への映り込みはやや気になるが、液晶の明るさは9段階に切り替えられ、最高輝度でも目がまぶしくなるほど明るくはないので、長時間の利用にも対応は可能だろう。上下の視野角は狭いが、左右は比較的広いほうだ。

 キーボードはVAIOシリーズでおなじみのアイソレーションタイプではなく、従来モデルと同じキー同士が接した状態で配置されたノーマルなタイプを継承する。キーボードユニットの縁を折り返して防滴シートを張った「ウォーターレジスト構造」を採用することで、30ccまでの液体をプールして内部への到達を防ぐ。19ミリのキーピッチと2.5ミリのキーストロークも同様で、キー配列も変わりがない。スペースバーは51.5ミリと短めだが、不規則な配列もなくスタンダードで扱いやすい。キーを強く押し込んでもユニットがしならないのも好印象だ。

 キーボードの左上に無線LANのオン/オフスイッチ、消音ボタン、プレゼンテーションボタン、右上に指紋センサーが配置されるレイアウトも引き継いでおり、かなりシンプルですっきりとしている。欲をいえば、ビジネス用途でニーズが高いテンキーを用意してほしかったところだ。

ht_1002vb08.jpg VAIOシリーズでおなじみとなるアイソレーションタイプの採用は今回も見送られた。配列は素直で、パームレストも奥行きが93ミリあるのでゆったりと入力できる
ht_1002vb09.jpg 無線LANの電源スイッチや消音ボタン、プレゼンテーションボタン(カスタマイズ可能)、新たに装備された環境光センサーがキーボード左上にまとまっている
ht_1002vb10.jpg 指紋認証センサーはキーボード右上に用意される

 タッチパッドは、サイズが82(横)×50(縦)ミリと広く、左右ボタンはしっかりとしたクリック感があり、位置もホームポジションの直下にあるので使いやすい。ジェスチャー操作には非対応だがシナプティクス製のドライバが導入されているので、細かな動作設定は可能だ。

 もちろん、ビジネスノートPCとしてもしっかりと進化している。落下時にヘッドを退避させることでHDDの物理的な故障を防ぐ「VAIOハードディスクプロテクション」が強化され、ヘッド退避速度を140〜280%程度高速化した。これにより、ヘッド退避が完了するまでの落下距離がこれまでの20〜80センチ程度から10〜15センチへと短くなった。加えて、これまではWindows制御下でのみヘッド退避が行われていたため、OS起動途中や休止状態移行時などに保護が働かないという欠点があったが、春モデルからBIOS制御下で働くようになったので、どのようなシチュエーション下でもヘッドの退避が可能となった。ビジネスシーンで欠かせない、TPMセキュリティチップも搭載済みだ。

ht_1002vb11.jpg 標準バッテリーとACアダプタはVAIO Sと共通で、容量は10.8ボルト 5000mAh、ACアダプタのサイズは51(幅)×127(奥行き)×30(厚さ)ミリ、重量は約345グラムある
ht_1002vb12.jpg 2基のメモリスロットやHDDベイには底面からアクセス可能だ。別売のドッキングステーション接続端子も底面にある
ht_1002vb13.jpg 液晶ディスプレイは約140度まで開く

ht_1002vb14.jpg シナプティクス製ドライバの設定画面
ht_1002vb15.jpg
ht_1002vb16.jpg

カスタマイズ可能な直販モデルではXPも選べる

ht_1002vb17.jpg 直販のソニースタイルではBTOが行えるほか、法人向け仕様のモデルもラインアップされている

 続いて、店頭モデルとソニースタイルで選べるVAIOオーナーメードモデルの違いをまとめておこう。

 店頭モデルは画面解像度が1440×900ドットの「VPCB119GJ/B」の1モデルのみで、CPUはCore i5-520M(2.4GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.93GHz/3次キャッシュ3Mバイト)、チップセットはIntel HM55 Expressと最新のプラットフォームが採用されている。プラットフォームの変更に伴い、メモリはPC3-8500 DDR3 SDRAMを4Gバイト(2Gバイト×2/最大8Gバイト)、グラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphicsで、ストレージドライブは容量500GバイトのSerial ATA HDD(5400rpm)、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだ。

 通信機能はギガビット対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、56Kbps対応のFAXモデムを備える。WiMAXは店頭モデル、VAIOオーナーメードモデルともに搭載が見送られた。このほか、有効31万画素のWebカメラ、指紋センサー、TPMセキュリティーチップとビジネスに欠かせないパーツもしっかりと押さえている。カラーはプレミアムブラック1色のみで、OSは64ビット版Windows 7 Professionalをプリインストールする。

 一方のソニースタイルでは、フルカスタマイズ可能なVAIOオーナーメードモデル「VPCB11AGJ」に加え、法人向けカスタマイズモデル「VPCB11AGJ」、Windows XP Professional(SP3)のダウングレードモデル「VPCB11AVJ」、法人向け標準モデル「VPCB11AVJA」が用意される。

 BTOのオプションは多彩で、CPUがCore i7-620M(2.66GHz)/Core i5-540M(2.53GHz)/Core i5-520M(2.40GHz)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2)/6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)/4Gバイト(2Gバイト×2)/2Gバイト(2Gバイト×1)、ストレージドライブは512Gバイト/256Gバイト/128GバイトのSDD、500Gバイト(7200rpm)/500Gバイト(5400rpm)/320GバイトのHDD、光学ドライブはBDメディアへの書き込みに対応したBlu-ray Discドライブ/DVDスーパーマルチドライブからそれぞれ選択できる。スティック型の小型ACアダプタや大容量のLバッテリー、指紋センサー有無も選べる(一部のモデルでは選択肢の制限あり)。店頭モデルで満足できない場合は、まずはソニースタイルでBTOしてみるのがお勧めだ。

 次のページでは、ベンチマークテストで店頭モデルのパフォーマンスを確認しよう。

Sony Style(ソニースタイル) Sony Style(ソニースタイル)
       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう