最後に、64ビット版Windows 7 Professionalを採用した店頭モデルでベンチマークテストを行った。パフォーマンスについては、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは4.3と地味だが、それぞれのサブスコアを見てみるとグラフィックス、ゲーム用グラフィックス以外のコンポーネントは最高7.9のうちの5台後半以上を記録し、十分なパフォーマンスが得られていることが分かる。中でもプロセッサは6.7と良好で、複雑な関数をたくさん含むExcelファイルなどもサクサク処理できるだろう。
PCの総合的なパフォーマンスを計測するPCMark05については、新プラットフォームの採用によりCPUとメモリのスコアはこれまでの「ビジネスノート」からワンランク上のスコアで、一皮むけた印象だ。
グラフィックスは統合型なので過度な期待はできないものの、前モデルのIntel GM45 Expressチップセット内蔵となるIntel GMA 4500MHDから、CPU統合のIntel HD Graphicsになり、3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3で着実な底上げがなされているのが分かる。
BBench1.01(海人氏作)でバッテリーの駆動時間を計測したところ、無線LANで常時接続し、BBenchのはデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」および「10秒間隔でのキーストローク」という設定で、結果は電源プランの「バランス」(輝度は最高)で3時間58分だった。これならば、ちょっとした移動でACアダプタは不要であり、出先での利用にも対応可能だ。
発熱については、システムに高い負荷をかけるとキーボードの左半分がほんのりと温かくなるが36度以下(室温は25度)で、パームレスト部にはほとんど影響はなく、手の触れる部分で気になる発熱は感じられない。ただ、底面はそれなりに熱くなるので長時間ひざの上に乗せて作業するのは避けたほうがいいだろう。冷却ファンの風切り音は高負荷時でも気にならず、環境音にまぎれるレベルにある。
メインマシンとして使えるだけの性能を備えつつ、室内の移動程度の持ち運びなら簡単に対応できるノートPCの需要は高いと思われるが、大画面ノートはAV機能を重視したゴージャスなヘビー級構成となりがちで「ここまでの機能は必要ないのに」と思うユーザーは多いだろう。もしあなたがそういう1人ならば、必要な性能と機能を取捨選択してシンプルな自分好みの1台を作れる新VAIO Bはかなりいいセンをいっているに違いない。
店頭モデルの実売価格は19万円前後と14型ワイドサイズの製品と比較するとやや割高感があるものの、上位CPUの性能と大きな画面でのゆったりとした操作性、Office Personal 2007 with PowerPoint 2007プリインストールなどに大きな魅力を感じるならば、その価格も納得できるはずだ。直販のソニースタイルならば、13万2800円から購入可能なだけでなく、ほかにも随時キャンペーンが行われているので(今なら、ソニースタイル10周年キャンペーンも開催中だ)、購入時は欠かさずチェックしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.