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» 2010年03月09日 21時21分 UPDATE

1人1台のPCを目指して:日本HPが「MultiSeat Computing」で国内教育市場に本格参入

日本HPが国内でイベントを開催し、新たなビジネスソリューションの提供とともに、日本国内での教育市場への本格参入を表明した。

[田中宏昌,ITmedia]

日本HPは台風の目になる

ht_1003hp01.jpg 日本HPの取締役 副社長執行役員 岡隆史氏

 3月9日、日本ヒューレット・パッカード(HP)が東京で「HP 2010:ELEVATE」と題したイベントを開き、新しいビジネス向けソリューションや新モデルを発表した。

 イベントの冒頭では、日本HP 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏が登壇した。「HPはワールドワイドで毎秒2台、年間で6000万台のPCを出荷している。日本で2009年に出荷されたPCは1340万台だが、その約4.5倍のPCをワールドワイドで出荷している計算になる」と世界シェアナンバーワンの現状をアピール。「一方、直近のデータでは国内のビジネスPCで3位のシェアに到達できたとはいえ、日本ではまだまだチャレンジャーの立場に変わりはない。トップシェアまで行けるよう、日々チャレンジしている」と述べた。

 加えて、岡氏は「本日の発表では、オフィス向けと学校向けのソリューションを新たに展開する。日本HPは教育分野をほとんどやっていないが、世界と同じ範囲に持って行き、日本でも台風の目になって存在感を強めていきたいと考えている」と訴えた。

ht_1003hp02.jpg 日本のビジネスPC市場シェア(IDC調べ)でHPは第3位になった
ht_1003hp03.jpg 引き続き、ビジネス向けの製品ラインアップを拡張していく
ht_1003hp04.jpg 2010年は日本HPが国内市場で“台風の目”になると宣言

ht_1003hp05.jpg HPのシー・チン・テイク上級副社長

 続いて、HP アジアパシフィック&ジャパン パーソナル・システムズ・グループ 上級副社長 シー・チン・テイク(See Chin Teik)氏が、「ビジネスの向上にむけて」と題した基調講演を行った。「2009年は非常に厳しい経済状況に見舞われ、多くの企業がコスト削減を行い、今でも絶え間なく続いているが、2010年は回復の年になると考えている」と述べた。「ただ、顧客の要望は常に変化しており、IT管理者が抱えている柔軟性やコストといったプレッシャーにも対応しなければならない。これからはビジネスの成長にどれだけITが貢献できるのかが大事だ」と指摘し、「HPではビジネスの成長を目指したITの活用、持続可能性を実現するグリーンITの活用、そして優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供することで、顧客が抱える課題を解決していく」と主張した。「HPは単なるハードウェアやソフトウェアだけでなく、ソリューションを皆さんに提供できる立場にあり、ガートナーのチャートによるとHPは業界のリーダーに位置する」と自信を示した。

ht_1003hp06.jpg テイク氏が挙げたIT業界のトレンド
ht_1003hp07.jpg IT責任者が抱える課題とプレッシャー
ht_1003hp08.jpg HPはソリューションを提供することでビジネスの課題を解決する

ht_1003hp09.jpg HP製品は環境を見据えた設計をすることで、CO2の削減やリサイクル率の向上を実現している
ht_1003hp10.jpg HP ProtectTools 2010やHP Client Automationなどの管理ツールでTCOの削減が効率的に行う
ht_1003hp11.jpg ガートナーの調査結果では、HPが将来のビジョン、実行能力の両軸でトップに位置しているのが分かる

MultiSeat Computingで国内の教育市場に本格参入

ht_1003hp12.jpg 日本HP クライアントソリューション本部 本部長 九嶋俊一氏

 次に本日発表となる新しいソリューションとして、「HP MultiSeat Computing」が紹介された。日本HP クライアントソリューション本部 本部長 九嶋俊一氏は、「教育市場では、限られた予算の中で教育にどれだけ力を入れていけるかが大事だ。教育自体を支えるITの提供もHPの役割だが、ITそのものが読み書きと同レベルで重要な地位を占めている現在、低予算で学習効率を高める革新的なコンピューティング環境を実現するソリューションが、HP MultiSeat Computingだ」と紹介した。

 MultiSeat Computingは、ホストPCとなる「HP MultiSeat ms6000 Desktop」と、クライアントの「HP MultiSeat t100 Thin Client」で構成される。ホストPCとはUSBで接続され、ホストPC1台に付き最大10台のクライアントデバイスを接続できる。ホストPCにはWindows Server 2008 R2をベースに、マイクロソフトが開発した「Windows Multipoint Server 2010」がインストールされており、リモートデスクトップサービス経由でクライアントがアクセスする仕組みだ。

 同社では、学校のPC教室や図書館の検索システムでの利用を主に想定しており、40人の教室で考えた場合、1台あたり2万2900円で端末を用意できるコストパフォーマンスのよさとともに、消費電力も一般のデスクトップPCに比べて約85%削減可能な点をアピールしている。また、Windows 7と同じGUIを提供しており、アプリケーションの互換性がある点も見逃せない。

 九嶋氏は、「同じ予算で倍のPCを導入できるというお得なソリューションがHP MultiSeat Computingの特徴だ。現在、教育現場で米国は3人に1台、シンガポールは2人に1台のPCが割り当てられているのに対し、日本は7.2人となっている。しかし、MultiSeat Computingを導入すれば、同じ予算で3.6人まで向上させることが可能である」と、同ソリューションのメリットを強調した。

ht_1003hp13.jpg 日本の教育市場規模
ht_1003hp14.jpg 盛り上がりを見せるShared Resource Computing市場
ht_1003hp15.jpg MultiSeat Computingのコンセプト

ht_1003hp16.jpg MultiSeat Computingの構成。クライアントは外部電源が不要だ
ht_1003hp17.jpg MultiSeat Computingの販売日と価格
ht_1003hp18.jpg 40台のクライアントを用意したPC教室の構成/価格例

ht_1003hp19.jpg 通常のデスクトップPCと比較して、MultiSeat Computingでは大幅に消費電力を削減できる
ht_1003hp20.jpg MultiSeat Computingの特徴。導入の容易さ、TCOの削減、充実のサポート体制が挙げられている
ht_1003hp21.jpg 現在、日本では7.2人で1台のPCを共用しているが、MultiSeat Computingを導入すれば3.6人まで向上できる計算になる

ht_1003hp22.jpg MultiSeat Computingのデモ。中央にあるのがホストPC「ms6000」だ。チップセットはIntel Q43 Expressを採用する
ht_1003hp23.jpg 液晶ディスプレイの背面に取り付けられたクライアントの「t100」。非常にコンパクトで場所を取らない
ht_1003hp24.jpg インタフェースは2基のPS/2とUSB、アナログRGB出力、ヘッドフォン/ライン出力、マイクが用意される

ht_1003hp25.jpg 参考出展された「Miniプロジェクター」。非常に小柄なDLPプロジェクターだ
ht_1003hp26.jpg 操作ボタンは天面にまとまっている。ACアダプタはHP ProBookシリーズと共通だ
ht_1003hp27.jpg 軽量なので小型の三脚に設置できる。現時点で日本での発売は未定とのこと

ht_1003hp28.jpg こちらも参考出展された「HP ProBook 4421s」と「HP ProBook 4520s」
ht_1003hp29.jpg 17.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載した「HP ProBook 4720s」。すでに米国では発表済みだ
ht_1003hp30.jpg いずれもタッチパッドからクリックボタンが廃止され、一体成型になっているのがポイントだ

ht_1003hp31.jpght_1003hp32.jpg 日本では未発表のプロフェッショナル向け液晶ディスプレイ「HP ZR24w」(写真=左)と、デジタルサイネージ向けの42型ワイドタッチパネル液晶ディスプレイ「HP LD4200tm Widescreen LCD Interactive Digital Signage Display」(写真=右)。どちらも参考出品で、タッチ操作が可能なLD4200tmの価格は3900ドルという

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