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» 2010年03月19日 00時00分 公開

色管理がもっと簡単・便利になる!:先進の“キャリブレーター内蔵”ディスプレイ――「ColorEdge CG245W」をCP+で触ってきた (1/3)

2010年3月11日〜14日、カメラと写真映像の情報発信イベント「CP+2010」が横浜で開催された。ナナオブースの注目は、何といってもキャリブレーター(キャリブレーションセンサー)を内蔵した新タイプのカラーマネジメント対応液晶ディスプレイ「ColorEdge CG245W」だ。4月9日の発売を前に実機がいち早く公開され、写真愛好家からの熱い視線を集めていた。さっそく、試用リポートをお届けしよう。

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CP+2010で大盛況だったナナオブース

CP+2010のナナオブース

 「CP+2010」は一般社団法人 カメラ映像機器工業会(CIPA)が主催のイベントとあって、デジタルカメラの新機種を出展するカメラメーカーのブースが目立つが、カメラ周辺機器を出展するブースも多い。ナナオブースでは、ハードウェアキャリブレーション対応のカラーマネジメント液晶ディスプレイ「ColorEdge」ラインアップとそれに準ずる高画質化技術を備え、簡易的なカラーマッチングに対応した「FlexScan SX2262W-PX」を出展しており、当日は多くの来場者でにぎわっていた。

 CP+の来場者はプロカメラマンからハイアマチュア、アマチュアカメラマンまでさまざまだが、撮影した写真の閲覧・レタッチの色基準となる液晶ディスプレイへの関心は一様に高い。デジタルカメラが普及した今、こうしたユーザー層からナナオの液晶ディスプレイは大きな支持を受けており、ラインアップの中でも画質に注力したモデルは定評がある。特にColorEdgeシリーズは、プロフォトをはじめ、出版・印刷、デザインなどの業務用途で豊富な導入実績を持つ。また、写真やグラフィックスを趣味で楽しんでいる人にも、ColorEdgeシリーズのファンは大勢いる。

 ナナオブースがCP+で掲げる大きなテーマは「液晶ディスプレイとプリンタのカラーマッチング」だ。撮影した写真を正しい色で液晶ディスプレイに表示し、画面で見たままの色をプリンタで印刷しよう、という提案である。これが簡単なようで意外に難しいのは、一度でも試したことがあるユーザーなら分かるだろう。

 実際、ナナオブースではカラーマネジメントの基礎知識や、フォトレタッチソフトとプリンタの設定方法を解説するセミナーが1日に4回開催されていたが、各回とも開始前からすでに満席状態だった。セミナーが始まるとさらに人が集まり、立ち見の人であふれかえるほどの盛況ぶりだ。セミナーの後は、展示されている液晶ディスプレイを使ったアテンド員によるマッチングの実演も行われ、こちらにも多くの人が詰めかけていた。

ナナオブースでは液晶ディスプレイとプリントの発色を合わせるカラーマッチングの展示が行われていた
フォトレタッチソフトとプリンタの設定方法を解説するセミナーは立ち見が出るほど人気だ

 こうした様子を見ると、デジタルフォトの分野でカラーマネジメントに対するニーズは非常に高く、ナナオの液晶ディスプレイにかける期待も並々ならぬものがあることを改めて実感する。

ColorEdgeシリーズの新モデルはキャリブレーターを内蔵

 さて、ナナオがカラーマネジメント環境の現状をリサーチしたところ、ハードウェアキャリブレーションの作業は、キャリブレーターの着脱に手間がかかり、実行中はほかの作業ができないことから、業務レベルであっても長期の運用では次第に実行しなくなってしまうケースもあるという。いうまでもなく、キャリブレーションは定期的に実行しなければ、経年変化により表示の誤差が生じるため、せっかくカラーマネジメント環境を構築しても意味がない。

 こうした実状を考慮し、ナナオが新たに開発したのが、ColorEdgeシリーズとして初めて本体にキャリブレーターを内蔵した24.1型ワイド液晶ディスプレイ「ColorEdge CG245W」だ。キャリブレーターの内蔵により、外付けキャリブレーターの着脱にかかる手間を省いたことに加えて、後述するさまざまな新機能を搭載することで、カラーマネジメント環境をより効率的に管理できるようにしている。CG245Wはナナオブースの目玉機種となっており、内蔵キャリブレーターには多くの来場者が興味津々といった様子だった。

キャリブレーター内蔵の24.1型ワイド液晶ディスプレイ「ColorEdge CG245W」。画面上部のフレームに厚みがあり、ここにスイング式のキャリブレーターを内蔵している

内蔵のキャリブレーターは小型で、キャリブレーション実行時のみスイングして現れ、終了後はボディへ完全に収納される。キャリブレーターの出し入れは自動で行われるため、ユーザーが触れる必要はない

 そもそもキャリブレーターとは、画面の色を計測するセンサーのことだ。CG245Wの場合、本体内蔵のスイング式キャリブレーターがディスプレイの発色を計測し、内部のルックアップテーブルをダイレクトに調整する(発色特性を最適化するハードウェアキャリブレーションを行う)。さらに調整結果からモニタプロファイルを自動的に作成し、OSの色管理機能に登録する。これにより、少ない手間で高精度なキャリブレーションが行える仕組みだ。

 CG245Wの内蔵キャリブレーターは、付属する高機能なキャリブレーションツールの「ColorNavigator 5.4」か、本体のOSDメニューから利用する。前者の場合、ColorNavigatorを起動してキャリブレーションの目標値を設定すると、画面上部のフレーム内部に収納された内蔵キャリブレーターが自動的にスライドして現れる。後は発色の測定からモニタプロファイルの作成/登録まで自動で進み、終了すると内蔵キャリブレーターがスライドして再び格納される仕組みだ。

 OSDメニューからのキャリブレーションは、接続しているPCに関係なくディスプレイ単体で行える。OSに依存しない機能なのでモニタプロファイルの作成/登録は行わないが、ColorNavigatorによるキャリブレーションが済んでいれば、その目標値に合わせて自動的にキャリブレーションができるほか、ColorNavigatorと同じように、輝度、白色点、色域、ガンマの値を個別に設定することも可能だ。

ColorNavigatorからのキャリブレーション

最新バージョンの専用キャリブレーションソフト「ColorNavigator 5.4」を起動すると、測定器の選択画面が表示される。ここで「CG245W内蔵」を選択することで、内蔵キャリブレーターが利用できる。従来機と同様、市販の外付けキャリブレーターを使うことも可能だ
次にキャリブレーションの目標値を設定する。用途に応じて、「印刷用一般設定」もしくは「写真・デザイン用一般設定」を選択すればいい。もちろん、色温度や白色点などを詳細に設定することもできる。後はキャリブレーターがスイングして現れ、自動的に測定が行われる

OSDメニューからのキャリブレーション

前面の操作ボタンで「C」(キャリブレーション)を押すと、本体単体でキャリブレーションが行えるメニューを起動できる。なお、操作ボタンに白色LEDが内蔵され、暗所でも操作しやすくなったのは細かい改良点だ。白色LEDの明るさは7段階で調整できるため、暗い場所でボタンが明るすぎて困るようなこともない
キャリブレーションした設定は、使用中の入力端子に応じて「CAL1〜3」に割り当てられる。sRGBやAdobe RGBといった写真や印刷業界、PC業界で一般的な色域だけでなく、REC709(HDTVの国際規格)など映像制作/表示向けのカラーモードも用意されている。プリセットのカラーモードは、色再現域更新機能によって最新の状態に更新できる

 内蔵キャリブレーターはフィルター式のセンサーで、この製品のために新開発されたものだ。一般的な外付けキャリブレーター製品の場合、通常は画面の中央部を測定するが、CG245Wの内蔵キャリブレーターは設計の関係で画面の上部を測定することになる。鋭いユーザーは画面の中央部と上部で測定結果に誤差が生じるのではないかと思うかもしれないが、その点は心配いらない。

 CG245Wでは、画面の中央部と上部の発色を工場出荷時に1台ずつ調整し、内蔵キャリブレーターの測定パラメータを補正している。これにより、内蔵キャリブレーターで画面上部を測定した結果と、画面中央部の発色特性が一致するようになっているのだ。また、工場出荷時には液晶パネルとセンサーのばらつきも1台ずつ調整されているので、市販の外付けキャリブレーターと組み合わせる場合に比べて、高精度のキャリブレーションが期待できる。

 なお、ColorNavigatorには従来通り、印刷用紙の白色や環境光の値を測定し、その結果を目標値の白色点に設定する機能も搭載されているが、これらを利用するには別途外付けキャリブレーターが必要になる点は、これまでのColorEdgeシリーズと同様だ。

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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月31日