CPUのコア数がインフレ状態になった3月5分で分かった気になる、3月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2010年03月31日 11時45分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「まもなくコア革命が起きるでしょう」――6/8/12コアCPUが登場

Core i7-980Xの予約受付終了を知らせるドスパラ秋葉原本店のPOP

 3月後半、にわかにユーザーの関心度が高まったのは6コア以上のマルチコアを搭載するCPUだ。中旬に一部のショップが、コンシューマー向けで初の6コアCPUとなる「Core i7-980X Extreme Edition」(以下、Core i7-980X)の販売予約を行った。Core i7-980Xは、LGA1366対応のCPUで、動作クロックは3.33GHz。L3キャッシュを合計12Mバイト備える。予価は10万円弱から11万円弱となっていたが、想定数量がわずかだったこともあって受け付けはまたたく間に終了した。

 販売予約を行ったドスパラ秋葉原本店は「単品での入荷は不透明なので、(3月末時点で)再開のめどは立っていません。エンコードやレンダリングなど、マルチコアを駆使する使い方をする人に注目されていますね」と語る。

 月内にCore i7-980Xの単品を街で見かけることはなかったが、同等の性能を持つCPUはいくつか登場している。中旬から後半にかけて、デュアルソケット環境で使う「Xeon X5670」と「同X5680」が出回ったほか、Core i7-980Xとほぼ同じ仕様でシングルソケット向けの「Xeon W3680」の入荷も確認できた。1個あたりの価格は順に14万円強、17万円強、10万円強となる。なお、Xeon X5670/X5680は2個セットでの購入が前提となっている。それぞれソケットはLGA1366で、Intel X58 Expressに対応する。

 高価なうえ、Xeonはサーバやワークステーション向けブランドながら、上記のモデルを入荷したT-ZONE.PC DIY SHOPは「コンシューマー環境でも使える可能性のあるXeon W3680はもとより、Xeon X5670/X5680は取り合いになるくらいの人気があります。デュアルソケット環境なら、Hyper Threading Technologyにより、12コア24スレッド動作が可能なので、究極を目指すならかなり魅力的でしょう」と話していた。

 また、同店は3月29日にAMDのサーバ/ワークステーション向けCPU「Opteron 6100」シリーズ8モデルも入荷した。こちらは8コアまたは12コアを内蔵する世界初のCPUで、L3キャッシュは12Mバイトとなる。入荷したうちのハイエンドモデル「Opteron 6176 SE(バルク品)」は、2.3GHz動作で平均消費電力(ACP)は105ワット。価格は16万8000円だった。8モデルのうちローエンドの8コアタイプ「Opteron 6128」は、2GHz動作でACPは80ワットだ。価格は3万2480円となる。

 これらの技術を採用したコンシューマー向けCPUがいつ登場するのかも気になるところ。某ショップは「Core i7-980Xの単品発売は早くて4月中旬と言われています。また、ウワサレベルですが、6コアのPhenom IIももしかしたらゴールデンウィーク前に出るかもといった話を小耳に挟みました。どのみち潤沢に出回るようになるのは半年以上先でしょうけど、その間に6コア環境が生かせるソフトが充実すれば、劇的にPC環境が変わるかもしれませんね」と期待をふくらませていた。

インテル「Xeon W3680」(写真=左)。AMD「Opteron 6100シリーズ」(写真=中央/右)

「すごい速度で“普通”になっていきますね」――SATA 3.0対応SSDやUSB 3.0アダプタが登場

Crucial(Micron)「RealSSD C300」シリーズ

 3月初旬のアキバをわかせたのは、Crucial(Micron)のSSD「RealSSD C300」だ。最大6Gバイト/秒で転送できるSATA 3.0に対応した初のSSDで、ライト最大速度は256Gバイトモデルが215Mバイト/秒、128Gバイトモデルが140Mバイト/秒となる。価格は256Gバイトモデルが7万円弱から8万円弱、128Gバイトモデルが4万円強から5万円弱だ。

 SATA 3.0対応ドライブはこれまでHDDが2モデル登場しており、このうちの1Tバイトモデル「WD Caviar Black WD1002FAEX」は、比較的安い1万円強の価格と十分な流通量も手伝って、すでに定番の人気HDDに数えるショップも出てきている。

 こうした流れについて、フェイス秋葉原本店は「予想以上に環境がそろうのは早いですね。正直、SATA 3.0対応のSSDは夏ぐらいに出ればいいくらいに思っていました。マザーボードもSATA 3.0に対応するタイプが売れるようになっていますし、すごいスピードで普通の選択肢になっていきました」と驚いていた。

 もう1つの次世代規格であるUSB 3.0の普及も順調だ。インタフェースカードや標準対応のマザーボードのほか、外付けHDDなどのラインアップが多く、月後半には3000円前後で買えるSATA II―USB3.0アダプタ「UD-3000SA」がタイムリーから登場。デバイス側のUSB 3.0アイテムとしては最安の部類に入るうえ、USB 2.0対応の同種が1500円から2000円程度で売られていることもあり、「1000円の上乗せで済むならUSB 3.0を選びますよね。もちろんUSB 2.0環境でも使えますし、これはヒットするでしょう」(ソフマップ秋葉原本館)と歓迎されている。

 USB 3.0対応のポータブルHDDも出回り、自作市場以外での普及も進みそうだ。月初旬に登場したバッファロー「HD-PEU3-BKシリーズ」を皮切りに、月末にはPQIの「H566シリーズ」もデビュー。640Gバイトモデルが1万8000円弱で、500Gバイトモデルが1万4000円弱、320Gバイトモデルが1万円弱となる。

 パソコンハウス東映は「大容量になるほど転送速度が重要になってくるので、数10Gバイトを頻繁に持ち歩く人には特にオススメしたいですね。HDDに関しては飛び抜けて高価ということももうないでしょうから、対応PCが増えれば順調に普及していくと思います」と話していた。

ウェスタンデジタル「WD Caviar Black WD1002FAEX」(写真=左)。タイムリー「UD-3000SA」(写真=中央)。PQI「H566シリーズ」(写真=右)

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