NVIDIAジャパン マーケティング本部 広報/マーケティング コミュニケーションズ シニアマネージャーの中村かおり氏は、3D Visionを楽しむためのコンテンツが高画質静止画、動画、そしてゲームタイトルで多数提供されている現状を説明した上で、富士フイルムのFinePix REAL 3D W1なら、ユーザーが自ら立体視ができる静止画を高画質で作成できるほか、Adobe Flash 3DやYouTubeなど、インターネット上でも立体視が可能なコンテンツの供給が始まっていることも紹介された。
中村氏は、このように、3D Visionを普及させるために、Blu-ray 3Dやゲームタイトル、インターネット上のコンテンツサービスなどで立体視対応を促進することがNVIDIAにとって重要な役割であると説明している。
米国ステレオ3D 最高技術責任者/共同設立者で3Dコンソーシアム事務局長の泉邦昭氏は、立体視を巡る市場動向について紹介した。現在、ハリウッドでは2012年にかけて立体視に対応した映画が50本以上作られる予定であるほか、グローバル規模の多くのメーカーからは立体視対応家電が出荷されるなど、立体視の利用が本格的に普及する兆しが見えているという。
泉氏は、過去何度かあった一過性の「立体視ブーム」と今回の動きは別物であると主張する。その理由は、立体視技術が進化して、安価に多くの人が利用できる環境が整ったことや、コンテンツを提供する映画製作者側の意識が「立体視で驚かせることから立体視で感動させる方向へシフトして“無理”のないコンテンツが登場してきた」こと、そして、業界で立体視映像に関する安全性の配慮が進んできたことなどを挙げている。
ゲストスピーカーとして登場したモンキー・パンチ氏は、自分の作品を立体視で表現させるため、かなり以前からこのような技術を試してきたという。その中で、3DCG作成専用アプリケーションを使って立体視表示に加工した作例が示されたが、「時間がかかりすぎて漫画ではとても使えない。また、(当時の)漫画は紙に印刷するしかないので、赤青のメガネを使わないと立体視できなかった」と普及するには難しい状況であったと振り返った。
現在、FinePix REAL 3D W1で立体視撮影を楽しんでいるというモンキー・パンチ氏は、「立体視は自分で作れて自分の家で見れないと普及しないのではないか。専門家だけでなく素人が簡単に使えるものでないと多くの人は立体視に興味をもてないだろう」と述べる。そのような意味で、G51Jx 3Dの登場は「立体視が家でも楽しめるようになる。私としても楽しみた」と普及に向けた期待を語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.