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» 2010年04月27日 13時01分 UPDATE

イマドキのイタモノ:Phenomも6コア時代に突入──3万円台の「Phenom II X6 1090T Black Edition」で幸せになる? (1/3)

2010年は“6コア元年”。3月に登場したCore i7-980Xに続き、今度はAMDがPhenom II X6シリーズを発表した。ThubanはGulftownにどこまで迫れるか?

[石川ひさよし,ITmedia]

少スレッド動作で高クロック動作を可能にする「Turbo Core」

kn_piix6_01.jpg 評価に用いたAMDの6コアCPU「Phenom II X6 1090T Black Edition」。OPNは「HDT90ZFBK60DGR」

 Phenom II X6は「Thuban」という開発コード名で呼ばれていた“ネイティブ”な6コアCPUだ。各コアごとに128Kバイトの1次キャッシュメモリと512Kバイトの2次キャッシュメモリを搭載するほか、コア共有の3次キャッシュメモリとして6Mバイトを実装する。従来のクアッドコアモデルであるPhenom II X4 965 Black Editionと比べて、1次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリが増加しているが、3次キャッシュメモリに関しては“Deneb”コアと変わらない。また、プロセスルールも45ナノメートルのままなので、コアが増加した分は、そのままダイ面積の増加につながることになる。

モデルナンバー Phenom II X6 1090T Black Edition Phenom II X6 1055T Phenom II X4 965 Black Edition
コア数 6 6 4
動作クロック 3.2GHz 2.8Gz 3.4GHz
TurboCore有効時 3.6GHz 3.2GHz
ソケット AM3 AM3 AM3
対応メモリ DDR3-1333/DDR2-1066 DDR3-1333/DDR2-1066 DDR3-1333/DDR2-1066
1次キャッシュ (命令64K+データ64K)/コア (命令64K+データ64K)/コア (命令64K+データ64K)/コア
2次キャッシュ 512KB/コア(計3MB) 512KB/コア(計3MB) 512KB/コア(計2MB)
3次キャッシュ 6Mバイト(共有) 6Mバイト(共有) 6Mバイト(共有)
HT Link クロック 4.0GHz 4.0GHz 4.0GHz
プロセスルール 45ナノメートル 45ナノメートル 45ナノメートル

 発表直後のPhenom II X6ラインアップは、まず「Phenom II X6 1090T Black Edition」(1090T BE)と「Phenom II X6 1055T」(1055T)の2製品からスタートする。上位モデルの1090T Black Editionは、動作クロックが3.2GHz、1055Tは2.8GHzとされている。“Deneb”世代のPhenom II X4で最高クロックモデルが3.4GHzのPhenom II X4 965 BEであるから、動作クロックはやや低く設定されている。Thuban世代とDeneb世代のPhenom IIにおけるコア電圧をCPU-Zで確認できる値で比較してみよう。

kn_piix6_02.jpgkn_piix6_03.jpg CPU-Z Version 1.53.1で確認したコア電圧。1090T BE(写真=左)は965 BE(写真=右)に対して0.05ボルトほど低くなっている

 Phenom II X4 965 BEのコア電圧は1.320ボルトであるのに対して、1090T BEのコア電圧は1.284ボルトと表示された。両モデルともTDPは125ワットとされているが、動作クロックとコア電圧のわずかな引き下げによって6コア動作が可能となっていると考えられる。

 Thubanは基本的にDenebと同じアーキテクチャだが、いくつかの変更が加えられた。その代表的なものが「Turbo Core」だ。1090T BE、1055Tのようにモデルナンバー末尾の「T」は、Turbo Coreに対応した製品であることを示している。

 “Turbo”という名称に、インテルの「Turbo Boost Technology」を思い出すユーザーもいると思うが、実際、Turbo Coreも、システム動作中にTDPに余裕がある場合、TDP枠の許す範囲内でオーバークロックモードに入る技術だ。インテルのTurbo Boost Technologyに近い印象を持つが、Turbo Coreの場合は1コア単位ではなく3コア単位で制御するとAMDは説明している。

 このことを確かめるため、動作するスレッド数を指定できる「CINEBENCH R11.5」と使用コアを制御できるAMD OverDriveを用いてその挙動をチェックした。AMD OverDriveで6コアを使用可能とした状態でCINEBENCH R11.5を6スレッドで実行すると、1090T BEは倍率で16倍と定格で動作している。同じく4コア有効、4スレッド動作に設定してもまだ定格動作のままだ。そして、3コア有効、3スレッド動作にしたところで。3コアの倍率が17.5倍にまで引き上げられた。

 なお、2コア有効、2スレッド動作でも、3コアとも定格の16倍を超えて動作しているが、処理が割り当てられない1コアは16.5倍と、ほかの2コアより低い倍率で動いているのが確認できた。クロック制御は瞬間的に切り替わるため、目視による最高クロックの確認は困難を極めたが、今回の測定で目視できたのは最大17.5倍までであった。

kn_piix6_04.jpgkn_piix6_05.jpgkn_piix6_06.jpg

kn_piix6_07.jpgkn_piix6_08.jpgkn_piix6_09.jpg Turbo Coreでは、動作するコアが3つ以下になると定格倍率より引き上げられる。ただ、動作するスレッドを2個以下にすると、使用しているコア以外はやや低い倍率に設定される

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