「自作PC初挑戦!」ユーザーなら、“Core i”“64ビットOS”が安心確実なメモリを選ぶべしおれ、連休になったら自作するんだ(1/2 ページ)

» 2010年04月28日 16時00分 公開
[長畑利博,ITmedia]
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64ビット版Windowsを安定して動作させる条件とは

 数年前のWindows XP環境から新規にPCを自作する場合、マザーボードとCPU、メモリ、ストレージも合わせて購入することになるだろう。

 2010年4月現在、CPUの主流であるCore iシリーズで安価にPCを組みたいのであれば、実売価格1万5000円前後でグラフィックスコアを統合したLGA1156対応の「Core i3-540」とIntel H55 Expressチップセットを搭載したmicroATXマザーボードが、コストパフォーマンス的にもお勧めだ。microATXのマザーボードならチップセットが同じであれば価格が極端に異なる製品は少ない。ただ、将来性を考慮すると、PCI Express x16スロットを2本搭載するだけでなく、USB 3.0の専用コントローラチップを実装するGIGABYTEの「GA-H55M-USB3」のような、高い拡張性を備えるモデルがいいだろう。

 パーツを買いそろえるときに、つい予算を抑えてしまうのがメモリだ。メモリは安価なノーブランド品から高価なブランド品までさまざまな種類がある。ノーブランド品とブランド品は価格差が意外と大きく、大容量のものを用意しようとすると購入価格はさらに異なってくる。Windows 7にリプレースするためにPCを自作するなら、64ビット版OSを快適に動かすために、ここはどどーんと8Gバイト以上欲しいところだ。このように、大容量のメモリを購入する価格を考えると、ノーブランド品を選んでしまいがちだが、ちょっと考え直したい。この選択が、Core iシリーズを基幹として構成する自作PCで、後々問題となる可能性があるためだ。

メモリのトラブルは「発生しやすく分かりにくい」

 メモリの選択で注意したいポイントの1つが「動作電圧」だ。Core iシリーズで使えるメモリは、最大動作電圧が「1.65ボルト」となっているが、初期に販売されたDDR3メモリや一部のオーバークロック対応メモリでは高い動作電圧を必要とするものがある。特に、安価なメモリの中には、こうしたメモリが混ざっている可能性もある。供給される電圧が足りなければ動作が安定しなくなる。

 注意したいもう1つは「組み合わせ」だ。例えば、先ほど例として出したマザーボード「GA-H55M-USB3」は、同じ容量のメモリを各チャネルに装着し、メモリアクセスを高速化する「デュアルチャネルアクセス」に対応している。ただし、デュアルチャネルでは、組み合わせるメモリの品質が動作の安定性に大きく影響することに注意したい。特に用意された4スロットのすべてを2Gバイトで埋めた8Gバイト構成では、搭載したメモリの品質にバラツキがあるとメモリバスクロックが速度の遅いほうに引っ張られてパフォーマンスが低下するだけでなく、アプリケーションの種類によってはシステムが突然落ちるなど、高負荷時にトラブルが発生する可能性が高くなる。このように、大容量のメモリを搭載するシステムにおいて、メモリの品質は安定した動作を実現するために重要なポイントといえる。

 「おれ、連休になったら自作PCに挑戦するんだ」というユーザーは、こうしたトラブルを避けるためにメモリベンダーが動作を検証して、Core iシリーズ対応をうたう製品を選ぶのが無難だ。例えば、ハイパフォーマンスなモデルをリリースするメモリベンダーとしてパワーユーザーから長年にわたって支持されているCORSAIRのラインアップの中で、比較的安価な「XMSシリーズ」などは、これから自作に挑みたいユーザーにも向いているだろう。価格も標準的な2Gバイト×2枚をパッケージにしたデュアルチャネル対応の「TW3X4G1333C9A」PC3-10600(DDR3-1333MHz)なら1万円前後(2010年4月現在)と、ノーブランドのメモリとそれほど変わらない価格で購入できる。代理店(リンクスインターナショナル)による永久保証にも対応しているので、メモリに不良があった場合でも、これから自作に挑戦するユーザーは安心できる。

これからPCの自作に挑戦したいユーザーには、コンパクトなmicroATXにIntel H55 Expressを搭載したバリュークラスのマザーボードがお勧めだ。GIGABYTEの「GA-H55M-USB3」は専用チップでUSB 3.0もサポートするので将来の拡張性も問題ない(写真=左)。強力な冷却機構と安定したオーバークロック動作に対応するメモリでパワーユーザーに支持されるCORSAIRがリリースするバリューモデルの「TW3X4G1333C9A」は、デュアルチャネル向けに2Gバイトを2枚組構成で組み合わせたDDR3メモリパッケージだ。PC3-10600(DDR3-1333MHz)に対応し、レイテンシはCL=9-9-9-24になる(写真=右)

大容量メモリのメリットをベンチマークテストでチェック

 64ビット版OSの最大のメリットは、利用できるメモリ領域が増えることだ。32ビット版でOSが認識して使えるメモリは約3Gバイトまでが限界だが、64ビット版Windows 7では搭載したメモリ容量をすべて認識して活用できる。

 そこで、GA-H55M-USB3を基幹に構成した自作PCを用いて、64ビット環境にネイティブで対応したベンチマークテスト「PCMark Vantage」を使ってメモリ2Gバイト、4Gバイト、8Gバイトとメモリ容量を変化させてテスト結果に違いが出るか検証してみた。極端に大きな差ではないが、明らかに異なる違いが一定した傾向で出ているのが分かる。なお、2Gバイトの場合は、シングルチャネル動作であるため、ほかのデータと比べても一段低い数値が出ていることに注意したい。

GA-H55M-USB3 PCMark Vantage(64ビット環境)
メモリ容量 PCMark Suite Memories Suite
8Gバイト(デュアルチャネル) 6453 3692
4Gバイト(デュアルチャネル) 6323 3684
2Gバイト(シングルチャネル) 6136 3658

テスト環境
マザーボード GA-H55M-USB3
グラフィックスカード Twintech GeForce 8500GT 512Mバイト
CPU Intel Core i7-870(2.93GHz)
HDD Deskstar 7K1000.B HDT721010SLA360
OS 64ビット版Windows 7 Ultimate

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