「iPad……」なの?──謎のAndroid端末「EKEN M001」ぷちレビュー1万円台の“オトナの玩具”(3/3 ページ)

» 2010年07月14日 11時00分 公開
[布施繁樹(K-MAX),ITmedia]
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「Androidマーケット」は利用できないが……野良Androidアプリなら

 次はソフトウェアを見ていこう。

 標準のWebブラウザはAndroid OS標準のブラウザだが、ローカルファイルを読み込んだ際の表示・処理速度はそれほど遅くはなく、そこそこ快適だ。マルチタッチをサポートしないピンチ操作はできないが、表示の拡大/縮小も行える。画面をタップして表示される「拡縮」キーをタップすることで拡大/縮小される仕組みだ。拡大した場合、文章は画面内に収まるように調整されるので、視認性も意外によい。

 残念なのは、(これはOS自体がサポートしていないので仕方ないのだが)Flashをサポートしないこと。また、スクロール動作が緩慢で待たされる場面が多々ある。しかしながら、一昔前のケータイフルブラウザよりは使えそうな、まぎれもないWebブラウザでのようではある。

photo プリインストールアプリケーション「iReader」でJPEGデータを表示でき、スライド操作で読み進められる。PDFデータも「Documents To Go」で表示可能だが、拡大すると細かい文字がつぶれて読めなかった

 次はiPadのような外見の端末ということで、電子書籍データが表示できるかどうかも試そう。

 製品名に“Ebook”という文字列があるように、M001には「iReader」というアプリケーションがプリインストールされている。iPadなどが対応するEPUB形式はおろか、PDFも表示できないのだが、JPEGデータは大丈夫だ。なお、PDFデータは別途「Documents To Go」というアプリケーションで表示できる。10Mバイトほどと少し大きめのサイズのカメラカタログPDFデータを表示させてみたが、おおっ、そこそこ表示できている。これは悪くないと思い、拡大してみたが……、画像内の細かい文字がつぶれてしまった。残念。

 もっとも、Android端末はアプリケーションのインストールもある程度自由──という遊べる要素が多い特徴がある。ただ本機では、携帯キャリアがスマートフォン向けに展開する“表”のAndroid端末と違い「Androidマーケット」が利用できない。正確にはAndroidマーケットに相当するアプリケーション「安卓市場」というものがプリインストールされているのだが、表記は残念ながらすべて中国語だ。ではどうすればいいか。一般のWebサイト上より直接ダウンロードをする方法がある。検索エンジンで「.apk」(Android OS用アプリの拡張子)と、目的のアプリケーション名を検索するとよさそうだ。


photo  

 このように、ほどよいチープさが心地よいM001。貫禄ある大物のように余裕のある動作で、バッテリーは気まぐれだ。ただ、コンパクトなボディと片手にすっぽり収まる持ちやすさ、SDメモリーカードスロットを標準装備する点はiPadに勝っている……といえなくもない気がしないでもない。

 決して“万人受けする”完成度の高い実用的な端末ではないが、実用的になるまで格闘しながらカスタマイズしていく楽しみは、数多い「自作PCマゾ」の人であれば分かっていただけそうだ。野良アプリとはいえ、多彩なアプリケーションでカスタマイズができるので、アプリによる拡張性は捨てがたい。なんというか、ジャンクパーツで組んだ自作PCのような面白さがある端末である。また、Androidアプリの開発を行っている人にも、安価な試験機としていかがであろうか。

 なお、製造元のEKEN Electronicには、“もっとな〜んちゃって。てへ♪”な「M003」という端末もあるようだ。お時間があればご一見願いたい。



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