PC USER Pro

WindowsもMacもこれ1台のホームサーバ――「HP MediaSmart Server EX490」を試すiPhone/iPod touchでも使える(3/4 ページ)

» 2010年07月21日 17時45分 公開
[織田薫,ITmedia]

ストリーミング配信機能も充実

 EX490にはDLNAサーバの「TwonkyMedia」がインストールされており、Windows Home ServerがサポートするWindows Media Player 11以降やWindows Media Connect対応製品はもちろん、幅広いDLNA対応機器にコンテンツをストリーミング配信することが可能だ。これによりEX490で収集したコンテンツを、Xbox 360やプレイステーション 3、PSP(プレイステーション 3経由で接続)、DLNA対応レコーダー/プレーヤーなどの機器でストリーミング再生できる。TwonkyMediaを利用するために特別な設定は必要なく、EX490側で共有機能を有効にするだけでよい。

DLNAサーバーの機能を持つTownkyMediaの設定も、Windows Home Serverのコンソールで行う
TownkyMediaに難しい設定内容はなく、メディアの共有フォルダを指定するだけだ

 DLNAでストリーミングを行う場合、問題になるのが動画ファイルにおけるコーデックや解像度、ビットレートなどのサポート状況だ。手元に大量の動画ファイルを抱えていても、さまざまな機器にストリーミング配信しようと思ったら、対応形式に再エンコードしなければならないケースも多い。市販のソフトウェアなどを利用すれば、比較的簡単に動画を再エンコードして適切な形式に変換できるが、無料のソフトを組み合わせるとなると、家族全員で使うには難易度が高くなり、DLNAや動画ファイルに関する知識が必要になる。

HP Video Converterの設定では、サイズなども指定できる

 そこでEX490には、動画ファイルを自動変換する機能の「HP Video Converter」が用意されており、動画ファイルに関する知識がなくても、簡単にストリーミング配信を行える。指定されたフォルダにファイルを置くだけで、PCだけでなく、ゲーム機やスマートフォンで再生できるファイル形式に自動変換することが可能だ。配信先に合わせて変換してくれるので、PCでもスマートフォンでも適切な解像度/ビットレートで再生できる。

 HP Video Converterで自動変換できる動画ファイルは映像がMPEG-4 AVC/H.264、音声がAACとなる。変換後の動画ファイルはプレイステーション 3やXbox 360、PSP、iPod touch、iPhoneなど、多くのデバイスで再生可能だ。

 動画変換の入力フォーマットとしてサポートしているファイル形式は下表の通り。一般的な動画形式であれば問題ないが、前述のmtsやm2tsなどは対応していない点は覚えておく必要がある。DVD-Videoのフォルダ構造は変換可能で、タイトル分割/1番長いタイトルのみ変換/すべて結合が設定できるが、当然ながらプロテクトされているコンテンツは変換できない。

HP Video Converterが対応する動画形式
拡張子 動画コーデック 音声コーデック
avi divx(4/5/6) mp3/aac
xvid mp3/aac
mjpeg adpcm/pcm
mpg mpeg-1/mpeg-2 mp2/pcm/ac3
wmv wmv/vc-1 wma
mov mjpeg-a/b pcm
mp4、m4v avc(h.264)/mpeg-4 aac
dvr-ms mpeg-2 ac3
vob mpeg-2 ac3/adpcm/pcm

iPhone/iPod touchからのコンテンツ再生も可能

 コンテンツのストリーミング再生については、特にiPhone/iPod touchへの対応に注目したい。これらデバイスのサポートは、Windows Home Server搭載のホームサーバとしては珍しい機能といえる。iPhone/iPod touchからEX490にアクセスするには、App Storeから無料アプリの「HP MediaSmart Server iStream」をダウンロードしてインストールする必要がある。「HP」と入力して検索すれば、すぐに見つかるはずだ。

 iPhone/iPod touchからEX490へアクセスするためには、ホスト名(もしくはIPアドレス)と、ユーザー名、パスワードを設定するだけでよい。EX490にアクセスしたら、ビデオ、ピクチャー、ミュージックの各メニューから、再生したいコンテンツを選択するだけでよい。動画再生はWi-Fi接続時のみの対応だが、静止画と音楽の再生は3Gでもサポートしている。操作は非常に簡単だ。

 なお、iPadは正式にサポートしていないが、HP MediaSmart Server iStreamをインストールすることで静止画、動画、音楽の再生が一通り行えた。日本HPによると、今後はiPad専用アプリも開発・公開する予定とのことだ。

 EX490側の設定を見ても、iPhone/iPod touchからアクセスするために特別な操作は不要で、TwonkyMediaが有効になっていればよい。ただし、インターネット経由でアクセスするためには、リモートアクセスの設定が必要だ。リモートアクセスの設定を行えば、iPhone/iPod touchで外出先から自宅にあるEX490のコンテンツにアクセスできる。

iPhone/iPod touchからアクセスする場合は、専用アプリの「HP MediaSmart Server iStream」を利用する
HP MediaSmart Server iStreamを起動すると表示されるメニュー。動画、静止画、音楽に分かれている
HP MediaSmart Server iStreamを利用し、EX490に保存された動画ファイルを再生した例

 EX490にはiTunesサーバの機能も用意されており、EX490に保存した音楽ファイルをクライアント側のiTunesで聞くことができる。iTunesサーバ機能も特別な設定は不要で、機能を有効にし、クライアント側のiTunesからアクセスすればすぐに利用できる。

EX490で必要なiTunesサーバの設定は、サーバ機能を動作させるか、共有名を何にするか、パスワードを設定するかどうかだけだ
iTunesのサーバ機能を有効にすれば、クライアント側のiTunesでEX490内の音楽ファイルにアクセスできるようになる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月17日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー