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» 2010年08月05日 11時55分 UPDATE

5分で分かった気になる、7月のアキバ事情:「Radeon」対「GeForce」の行方は? FF14が話題を集めた7月のアキバ (1/2)

ギガバイト製品を扱う代理店の変化やEVGA製品の増加、日立GST製リテールHDDの登場など、売り手の変化が目立っていた7月。商品の主役はグラフィックスカードで、FF14特需にわくRadeon陣営を、GeForce陣営が盛り返す動きもみられた。

[古田雄介,ITmedia]

「EVGAのマザーボードが普通に買えるようになりましたね」――代理店契約の動きが店頭に直結

og_akibam_001.jpg 6月末から中旬にかけてみられた、パソコンショップ・アークのギガバイト製ボード類在庫一掃セール

 7月初旬から中旬にかけて、ギガバイト製のグラフィックスカードとマザーボードを放出特価で販売するショップが複数みられた。そこには、6月末にマスタードシードが、7月中旬にリンクスインターナショナルがギガバイトの“板モノ”を扱う代理店契約を完了したことが背景ある。正規代理店経由で流通したPCパーツには、各代理店のサポート電話番号などを記載したシールや、専用の取り扱い説明書などが付く。契約完了後にそれらの情報が入った製品を普段どおりに売り続けるわけにはいかず、在庫一掃のために新品のままで特価販売に踏み切るショップが出てくるわけだ。

 ただし、8月現在でもギガバイト製品を扱う代理店は複数あり、マスタードシードの業務もCFD販売が受け継いでいる。ソフマップ秋葉原本館も「街全体の(ギガバイト製品の)流通量は以前と変わらないと思います」と話していた。

 一方、代理店契約を複数社と結び、この1カ月でアキバでの流通量を一気に増やしたのがEVGAだ。6月上旬に若干数出回った2U向けXeon用のLGA1366マザー「Classified SR-2」が7月初旬、代理店のシネックス経由で複数のショップに再入荷したほか、月中旬には1万3000円前後の普及帯マザー「P55V」も潤沢に出回るようになった。

 特にClassified SR-2は、381(幅)×345.4(奥行き)ミリという巨大な基板も注目を集めている。フェイス秋葉原本店は「7万円弱とかなり高価ですが、ワークステーション向けのXeon 5500/5600シリーズを使って、オーバークロックが楽しめるというユニークなコンセプトを持っています。搭載できるケースもまだほとんどないですが、多くのユーザーの印象には残っていると思いますよ」とうれしそうにいう。

 また、7月10日と11日開催の「AKIBAX2010 PC DIYフェスタ」では、リンクスインターナショナルがEVGAブースを設け、従来から契約している同社製グラフィックスカードと、取り扱い前のマザーボードを並べていた。

 同社スタッフは「我々もEVGAのマザーボードを扱っていきたいと思います。日本ではまだなじみの薄いメーカーですが、欧米ではASUSTeKなどとと並ぶ定番パーツベンダーなんですよ。これまでは、たまに超ハイエンドな製品が話題になる程度でしたが、今後は普及帯モデルもたくさん扱って、総合的なメーカーとして認知してもらえるようにがんばっていきます」と抱負を語っていた。

og_akibam_002.jpgog_akibam_003.jpgog_akibam_004.jpg AKIBAX2010 PC DIYフェスタのEVGAブース(写真=左)。左上がEVGAの「Classified SR-2」(写真=中央)。EVGA「P55V」(写真=右)

グラフィックスカードは、メモリ1GバイトのGeForce GTX 460カードが大ヒット

og_akibam_005.jpg ツートップ秋葉原本店のGTX 460デモ機。FF14ベンチを走らせており、スコアと挙動を見守るユーザーが多かった

 7月1日にスクウェア・エニックスがWindows版「ファイナルファンタジーXIV」(以下、FF14)の発売日を9月30日と発表し、FF14ベンチの公開以降盛り上がっていたグラフィックスカード市場をさらに加熱させている。6月以降、価格に対して高いベンチ結果が得られるRadeon HD 5870とHD 5770カードが圧倒的な支持を得ているが、月中旬に新GPU「GeForce GTX 460」を搭載したカードが登場したのを機にNVIDIA陣営も盛り返した。

 GeForce GTX 460はGTX 465の下位にあたるGPUで、標準仕様のカードにはGDDR5 768Mバイト搭載モデルとGDDR 1Gバイト搭載モデルの2種類がある。前者が2万円前後で、後者は2万5000円前後だ。このうち特に人気があるのは1Gバイトモデル。ツートップ秋葉原本店は「メモリバンド幅も1Gバイトモデルのほうが256ビットで115.2Gバイト/秒で高く、それがそのまま各種ベンチマークの結果に表れています。コアクロックやメモリクロックなどはGTX 465より高いので、ゲーム用途では上位以上の性能を発揮すると評判です」という。

 また、ドスパラ秋葉原本店は「GeForceの最新ドライバを適用すると、FF14のβテストがかなり快適に動作するようです。Radeonはベンチ結果が高くても、一部コマ落ちがみられるという報告もあり、ここにきてGeForceが盛り上がってきました」という事情にも言及していた。そうした背景から、発売から2週間前後は1GバイトのGeForce GTX 460カードのみ品薄となっていたが、月末には潤沢に出回るようになっている。

 Radeon勢も好調な売れ行きを持続しており、HD 5870の付加価値モデルなどは発売数日で複数のショップが売り切るほどの反響がある。例えば、同GPUを搭載したMSIのオーバークロックモデル「R5870 Lightning Plus」は、5万3000円弱と高価ながら、複数のショップで在庫を探し回るユーザーもいた。

 もう1つ、PCパーツ代理店のアクスがXFX製のRadeon系カード6モデルを対象に行っている「夏休み延長Warrantyキャンペーン」も、別の視点から注目を集めている。7月24日から8月末までの間、対応モデルを購入して1カ月間なら故障でなくても返金と返品を受け付ける取り組みで、フェイス秋葉原本店とツートップ秋葉原本店が協力している。ツートップ秋葉原本店の店員さんは「気に入らなかったらお金が戻ってくるという安心感込みで購入できます。私は、価格勝負ではない、実効的な付加価値を探る実験だととらえています。どんな結果になるのか楽しみですね」と、このキャンペーンに市場実験の意義を感じていた。

og_akibam_006.jpgog_akibam_007.jpgog_akibam_008.jpg クレバリー1号店にズラリと並ぶGeForce GTX 460 1Gバイト版カード(写真=左)。MSI「R5870 Lightning Plus」(写真=中央)。返品返金キャンペーン対象のXFX「HD-567X-YNF3」(写真=右)

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