「Radeon」対「GeForce」の行方は? FF14が話題を集めた7月のアキバ5分で分かった気になる、7月のアキバ事情(2/2 ページ)

» 2010年08月05日 11時55分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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日立GSTがリテールパッケージのHDDを投入、1.8インチで初のSATA 3.0対応SSDも登場

日立GSTのリテール版「DESKSTAR」シリーズ

 パーツの値下がり対策とみられる動きはストレージでもあった。7月後半に日立GSTが3.5インチSATA HDD「DESKSTAR」シリーズと、2.5インチSATA HDD「TRAVELSTAR」シリーズのリテールパッケージを投入した。DESKSTARシリーズは2Tバイトと1Tバイト、500Gバイトの3種類で、すべて回転数は7200rpm。順に1万1000円弱から1万3000円弱、6000円弱から7000円強、4000円弱から5000円強の値がつけられていた。TRAVELSTARシリーズは、7200rpmの500Gバイトモデルが7500円以下、5400rpmの500Gバイトモデルが6500円以下、7200rpmの320Gバイトモデルが6000円以下で出回っている。

 従来のバルク品からリテール品に切り替えるというショップが複数あったが、継続してバルク品のみを扱う店舗もある。某ショップは「HDDの値崩れを防ぐために、海外から低価格な並行輸入品が入りやすいバルク品の流通を抑え、流通を管理できるリテール品をメインに据える考えがあるようです。リテール品はメーカー保証が3年付くのでそれなりにユーザーのメリットもありますが、購入時にはドライブの詳細な型番が見えなくなる点も考慮に入れる必要があるでしょう。今後の動向は、どれだけ市場に受け入れられるかによるでしょうね」と語る。

 ストレージは1カ月を通して話題性の高い新製品も多かった。月初めに1000rpmのSATA 3.0 HDD「VelociRaptor WD4500HLHX」(450Gバイト)がウェスタンデジタルから2万7000円弱で登場し、月後半には4GバイトのSLCフラッシュメモリを内蔵したシーゲイトの2.5インチSATA 2.0 HDD「Momentus XT」が出回っている。Momentus XTのラインアップは3種類で、500Gバイトモデルが1万5000円前後、320Gバイトモデルが1万3000円前後、250Gバイトモデルが1万2000円前後となる。

 そして、月末には1.8インチサイズで初となるSATA 3.0対応のSSDが登場。Crucialの「RealSSD C300」シリーズで、micro SATA端子を備える。ラインアップは6万円台後半の256Gバイトモデルと、3万5000円弱の128Gバイトモデル、1万6000円弱の64Gバイトモデルの3種類だ。割安感から、64Gバイトモデルが最もヒットしており、登場後すぐに品薄状態となった。パソコンショップ・アークは「リード最大速度は同シリーズの2.5インチ版と同じ355Mバイト/秒なので、1.8インチドライブでは断トツの速度が出ます。価格も2.5インチ版とあまり違いがないので、潤沢に出回れてばすぐに定番の位置にいくでしょうね」と話していた。

 そのほか、USB 3.0対応デバイスでは初の“非ストレージ”となる、ビデオキャプチャユニット「Intensity Shuttle」も月末にデビューしている。1080i/pの映像が扱えるユニットで、HDMIやコンポーネント映像端子などからコピーガードのない映像データを取り込める。価格は1万9000円弱だ。TSUKUMO eX.では「Intensity Shuttleの登場でUSB 3.0の可能性が広がりましたね。どれだけの反応があるか未知数でしたが、週末を待たずに売り切れそうです」と、売れ行きは好調だった。

シーゲイト「Momentus XT ST92505610AS」(写真=左)。CrucialのSSD「RealSSD C300」シリーズ1.8インチモデル(写真=中央)。Blackmagic Design「Intensity Shuttle」(写真=右)

「押し入れストックが輝きを取り戻しますよ」――レガシー復古の大号令!

MARSHAL「MAMR-865GV」

 7月はレガシーパーツが扱えるアイテムも1カ月を通して、変わり種として人気を集めていた。初旬に登場したのは、Intel865GV+ICH4チップセットを搭載したMARSHALのmicro ATXマザー「新丸印 MAMR-865GV」だ。Socket 478とAGP 8Xスロットを搭載するほか、IDEと排他で利用できる1基のSATA 2.0ポートも備える。価格は7000円弱だ。

 ツートップ秋葉原本店は「6月に登場した新丸印シリーズのG31マザー『MAMR-G31-478』もヒットしましたが、これも人気が出そうですね。AGP対応のグラフィックスカードをまだ持っているという方はけっこう多いので、サブマシンとして復活させるにはもってこいです」とプッシュする。

 月後半には、1.8GHz動作のシングルコアCPU「VIA PV530」をオンボードしたASRockのmicro ATXマザー「PV530」が、7500円前後で登場した。PCI Express x16スロットを1基搭載し、1基のDDR3メモリスロットと2基のDDR2スロットを排他で使える仕様となっている。TSUKUMO eX.は「オンボード映像出力はVGAのみですが、H.264/MPEG-4などのフルHD動画の再生支援機能も備えているので、再生中心のAVマシンを安く組むという使い方もできそうです。DDR2メモリを再活用するなど、使い道は色々想像できますね」と話していた。

 そうした変わり種アイテムのなかでも、特に異彩を放ったのは、月の前半に出回ったBプラステクノロジーのExpressCard/34型アダプタ「PE4H-EC2C」と「PE3」だ。どちらもExpressCard/34スロットを介して、ノートPCでデスクトップ用拡張カードを使うためのアイテムで、価格は順に1万5000円弱と6000円弱となる。PE4H-EC2Cは、PCI Express x16スロットを搭載する基板がセットになっており、ATX電源から給電してグラフィックスカードをPCI Express x1で利用できる。PE3はアダプタカードに直接PCI Express x1カードやUSB2.0機器を挿して使える仕様だ。

 ほとんどのショップが「実験用」「人柱用」として少数入荷に留めていたが、注目度は高かった様子だ。ノートPCにPE4H-EC2Cを挿してSASカード経由で合計24TバイトのHDDを稼働させるデモ機を展示したT-ZONE.PC DIY SHOPは、「まさにキワモノ。余ったグラフィックスカードをノートPC用にあてるという使い方は、性能的にちょっと実用向きではないですが、映像出力端子を増やす目的ならいいかもしれません。好評なら再入荷するかも」と語っていた。

ASRock「PV530」(写真=左/中央)。Bプラステクノロジー「PE4H-EC2C」(写真=右)

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