Bluetooth接続と聞いてWindows環境での動作も気になるところだが、アップルからはBoot Camp 3.1で動作するWindows用ドライバのみ提供されている。対応OSは64ビット版がWindows 7/Vista/XP、32ビット版はWindows 7/Vista SP2以降/XPで、動作も1本指のタップやドラッグ、左右端での右クリック、2本指のスクロール(XPは非対応)と右クリックのみに限られる。
無理を承知でWindows搭載PCで試してみたが、ドライバを抽出する必要がある上に、Boot Campのような設定も行えず、動作もかなり怪しい。もちろんMacで可能だった多彩なマルチタッチ操作も行えず、無理をして導入する価値は少ない。
価格はApple Storeで6800円と、Magic MouseやApple Wireless Keyboardと同じ値段になっている。ほぼMac専用のデバイスで、価格はやや高めに感じるが、Webを長時間使う場合や、Magic Mouseの操作性になじめないユーザーには欠かせない製品といえるだろう。
なお、同時に発売された「Apple Battery Charger」は2本同時に充電できる充電器と6本の単三形ニッケル水素電池が付属しており、Magic Trackpad(2本)をはじめとしてMagic Mouse(2本)やApple Wireless Keyboard(2本)を利用しているユーザーに最適なオプションだ。
個人的に、ここ数年のノート型Macで最も気に入っているギミックが、磁石で吸着するACコネクタ(MagSafe)とガラス製のマルチタッチトラックパッドだ。今回の Magic Trackpadでその秀逸な操作感をiMacやMac miniでも利用できるようになったのは非常にうれしい。ただ、Magic Mouseのときと同様に、Windows環境では機能が不完全なままなので、Windowsユーザーにとっては残念さのほうが強い。ヒマなときになんとなく“さする”いやし系デバイスとして活用しよう。
前々からMacBookのトラックパッドを外付けのデバイスにして、デスクトップでも使えればいいのにと考えていたため、Magic Trackpadはまさに待望の製品だ。広大で滑りがよいパッド領域でのマルチタッチ操作は快適そのもので、これならマウスを“卒業”してもいいと思える。唯一残念なのは、Windows環境でのお粗末な使い勝手。Windowsでは多くの機能が使えないうえ、タッチ操作自体のフィーリングが劣り、魔法のような操作感からはほど遠い。Windows用の多機能で使いやすい外付けタッチパッド、どこかが出してくれないものだろうか……。
Magic Mouseの時は、いくらマルチタッチ対応とはいっても、あまりに操作しづらかった。しかしMagic Trackpadは机上に置けば極めて安定して動作する。しかも使いやすく、Webブラウズでは最強のデバイスといっても過言ではない。これまでは就寝時に手持ちの13型アルミMacBookで無駄にWebブラウズしていたが、それがMac miniなどでも実現できるようになったのは危険だ。ドライバの導入により、MacBookのトラックパッド機能が拡張するのも朗報だろう。Windows版のマルチタッチ対応ドライバが今すぐ欲しくなる。
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