「UL20FT」を徹底検証する――5万円台の“即戦力”モバイルノートPC新旧モデルをじっくり比較(4/4 ページ)

» 2010年08月18日 10時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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気になるバッテリー駆動時間はどうなった?

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」にセットした。無線LANで常時接続し、Windows 7の電源プランは前述したように「Power4Gear_Entertainment」だが、液晶ディスプレイの輝度設定は80%と高く設定されていたので、この項目のみ40%に変更して行った。

 結果はTurbo 33無効時で292分(4時間52分)、Turbo 33有効時で253分(4時間13分)だった。どちらもバッテリーの残りが9%で休止状態へと移行した。同設定でテストしたUL20Aの結果から残り9%時点での駆動時間を計算すると302分(5時間2分)で、Turbo 33無効時におけるバッテリーの持ちはUL20Aと大差ないといえる。

 公称値ではバッテリー駆動時間が約7.4時間から約6.1時間へと大きく減らされている点が少し気になったが、今回テストした限りではTurbo 33を利用しない場合、それほど駆動時間は短くならなかった。Turbo 33の有効/無効はガジェットで簡単に切り替えられる(数秒のタイムラグはあるが)ので、状況によって使い分ければいいだろう。

静音性はまずまずで、発熱の処理は優秀

 動作時の騒音レベルは室温29度、暗騒音32デシベルの環境で、本体前面から5センチの距離で測定したが、アイドル時で36デシベルと静かな部屋なら聞こえる程度、負荷時でも37〜40デシベルだった。ファンの回転速度は段階的に変化する印象だが、頻繁に上がったり下がったりするようなことはなく、煩わしさは感じない。

 室温27度の環境において、放射温度計で測定したPCMark05/3DMark06終了後のボディ表面温度は、底面左側で最大40.5度まで上がったが、キーボードやパームレストでは最大34.5度と、表面にはあまり熱が伝わってこなかった。室温が高いこの季節で、これだけパームレストが熱くなりにくいノートPCはなかなかない。

 騒音と発熱のテスト時は、基本的にTurbo 33を無効にして計測したが、有効にしてもファンの回転数が上がるタイミングが少し早いという程度で、はっきりとした変化はなかった。

騒音レベルの測定結果
ボディ表面温度の測定結果

さらに完成度が向上した新世代CULVノートPC

 UL20FTの価格は、Office Personal 2010プリインストールモデルが7万9800円、Office非搭載モデルが5万9800円だ。ショップによっては数千円安く買える場合もある。

 ベンチマークテストの結果を見ると、基本システムがインテルの旧世代から新世代へリニューアルされたことだけでは、グラフィックス性能が底上げされた程度であまりメリットがないが、それだけにTurbo 33の存在は大きい。パフォーマンスが欲しい場合にはこれを有効にすることで、格上のCore 2 Duo SU9400搭載機に匹敵する性能が得られる。

 静音性や発熱の処理も相変わらず優秀で、HDMI出力が搭載され、タッチパッドの感触や操作性が改善されたことで、低価格な薄型ノートPCとしての完成度はさらに高まったといえる。これから低予算でモバイルノートPCの購入を検討しているならば、有力候補になるだろう。

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