ThinkCentreシリーズは、IBMの時代から続くビジネス向けデスクトップPCのラインアップだ。競合するPCメーカーのコンシューマー向けデスクトップPCが、液晶一体型に集約するなかにあって、“レノボの御世”となっても、ThinkCentreシリーズは、ミニタワーからスリムタワー、そして、コンパクトデスクトップ(レノボでは“ウルトラスモール”と呼んでいる)と、幅広い製品をそろえている。
そんなThinkCentreにも、液晶一体型PCのモデルが用意された。それが2009年11月に登場した「ThinkCentre A70z All-In-One」で、液晶ディスプレイのスタンドを持たない、コンシューマー向けデスクトップPCで増えてきた「フォトフレームデザイン」を採用するモデルを用意するなど、時代の変化に合わせた新機軸を取り入れている。
ThinkCentreシリーズの液晶一体型PCで最上位モデルとなるのが、2010年6月10日に登場した「ThinkCentre M90z」だ。従来モデルの「ThinkCentre A70z All-In-One」から、液晶ディスプレイサイズが23型ワイドと大型化し、それに伴ない解像度が1920×1080ドットになったほか、システム構成も32ナノメートルプロセスルールを導入した「Clarkdale」(開発コード名)世代のCPUを中心としたインテルの最新プラットフォームを採用する。
レノボジャパンの説明によると、最新プラットフォームの導入で、性能は100%改善されたという。果たしてThinkCentreの液晶一体型PCの最上位モデルの実力は、その通りなのだろか。最小構成モデルのダイレクト価格は14万5425円(なお、現在キャンペーン価格で8万9800円)であるが、ここでは、CPUにCore i5-650(3.2GHz、Turbo Boost Technology有効時で最高3.46GHz、3次キャッシュメモリ4Mバイト)を搭載して、マルチタッチ対応の液晶パネルを採用する最上位モデル「0870A1J」を用いて検証する。
なお、ThinkCentre M90zには、液晶ディスプレイの直立スタンドを取り入れたモデルと、スタンドを用いない「フォトフレームデザイン」モデルが用意されるが、評価機はフォトフレームデザインとなっている。このレビュー記事の考察は、フォトフレームデザインを使った場合になっているので、注意していただきたい。
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