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» 2010年08月27日 11時00分 UPDATE

WebカメラもHDの時代へ:720p通話とフルHD録画のWebカメラ――ロジクール「HD Pro Webcam C910」を試す (1/2)

ロジクールから720pでの通話と1080p録画に対応したWebカメラが登場した。高画質なコミュニケーションツールとして、または動画撮影ツールとして、「HD Pro Webcam C910」はどこまで使えるのか?

[小幡哲史・古田雄介,ITmedia]

最大1080p画質に対応する最上位モデル

og_logi_001.jpg C910。ロジクールストアでの直販価格は9980円だ

 8月に発表されたロジクールのWebカメラ新製品は、すべて720p(1280×720ドット)でのビデオ通話に対応し、ロジクール製のビデオチャットソフト「Logicool Vid HD」を使うことにより、今までにない高画質な通話を可能にしている。このうち、最上位モデルの「HD Pro Webcam C910」(以下、C910)は、なんといってもフルHD(1920×1080ドット)の動画撮影に対応しているのが最大の特徴だ。従来のWebカメラと変わらない1万円以下の価格帯ながら、単なるビデオチャットの道具を超えて、動画制作のツールとしても活躍が期待できる。そこで今回は、動画撮影と高画質ビデオチャットの2点に注目して、実際の使い勝手を試していくことにした。

 まずは基本的なスペックを確認しておこう。C910は8月投入の新製品群で唯一、500万画素のセンサーとカールツァイス製のレンズを採用し、最大1000万画素(ソフトウェア処理により)での静止画撮影とフルHD(1920×1080ドット)の動画撮影が行える。また、オートフォーカスやフェイストラッキングの機能に対応するほか、本体左右にステレオマイクを備えているため、動画撮影時にもより臨場感のある音声を拾える仕様だ。ちなみに、レンズとマイクの間は青色LEDが内蔵されており、カメラの動作時には光るようになっている。

og_logi_002.jpgog_logi_003.jpgog_logi_004.jpg 本体前面/左側面/背面。レンズ両脇にステレオスピーカーを内蔵している

 付属ソフトは、本体の機能設定などを行う「Logicool ウェブカメラ ソフトウェア」と、ビデオチャットツール「Logicool Vid HD」のほかに、ビデオ編集ソフトの「MAGIX Video Easy」、画像編集ソフトの「MAGIX Photo Manager 9」、顔認識システム「Fast Access」の60日間トライアル版があるが、これらはダウンロードで入手可能だ。

og_logi_005.jpgog_logi_006.jpgog_logi_007.jpg クリップで液晶ディスプレイの枠に固定したり、平面で自立できるため設置場所の自由度は高い。角度調整は縦方向にのみ90度程度まで可能だ(写真=左/中央)。付属の「Logicool ウェブカメラ ソフトウェア」のメニューから、各ソフトのダウンロードページに移動できる(画面=右)

さっそくフルHD録画を試してみる

og_logi_008.jpg 録画を行う「Logicool ウェブカメラ ソフトウェア」の画面

 それでは1080pのフルHD録画を試してみよう。撮影には付属ソフトの「Logicool ウェブカメラ ソフトウェア」のクイックキャプチャというメニューを使用する。録画に関する設定項目は少なく、非常にシンプルだ。なお、フルHD解像度はビデオチャットで使用できないため、静止画や動画の撮影専用となる。

 デジカメよりも小さいデバイスでフルHD録画ができるということで、ノートPCにつないで持ち歩きながら撮影をしてみたいところだが、それには少々問題がある。クリップのスイベルができないため、通常の固定方法だとカメラを手前方向にしか向けられないのだ。また、本体を逆向きに固定しようとするとクリップが液晶面に触れてしまう。自分撮りならば問題ないが、前に向けて撮りたい場合は固定方法に工夫がいる。いっそノートPCの天板に固定するのはあきらめて、USB延長ケーブルを使用してカメラだけを持つほうが現実的かもしれない。もちろん、カメラを移動させずに定点観測のような映像を撮るぶんには問題ない。

 撮影中はデジタルズームとパン/チルトのコントロールを行うことができるが、カクカクとした段階的な変化なので、動画撮影中に使用するのは実用性が低いという印象。基本は等倍で撮影し、ピンポイントでズームを使用するのがいいだろう。また、オートフォーカス機能については、カメラの移動が激しい場合に効きが甘いようで、デジカメの動画機能やHDビデオカメラに比べるとさすがに見劣りはする。とはいえ、フルHDで風景の細部まで記録できるのは、ハイエンドWebカメラだけのメリットだ。旅先でのリポートやイベントの様子を気軽に高画質で残したいときは、C910の録画機能を有効活用できるだろう。そのほか、講演の様子や楽器の演奏風景など、室内でカメラを置いて撮るのにも相性がよさそうだ。

 なお、検証に使用したCore i7-M620(2.67GHz)を搭載するPCでは、撮影中のCPU使用率は20%前後だった。試しにCPUにCore 2 Duo U2400(1.06GHz)を搭載するモバイルノートPCで動画撮影を行ったところ、CPU使用率が60〜100%で推移し、動作はかなり重くなってしまう印象。外でフルHDの撮影をする場合には、それなりにスペックの高いノートPCが必要になりそうだ。

 撮影が終わると自動的に圧縮が始まり、1分の動画ならば20秒程度で完了した。ファイルはWMV形式で、サイズは1分の動画で数MB〜10数MB程度になった。動きの少ない動画では細部もよく映っているが、高圧縮率なため動きの多い動画では画質の低下が見られ、せっかくの高解像度を生かしきれていない感がある。「Logicool ウェブカメラ ソフトウェア」では圧縮設定を変更できないのが残念だ。

og_logi_009.jpgog_logi_010.jpgog_logi_011.jpg 動画ファイルは撮影後自動的に圧縮される(写真=左)。動きの少ないシーンは、圧縮後も比較的きれいに映っている(写真=中央)。一方、画面全体に動きが多い場面では、ところどころにブロックノイズが発生した(写真=右)

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