──しかし、ブランドを多くのユーザーに知ってもらうには、ある程度の数のモデルをラインアップとしてそろえる必要があるのではないでしょうか
原田 確かに、ラインアップの数が少ないとブランドを多くのユーザーに広めるのは難しいと思います。それでも、エルザジャパンとしては動作の保証は優先したい。その条件の中で、AXERIZEブランドの特徴を訴求できるモデルをそろえていきたいと考えています。
神能 GeForce GTX 460だけをオーバークロックして“一発モデル”として出すならば、従来のGLADIACシリーズで出すことも可能です。でも、新しいブランドとしてAXERIZEを立ち上げたということは、そのブランドを育てていくとエルザジャパンが考えていることを示しているのです。
──AXERIZEブランドに対するショップやユーザーの反応はどうですか?
原田 ユーザーの反応もショップの反応も良好です。やはり2年の動作保証が評価されています。
──エルザジャパンが独自に検証を行って、動作を保証するオーバークロック設定を決定していますが、この作業は、どのぐらいの規模で行っていますか。
神能 エルザジャパンの動作検証チームはかなりの人員をそろえていますが、今回の動作検証作業は、1人で行ってます。オーバークロックが“とっても”好きなスタッフが担当しました。
──次期モデルは?
原田 いろいろなモデルで評価を進めていますが、2年保証などを考えると、次もGeForce GTX 470などのミドルハイエンドになりますね。
──オーバークロック耐性は、GPU以外にクーラーユニットも影響すると思いますが。
原田 そうですね。開発でもクーラーユニットが難しい。使うファンや素材次第なんですが。開発に時間がかかるところですね。
──「オーバークロック」以外の付加価値は訴求しますか?
原田 3D Visionやゲームタイトルと連動して付加価値を高めた製品のブランドとして訴求していく計画もあります。ゲームタイトルの連動も、単なる「推奨モデル」ではなく、もっと別な形態でユーザーに提案できるといいですね。
──AXERIZEブランドで、遊び心満載のマザーボードが復活するとか?
神能 いや、それは、ない。
──ほかのPCパーツベンダーが投入している「Hydra」チップを載せた異種混合GPU対応マザーボードなどは、AXERIZEブランドのモデルとしては面白いと思いますが。
神能 エルザジャパンでもLucidのHydra 100を実装したPCI Express x16バス対応の拡張ボード「ELSA VRIDGE X100 Quad 8」をワークステーションシステム向けに出荷しています。ただ、コンシューマーのマザーボードでHydraチップを実装したモデルを投入するのは、ちょっと無理ですね。
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