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「U2211H」実力診断――IPSパネル搭載で1万円台の21.5型フルHD液晶これが価格破壊か……(3/3 ページ)

» 2010年08月31日 12時30分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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目視で画質をチェックしてみると……

 測定結果を除く部分は目視で評価した。表示の均一性には多少の難があり、今回入手した機材では左側が明るく、右側が暗い印象を受けた。色もこの範囲で微妙に変化しているので、フォトレタッチなどで厳密に色を調整する作業には少し厳しい。

 また、液晶パネル表面の粒状感はそれなりに存在する。筆者はあまりザラつきが気にならないほうだが、U2211Hでは画面近くで視線を動かすと、粒状が目に付くことがあった。慣れれば軽減されるとは思うが、液晶の表面処理によって目が疲れやすいと感じるようなユーザーは、できれば実機を確認しておいたほうがよいだろう。

 視野角についてはさすがに文句がない。イスにもたれかかろうが、寝そべろうが視認性は大きく変わらない。この広視野角が特に生かされるのは、縦位置表示で据え置いた場合だろう。TNパネルの縦位置表示は視野角の狭さが際立ち、VAパネルでも画面端の変化に不満が残ることもあるが、IPSパネルを搭載したU2211Hは縦位置表示でも視野角起因のグラデーションは生じず、問題なく使用できた。

 前述の通り、応答速度は中間階調で8msと速くないが、IPSパネルは階調による応答速度の差が小さいこともあり、高速に移動する映像で偽色や不自然さが目立つことはなく、フルHD映像コンテンツなどはそれなりに視聴できる。ただ、応答速度が最優先されるゲーム用途などには向かないだろう。

標準モードでのカラー/モノクログラデーション表示。目視での階調性は悪くないが、画面左右の輝度ムラとそれに起因する色変化が少し気になった

安価なIPSパネル搭載のフルHDディスプレイとしておすすめ

 以上、U2211Hを一通りチェックした。今回試した機材では、表示ムラとsRGB色域からのズレが少し気になったものの、色再現性を追求する用途に使わないのであれば、その安さから幅広いユーザーにおすすめできる。

 ライトユーザーならば十分にメインディスプレイとして使えるだろうし、コアユーザーでも縦位置表示の有用性などからサブディスプレイとして活用できるだろう。低価格と広視野角を存分に生かし、2台同時に導入して、デュアルディスプレイ環境で使うという手もある。

 しかも、この価格帯ながら3年間のプレミアムパネル保証(保証期間中に1つでも輝点のドット抜けが見つかった場合はディスプレイを無償交換)まで付いてくるのだ。現行のデル製液晶ディスプレイのラインアップでは、U2711と並んで買い得度が高い旬なモデルといえる。

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