カスペルスキーとジャストシステムは9月7日、総合セキュリティソフト「Kaspersky Internet Security 2011」(以下、KIS 2011)とアンチウイルスソフト「Kaspersky Anti-Virus 2011」(以下、KAV 2011)を発表した。同日より試用版のダウンロードと無償バージョンアップ、および更新キーの販売が行われ、9月17日に全国家電量販店でパッケージ版が発売される。また、9月28日にはカスペルスキーの直販サイト「カスペルスキーストア」もオープンする予定だ。
KIS 2011は、カスペルスキーが日本法人を設立し、コンシューマー向けに製品を投入したバージョン5から数えて6代目にあたる。同社の製品は主にヨーロッパのコンシューマー市場で高いシェアを誇るが、現在は日本でも4〜5番手(販売金額シェア)と国内で存在感を増しているセキュリティベンダーの1つだ。
発表会に冒頭に登壇したカスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏は、「サイバー犯罪が非常に複雑化している背景の中で、我々は一貫してユーザーの保護を第一のミッションとして製品の開発を行ってきたが、今後もこれは変わらない。サイバー犯罪の被害にあうユーザーが最後の1人となるまでこの分野に製品を供給し続ける」と決意を新たにしたうえで、「ただ製品を作るだけではセキュリティを保つのは難しい。製品を利用してもらうのはもちろん、ネット犯罪が実際に存在し、他人事ではないということを(ユーザーに)理解してもらう必要がある」と指摘する。そこで同社は直販サイト「カスペルスキーストア」を新たに開設したほか、製品プロモーションのキャラクターにAKB48研究生を起用しているが、これらはより幅広いユーザーの認知を獲得するのが狙いだ。「ユーザーに伝える窓口をこれまで以上に広げていきたい」(川合氏)。
一方、最新バージョンの機能説明は、カスペルスキーマーケティング本部の長門慶悟氏が担当した。強化された主な保護機能は大きく分けて「クラウド」と「仮想化」の2点。まず、クラウド技術をベースにした保護では、これまでKSN(Kaspersky Security Network)で収集したデータベースとの照合がファイルのダウンロードとアプリケーションの実行時に行われていたのに対し、最新版はURLでもレピュテーションを行うようになった。これにより、接続先のWebサイトを信頼済み/未知/危険の3段階で評価し、Web閲覧時の安全性を確保している。
もう1つの仮想化技術をベースにした保護機能は、ホストOSとは独立したメモリ空間上(サンドボックス)でプログラムを実行する、「夢の中で浮気をしても奥さんに怒られない技術」(長門氏)。これまでアプリケーションの仮想化とWebブラウザの仮想化に対応していたが、新たにデスクトップ全体の仮想化をサポートした。さらに、オンラインバンキングのURL(主要100行に対応)に接続する際は自動的に仮想実行モードに切り替え、個人情報を保護する機能も備えている。
また、マルウェアの発信源(中国、ブラジル、ロシア、東欧など)をトップレベルドメインでフィルタし、危険なWebサイトへのアクセスを避ける「ジオフィルター」や、システムの変更を監視して悪意のあるプログラムが改ざんを行った際にロールバックする「システムウォッチャー」、Webやアプリケーションの利用を監視、制限する保護者向け機能が加わっている。このほか、メイン画面UIをより使いやすく整理し、よく使う機能を即座に呼び出せるデスクトップガジェットも用意した。さらに、システムのブート時間やメモリ占有率、ファイルコピー速度など、全体で約50%以上のリソース消費を削減したという。
前述の通り、同社はKIS 2011の販促にAKB48の研究生たちを起用し、それぞれが「AKB48カスペルスキー研究所」の研究員として、サイバー犯罪の脅威やその対策を広い層に向けて啓蒙していく。また、「カスペルスキーストア」がオープンする9月28日は、研究所の所長に就任するAKB48選抜メンバーが明らかになるほか、研究生たちによる「ウイルス・セキュリティ講座」やテレビCFの放送が開始される。
というわけで、AKB48カスペルスキー研究所の研究員を紹介。
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