デルの旗艦デスクトップはどこまで速いか?――「Studio XPS 9100」を試すCore i7-980X EE/HD 5970/24Gバイトメモリ(2/3 ページ)

» 2010年09月14日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

USB 3.0カードをオプションで追加可能

 サウンド機能はマザーボードにオンボード搭載されている8チャンネル出力対応のHDオーディオ機能(オーディオコーデックはRealtek Semiconductor ALC892)のほか、サウンドカードのCreative PCI Express Sound Blaster X-Fi Titaniumを追加することも可能だ。通信機能は1000BASE-T対応の有線LAN(PHYはRealtek Semiconductor RTL8111DL)を標準装備している。

評価機が搭載していたUSB 3.0 PCI Expressカード(左)とサウンドカードのCreative PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium(右)

 また、オプションでUSB 3.0 PCI Expressカードを追加できる点も目新しい。USB 3.0では、従来のUSB 2.0における高速転送モードであるハイスピードモード(480Mbps)の10倍以上の転送速度を持つスーパースピードモードを規定しており、スーパースピード対応のケーブル/デバイスと組み合わせて利用することで、最大5Gbpsでのデータ転送が行える。大容量データのコピーが高速に行えることに加えて、USB 2.0との下位互換性も備えていることから、使い勝手がよい点がメリットだ。すでにUSB 3.0(スーパースピード)に対応した外付けHDDや外付けHDDケースなども豊富に流通している。

 評価機に搭載されていたのは、USB 3.0コントローラにルネサスエレクトロニクス(旧NECエレクトロニクス)のD720200F1を搭載したPCI Express x1対応カードで、マザーボードのPCI Express x8スロットに装着されていた。背面ブラケット部分に1基、そしてフロントパネル用に1基のUSB 3.0(スーパースピード)ポートを備えており、フロントの3.5インチベイからアクセスできる。USB 3.0は今後広く普及していくことが予想され、追加価格も2625円とリーズナブルなので、追加することをおすすめしたい。

 プリインストールOSは、64ビット版のWindows 7で、エディションはHome Premium、Professional、Ultimateの3種類から選べる。アプリケーションはOffice 2010や、セキュリティソフトのマカフィー セキュリティセンター、マルチメディアソフトのCyberLink MediaShow Espressoなどが選べる。

評価機のデバイスマネージャ画面。7200rpmの3.5インチSerial ATA HDDはシーゲイトのBarracuda 7200.12(ST31000528AS)を2台搭載していた。BD-REドライブはHL-DT-ST BH30Nだった

拡張性の高いミドルタワー型ボディ

 ケースは下位モデルのStudio XPS 8100よりひとまわり大きなミドルタワー型だ。サイズは198(幅)×528(奥行き)×493(高さ)ミリ、重量は約20キロ(システム構成により異なる)で、最近のタワー型PCとしてはかなり大きい。ボディのフォルムには大胆な傾斜が付けられ、ホワイトベースのカバーを鮮やかなレッドで縁取り、光沢ブラックのフロントマスクを組み合わせたスポーティなカラーリングが印象深い。

 天面の前部にはトレイとして使えるくぼみが用意されており、その奥に3基のUSB 2.0ポートとサウンド端子が用意されている。また、フロントパネルの上部にはSDHCメモリーカードやコンパクトフラッシュなど、19種類のメディアに対応するカードリーダーを標準で内蔵している。電源ボタンも天面の手前側右端にあり、机の下に置いて利用することを想定してデザインされている。実際、机の上に置くとかなりの圧迫感があるので、やはり机の下に設置したほうがよいと思われる。

 シャシーの構造はシンプルで特に派手なギミックは搭載されておらず、大型グラフィックスカードをスタビライザーでしっかりと支える構造となっている。フロントマスクやスタビライザーは工具なしで外せ、スタビライザーを外せばマザーボード上のCPUやメモリには容易にアクセスできる。もっとも、特にツールフリーにこだわっているわけではなく、グラフィックスカードやドライブなどはネジでしっかりと固定されている。

 ベイの構造は5インチベイとシャドウベイを2基ずつ、3.5インチオープンベイを2基ずつ備える。オプションでUSB 3.0 PCI Expressカードを追加すると、3.5インチベイにUSB 3.0ポートを引き出すパネルも装着される。

 ハイエンドのシステム構成を可能としているだけに冷却は入念だ。ケースファンは背面に排気用の9センチ角ファンがあり、前面にも吸気用の12センチ角ファンが用意されている。吸気口は前面の下部にあるほか、サイドカバーにはCPU用とグラフィックスカード用と2カ所が用意され、サイドカバーからCPUクーラーにスムーズに空気を取り込むためのダクトも装着されている。

前面のベイにはカバーが設けられている。USB 3.0 PCI Expressカードを追加すると、3.5インチオープンベイにUSB 3.0ポートが付く
背面には、4基のUSB 2.0ポート、eSATAポート、有線LAN、IEEE1394a(6ピン)、光デジタル音声入力(角型)などの端子を用意
側面には、グラフィックスカードとCPUの位置に吸気口が用意されている。大胆な傾斜を付けたフォルムが個性的だ

前面の上部には、USB 2.0のほか、SDHCメモリーカードをはじめ19種類のメディアに対応するカードリーダーを備える
天面には電源ボタンのほか、くぼみがあり、その奥に3基のUSB 2.0ポートとサウンド端子が用意されている
サイドパネルを開けた状態。マザーボードが露出しており、メモリの増設などは容易だ。ベイの構造に特に工夫はない

 電源ユニットの出力は525ワットだ。+12V系出力は3系統で、それぞれ18A、18A(+12V系合計の同時出力500ワット)となっている。総合出力の割には+12V系の出力に余裕がある設計で、よほど極端な構成にしなければこれで十分だと思われる。

 しかし、さすがにCore i7-980X Extreme Edition、ATI Radeon HD 5970にHDDを2台搭載するといった構成ではどうだろうか。実際に評価機がそのような構成であり、平常時には普通に動作していたものの、この構成で大きな負荷をかけるのは電源ユニットへの負担が大きすぎるだろう。長時間負荷をかけるような用途での長期運用には少々不安が残る。できれば電源ユニットも選択できるようにしてもらいたいところだ。

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