キーボードはキートップの間隔が離れたアイソレーションタイプを採用している。キーボードユニットとキーボードベゼルを一体化しており、見た目の印象がよいうえ、堅牢性も高く仕上がっている。
キーボードユニット自体は1018Pと同じものを用いている。ボディの横幅いっぱいを使った6段配列のキーボードは標準的なキー配置で特にクセがない。キーピッチは主要キーで約17.5×16.5ミリ、半角/全角キーで約13×16.5ミリ、F1〜F12キーで約15×13ミリという仕様だ(いずれも実測値)。
キータッチについては、中央部を強く押し込めば沈まないこともないが、通常の利用法ではたわみなど皆無で、キーストロークが浅いものの、キーのスイッチの感触も良好だ。10.1型クラスの液晶ディスプレイを備えたミニノートPCとしては、かなり打ちやすいキーボードといえる。
キーボードの手前にはタッチパッドを装備している。左右のクリックボタンとパッド領域が一体化したタイプで、ボタンの目安となる位置にラインが引かれている。ボタンのスイッチはストロークが若干浅めだが、感触自体は悪くない。パッド領域は80.5×38.5ミリと横に長く確保されており、指の滑りもよい。
タッチパッドにはElan製のドライバを導入しており、2本指での縦横スクロールや3本指タップによる右クリックメニュー表示などの拡張機能が利用できる。1018Pが導入しているシナプティクス製ドライバに比べて機能は少ないが、使い勝手はよい。2本指を使った縦横スクロールの操作性などはこちらのほうが反応がよく、より快適に感じた。
なお、タッチパッドを操作する指先や手のひらの違いを感知し、誤って指先以外がタッチパッドに触れてしまってもカーソルの位置が変わらないで済む「パームプルーフ・テクノロジー」も搭載している。
キーボードの左奥には2つのワンタッチボタンが並ぶ。ボタンの配置は1018Pと同じだが、1016Pでは2つのボタンが一体成形で、スイッチの感触が少し安っぽく感じる。
右側はワイヤレス通信機能(無線LAN/Bluetooth)を切り替えるボタンで、無線LANとBluetoothのオン/オフが別々に行える。
左側のボタンはビジネス利用を想定した「プレゼンテーションモード」ボタンだ。外部ディスプレイやプロジェクターと接続した状態で、このボタンを押すと、自動的に内蔵の液晶ディスプレイ+外部ディスプレイの同時表示モードに切り替わる。また、プレゼンテーションソフト(PowerPointのほか、KINGSOFT Presentationに対応)でデータを開いていれば、このボタンを押すことで、自動的にスライドショー画面を表示する。
ここからはベンチマークテストで実際のパフォーマンスについて検証していく。ASUS独自の電力管理機能であるSHEはACアダプタ駆動時の性能には特に影響がないと思われるが、一応オフにして測定している。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に掲載した通りだ。Atom N475搭載の1018Pと比べると、プロセッサで0.1、メモリで0.3低いサブスコアとなっている。1018Pではメモリを2Gバイト搭載することもスコアの差に影響しているのだろう。
定番のテストプログラムに関しては、同条件で測定した1018P(Atom N475、PC3-5300 2Gバイト)の結果だけでなく、Eee PC T101MT(Atom N450、PC2-5300 2Gバイト)の結果も一緒に掲載した。
PCMark05の結果は、Atom N450を搭載するT101MTとCPUスコアでまったく同じ、Memoryスコアもほぼ同じといってよいだろう。CPUの動作クロックが高いAtom N475はどちらもワンランク上のスコアをマークしている。総合スコア(PCMark)やGraphicsで1016Pのスコアが悪いのは、メモリが1Gバイトと少ないためだと思われる。1016PはHDDスコアも低いが、これは評価機に搭載されていたHDD(WD2500BEVT)が単純に遅いということだろう。1016PとT101MTは3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3でもほとんど同じスコアで、1018Pのみ一歩抜け出たスコアとなっている。
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