タッチデバイス時代の“スペースキー”を目指した「ATOK Pad for iPhone」林信行が開発者に聞く(2/3 ページ)

» 2010年09月22日 16時00分 公開
[林信行,ITmedia]

パフォーマンスや細部に見せるこだわりと技術力

――ところで、今、こちらのiPhone 3GSで試させてもらっていますが、iPhone 3GSでも、かなり速く文字入力ができますね。

今回の製品で中心的役割を担った開発部の方々

齋藤 ええ。iPhoen 4とiPhone 3GSでは、体感的にほぼ同じ速度を実現しています。ただ、iPhone 3Gに関しては、やはり、そもそもハードウェア的に遅い部分があるので、それほど快適というわけにはいきませんでした。

 それでもiPhone標準の文字入力と比べて遅くなるということはないと思います。この部分は、この分野のスペシャリストである開発の本田ががんばってくれたところです。

本田 私はこの仕事につく前はパフォーマンスチューニングが専門でした。

――このノートの部分、今、触っていて気がついたのですが、iPad用のiBooksのように2本指をドラッグして範囲指定ができるんですね。

齋藤 それ以外にもピンチインの操作でフルスクリーン表示にするなど、いくつか隠し機能を用意しています。

UIを比べてみると細部まで作り込まれているのが分かる

――カーソルの色が標準のものと違うようですが、この辺りも独自に作り込まれたのでしょうか。

齋藤 そうです。これは本田と仁科が担当しましたが、文字の挿入ポインタはもちろん、虫眼鏡にいたるまで、すべて独自に作り込んでいます。というのも、この辺りの機能でアップルが標準で用意しているものを使おうとすると、それに紐づく形で、iOS標準の日本語入力機能が呼び出されてしまうので、使うわけにいかなかったのです。

――辞書機能などは、PCとどのように連携するのでしょう?

佐藤 iTunesを使って辞書ファイルの転送ができます。

――同じ方法で、PC側であらかじめ用意しておいた定型文をiPhoneに転送することもできるのでしょうか?

佐藤 定型文に関しては、今のところ転送できません。おそらくEvernoteを使うのがベストな方法でしょう。ただし、我々は2011年度中にATOK Pad for iPhoneとATOK Pad for WindowsやATOK Pad for Mac、ATOK Pad for Androidの辞書やメモを、インターネット経由で同期する計画でいます。

 これが実現したら、ATOK Padにメモとして定型文を書き込んでもらえば、簡単に転送ができるはずです。

――同期にはやはりジャストシステムのInternetDiskサービスを使うのでしょうか?

佐藤 その部分も含めて、まだ検討中です。

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