なぜ画面に直接触って操作できるのか?――「タッチパネル」の基礎知識ITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第8回(3/3 ページ)

» 2010年09月27日 10時00分 公開
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どのような検出方法の製品がどのような用途に適しているのか?

 前ページまではタッチパネルの検出方式と動作原理、主な採用例を紹介してきたが、もちろん検出方式の違いだけで、向き不向きの用途が決まるわけではない。特に単体のタッチパネル付き液晶ディスプレイ製品では、タッチパネルの部材や品質に加えて、液晶ディスプレイ自体の表示性能や機能も重要になってくるのだ。

 ここではナナオの汎用タッチパネル液晶ディスプレイ「FlexScan Touch Panel」シリーズを例に挙げて、どのような製品がどのような用途に適しているのかを考察しよう。2010年9月現在、FlexScan Touch Panelシリーズは、抵抗膜、静電容量、超音波表面弾性波、赤外線光学イメージングのいずれかの検出方式を採用するため、今回はこれらの方式にフォーカスする。

「FlexScan T1502-B/T1501-B」

 まずは抵抗膜方式だが、指でも手袋をしたままでも、タッチパネル専用のペン以外でも手軽にタッチ操作ができ、コストパフォーマンスが高いことから、さまざまな用途に導入しやすい。ナナオはこの特徴を生かすべく、15型スクエア(1024×768ドット)のTN液晶パネルを備えた「FlexScan T1502-B」と「FlexScan T1501-B」をラインアップしており、安価にタッチ操作可能なディスプレイを求める幅広い層に訴求している。ただし、透過率や画面の傷つきやすさでは他方式より不利なため、画質が求められる展示や利用者が多い公共スペースでの設置には向かないだろう。

 次に静電容量方式だが、ホコリや水滴に強く、耐久性も透過率も高いので、グラフィカルなコンテンツを表示するのに向いている。ナナオは静電容量方式のモデルとして、17型スクエア(1280×1024ドット)の「FlexScan L561T-CB」と「FlexScan L560T-CB」、19型スクエア(1280×1024ドット)の「FlexScan L761T-C」と「FlexScan L760T-C」を用意しているが、これらはすべて広視野角と高コントラストが両立できるVA方式の液晶パネルを搭載する。

 したがって、写真や動画を表示しつつ、タッチ操作もさせたいような公共スペースでの展示に最適だ。美術館やギャラリーなどでも活躍するだろう。また、専用ペンを使えば手袋を装着していても入力可能なので、場合によっては作業現場での高画質・高耐久タッチパネル付き液晶ディスプレイとしても重宝すると思われる。

「FlexScan L561T-CB/L560T-CB」
「FlexScan L761T-C/L760T-C」

「FlexScan T1721」

 超音波表面弾性波方式は、指でも手袋をしたままでもタッチでき、透過率も耐久性も優秀なので、汎用性が高い。ナナオは超音波表面弾性波方式のモデルとして、17型スクエア(1280×1024ドット)の「FlexScan T1721」を販売中だ。

 液晶パネルはTN方式なので、画質を求めるならば、VA方式のほかのモデルがベターだが、比較的安価なことに加えて、タッチポイントのずれが発生せず、画面に傷が付きにくいローメンテナンス仕様なので、公共スペースから工場や作業現場など、さまざまなシーンで活用できるに違いない。画面が円弧を描くように可動し、画面を自然に見下ろす姿勢でタッチできるスタンドの採用も魅力だ。ただし、水滴が付着すると誤検出が発生するため、屋外での設置には注意が必要となる。

「FlexScan T2351W-L」

 赤外線光学イメージング方式は、超音波表面弾性波方式に近い特性を備えており、画面の大型化やマルチタッチも実現しやすいため、今後は採用例が増えていくだろう。外光や水滴の影響で誤動作する可能性があるため、屋外での設置には向かないが、それ以外の要素に不安はない。

 ナナオは赤外線光学イメージング方式のモデルとして、高透過率を生かしたVAパネル搭載の機種「FlexScan T2351W-L」も用意している。マルチタッチ操作も快適に行えるチルト範囲の広いスタンドを採用し、各種用途に最適な表示設定に切り替えができる機能を備えるなど、ホビーからビジネス、文教、医療まで幅広いニーズに応えられる新タイプのタッチパネル付き液晶ディスプレイといえる。

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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月31日