価格を抑えるために、いろいろと“スペックダウン”となったLet'snote J9だが、その一方で仕様を向上させた部分もある。一番大きな変更は液晶ディスプレイだ。Let'snote Rシリーズは、最後までアスペクト比4:3、解像度が1024×768ドットの10.4型液晶ディスプレイを搭載していたが、Let'snote J9は、アスペクト比16:9の10.1型ワイドディスプレイを採用しただけでなく、解像度も1366×768ドットとLet'snote R9から大幅に強化された。コンパクトモバイルのLet'snoteながら、ほかのLet'snote 「S」「N」シリーズと比べても高い解像度を利用できるようになったことになる。
また、Let'snote R9からボディの奥行きが短くなったため(本体サイズはLet'snote R9が229(幅)×187(奥行き)×29.4〜42.5(厚さ)ミリ。Let'snote J9は本体のみで251.9(幅)×171.7(奥行き)×27.3〜35.1(厚さ)ミリ)、キーボードのピッチが上下方向に短くなったほか、ホイールパッドのレイアウトも変更されている。狭くなったキーピッチでも打ち間違いを防ぐため、キートップに段を設けて実質的な間隔を広げているほか、キートップの左上と右下の角を丸める「リーフカット」を導入している。パナソニックの開発スタッフはこの形状について「左上と右下の方向に多い指の動きを考慮して、キーピッチを確保するためにこの形状にした」と説明している。
実際に入力した感触としては、やや窮屈に感じるものの、10.1型ワイドディスプレイを搭載したNetbookなどと比べて打ちやすい。特筆したいのは、浅いストロークにもかかわらず、キーを打った力を支えてくれるキーボードの“作り”だ。モバイル利用を重視した小型のノートPCでは、打った指の力にキーボードが負けてしなってしまうケースが少なくない。しかし、Let'snote J9では打ち込んだ指をぐっと支えてくれるおかげで、狭いキーピッチにもかかわらず、長文でも打ちやすい環境を提供している。
Let'snote J9では、インタフェースの配置も改善された。Let'snote R9では右側面だけに配置された2基のUSB 2.0に多くのユーザーが不満を感じていたが、Let'snote J9では、USB 2.0が3基に増え、その中の1基を左側面に、ほかの2基を右側面と分散している。ほかのインタフェースとしては、SDメモリーカードスロット(SDHCとSDXCに対応)を備えるほか、画像出力でLet'snote R9のアナログRGB出力に加えてHMDIが追加された。
店頭向けモデルでは、ネットワークインタフェースとして1000BASE-T対応の有線LANと、IEEE 802.11 a/b/g/n対応無線LAN、モバイルWiMAXを標準構成で利用できる。さらに、マイレッツ倶楽部モデルでは、Bluetooth Ver.2.1+EDR(Class 2)とワイヤレスWANが利用できる「無線接続全対応」構成が用意される(ワイヤレスWANモジュールの代わりにExpressCardスロットを搭載する構成も選べる)。
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