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» 2010年10月15日 22時29分 UPDATE

3Dで遊ぼう:「クリエイターの創作意欲を上げたい」――「Shade 12」発表会

3DCGソフトの最新版「Shade 12」が発表された。立体視映像の制作が容易になったほか、編集画面で仕上がりを確認できるプレビューレンダリングやUIの刷新が目を引く。

[ITmedia]
og_shade12_001.jpg 前からBasic、Stadard、Professional

 イーフロンティアは10月14日、3DCGソフトの最新版「Shade 12」を発表した。従来同様、Basic/Standard/Professionalのグレードが用意され、標準パッケージの価格はそれぞれ1万2800円/4万2000円/8万4000円。12月3日に発売する。また、10月15日以降にShade 11を購入したユーザーは、最新版への無償アップグレード対象になる。

※記事初出時、無償アップグレードの対象になるShade 11の購入日を11月15日と誤って記載しておりました。正しくは10月15日です。おわびして訂正いたします。

 Shadeシリーズは、26年の歴史を持つ国産3DCG作成ソフトの代表的存在だ。これまで16回のメジャーバージョンアップを重ね、累計出荷本数は55万本に上る。同日行われた発表会では、イーフロンティアCOOの奥田哲夫氏が登壇し、「2010年は非常に重要な年だと考えている。DIGITAL CONTENT EXPO(東京・日本科学未来館、東京国際交流館。10月14日〜17日まで開催)と共催する形で3DCG CAMP 2010を実施することができた。私たちがソフトを開発して日々感じているのは、製品をユーザーに届けるということ以上に、クリエイターの創作モチベーションを上げる環境作りの大切さ。ユーザーの裾野を広げていくことが何よりも重要だ」と述べ、作品を発表する場として3DCG CAMPや3DCG AWARD(3DCGの総合コンテスト)を継続して実施していく方針を明かした。

og_shade12_002.jpgog_shade12_002-2.jpgog_shade12_004.jpg イーフロンティアCOO、奥田哲夫氏(写真=左)。製品ラインアップと価格(写真=中央)。発表会のオープニングでは、巡音ルカを使ったオリジナル楽曲「Corruption Garden」(Caz氏)のPVとして、3DCGクリエイターのIKEDA氏が制作した映像作品が流された。先生何やってんすか(写真=右)

og_shade12_003.jpg イーフロンティアグラフィックグループディレクターの藤井大洋氏

 一方、Shade 12の詳細解説は、同社グラフィックグループディレクターの藤井大洋氏が担当。特徴として、Basicを含むすべてのグレードで立体視映像作成機能を備えた点や、ほかの3DCGソフトとの連携機能の強化、ユーザーインタフェースの変更などを挙げ、最新版の主要なポイントを紹介した。

 まず最初に取り上げられたのが、3D立体視映像の作成機能の強化だ。映画のアバターに代表される、3Dコンテンツの視聴環境が整いつつあることを受け、プレビュー画面での立体視による確認や、視聴方式に応じた適切な形式でのレンダリングなど、立体視映像を作成する際の、制作から出力までのワークフローを整えた。例えば、作業中にコントロールバーの立体視ボタンを押すだけで、メイン画面がアナグリフ方式の立体視に対応する表示に切り替わる。また、NVIDIAの3D Visionにも対応しており、こちらの環境があればフルカラーで立体視映像を見ながら編集作業が可能だという。さらに藤井氏は、立体視の映像作成で特に重要なのがスクリーンサイズ(無限遠の対象を見るときは視線が平行になるように、モニターの大きさで視差の設定範囲が異なる)であるとし、画面サイズに応じて奥行きの設定ができる点や、各種再生機器に応じて最適な3D映像を出力できる点などを紹介した。「Shade 12で編集から設定、レンダリングまで、一番安いBasicでも本格的な3DCG映像を作成できるようになる。今後デジタルサイネージなどで3Dコンテンツの需要が高まれば、グラフィックデザイナーの活躍の場も広がると思う」(藤井氏)。

og_shade12_005.jpgog_shade12_006.jpgog_shade12_007.jpg 最新版では3D立体視映像の作成機能が強化された。画面サイズに応じた奥行き感の調整も行える

 ユーザーからニーズの高いプレビューレンダリングも搭載した。これまで3DCGの制作は、負荷の低いワイヤーフレームなどの簡易的な形状を用いて、仕上がりを想像しながら編集し、最終段階でレンダリングを繰り返して調整するのが一般的だったが、Shade 12では編集画面でリアルタイムにレンダリングを行い、仕上がりに近い映像を編集段階で確認しながら作業できるようなった。背景を設定すればそれに応じてライティングも直接プレビューに反映されるため、レンダリングを繰り返す手間がなく、制作工程の負荷を軽減できる。ちなみに実際のデモで使われたPCは、やや低いスペックのマシン(2GHzのCPU)だったが問題なく動作していた。もちろん、メニーコアにも対応する。

og_shade12_008.jpgog_shade12_009.jpgog_shade12_010.jpg プレビュー画面で最終の仕上がりを確認できるプレビューレンダリングも特徴の1つ。作業効率が大幅にアップする

 ユーザーインタフェースも刷新されている。従来のShadeは“ドローソフトのように扱える3DCGソフト”を意識したUIだったが、今回から立体視映像作成やプレビューレンダリング、ほかの3DCGソフトとの連携などを考慮して、使用するツールやパーツとそれらの設定メニューが連動する単一ウィンドウのシンプルなUIに変更された。もっとも、従来バージョンのようにパネルを分離して、自由にレイアウトをカスタマイズすることもできる。このほか、ユーザーから特に要望の多かった機能として、オブジェクトの表面材質を表現するサブサーフェススキャタリングや、画像マップを使って粗く作成したオブジェクトを複雑な起伏の形状に変換するディスプレイスメントマップなども強化された。

 Shade 12以外にも、イーフロンティアが販売するクリエイティブツールとして、楽譜作成ソフト「Finale2011」や自動作曲ソフト「Band-in-a-Box」が紹介されたほか、Luxologyの「Modo 501」やe-onの「Vue 9」がリリース間近であることもアナウンスされた。また、イーフロンティアとともに3DCG CAMPを主催するディストームからは、同社が国内販売代理店を務めるNewTekの「LightWave 10」が紹介されている。

og_shade12_014.jpgog_shade12_015.jpgog_shade12_016.jpg 楽譜作成ソフト「Finale2011」。楽譜作成だけでなくオーディオファイルとしての出力も可能(写真=左)。Luxologyの最新3DCG作成ツール「Modo 501」。マテリアルのプリセットを使用してサーフェスを設定するデモが行われた。ドラッグ&ドロップするだけで適用できるだけでなく、後から自由に編集・調整したり、2つのマテリアルを重ねて利用できる(写真=中央)。同日発表された「LightWave 10」もShade 12と同様にプレビューレンダリング機能(ビューポートプレビューレンダリング)を搭載した(写真=右)

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