AMDは、10月19日に台湾の台北市において、「AMD Technical Forum & Exhibition 2010」(AMD TFE 2010)を行った。このイベントは、AMDの幹部役員が一堂に会して、自分たちが開発を進めている製品について関係者にアピールするのが目的で、日本AMDの広報担当が「これだけの幹部が集まるのは、なかなかないことなのであります」というように、AMDの製品動向を得るには貴重な機会といわれている。
加えて、今回のAMD TFE 2010は、“Northern Islands”という開発コード名で呼ばれる次期主力GPUと、CPUとGPUの機能を融合させたAPUとしてAMDが開発を進めているFusionの“Llano”、そして、省電力モデルとなる“Zacate”が、その姿を披露して実際に動作させたデモが公開されるなど、自作PCユーザーにとって注目すべき話題も数多く用意された。
AMD上級副社長 兼 Guraphices Division General Managerのマット・スカイナー氏は、AMDのグラフィックスビジネスの現状を紹介した。ワールドワイドにおいて、AMDのGPUはEMEA(欧州とアフリカ)と中国において出荷数の6割を占め、日本を含むAPACは13%になる。また、システム別では、デスクトップPC向けが33%、ノートPC向けが38%とほぼ同数、加えてコンソールゲーム機向けが27%になる。また、外付けGPU市場のマーケットシェアに関しては、2009年後半から2010の第1四半期にかけて下がっていたものの、そこから回復して2010年第2四半期では50%を超えたとした。
スカイナー氏は、グラフィックスチップ市場で、CPU統合型グラフィックスコアにおける競合と、外付けGPUにおける競合がそれぞれ別の企業が相手であるが、AMDは1社でそれぞれの市場に製品を供給できる唯一のベンダーであると強調、さらに、これからAMDが投入する統合型グラフィックスコアの性能が競合の“次世代製品”以上に向上することで、性能における優位性はいっそうはっきりすると訴えた。
続いてスカイナー氏は、AMDのGPUが先行するDirectX 11対応グラフィックスカードのシェアでは9割を超えることや、マルチディスプレイ環境を実現する「AMD Eyefinity Technology」、シングルグラフィックスカード環境で1TFLOPSを超える性能など、Radeon HD 5000シリーズの“業績”を示した上で、Radeon HD 5000シリーズの後を継いで登場する「Northern Islands」のリファレンスデザインカードを右手に高く掲げた。
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