今回、評価のために試用したのは、Core i5-650を搭載し、2台のHDD(各250Gバイト)がRAID 1構成(ミラーリング)に設定されたモデル(098118J)だ。OSは64ビット版のWindows Server 2008 R2 Foundationがプリインストールされており、評価作業を行った10月初旬のダイレクト価格(同社Webサイト)は、11万3400円となっている。
ボディはいわゆるミニタワーケースで、フロントパネルにはIBM、およびレノボのデスクトップPCやワークステーション、サーバで使われている六角形の通気用穴が開けられている。この形状は、開口面積あたりの通風量が最も多いということで採用されたもので、フロントパネルだけでなく、シャシーの通風口も六角形になっている。
ドライブベイは5インチベイが2基と3.5インチベイが2基。評価機の構成では、5インチベイの1基がDVD-ROMドライブで占有している。3.5インチベイは、放熱を重視してボディ上部と底面近くに分離して設置され、試用機ではそれぞれにウェスタンデジタルのRE3シリーズ250GバイトHDD(WD3502ABYS)が内蔵されていた。このHDDは、Serial ATA接続ではあるものの、サーバやRAID環境での利用を前提に設計されている。HDDは、金属製のケージに柔軟性がある樹脂製のブラケットで取り付けるようになっており、振動などの影響を軽減すると同時に、交換時に工具を不要としている。
この3.5インチドライブベイの間にフロントパネルケースファンがあり、電源ユニット下部にバックパネル側のクーラーファンが設置される。試用機構成では、CPUのクーラーユニットと電源ユニットのファンと合わせて、4基のファンが存在するが、いずれも静音性に優れており、冷却を重視したメッシュに近いボティパネル(それゆえ、遮音性能は高くない)であるにもかかわらず、ファンの音はほとんど気にならない(カタログ値24デシベル)。280ワットの電源ユニットは、ストレートファン(背面ファン)を採用した通常のATX仕様だ。
マザーボードは、一般的なmicro ATXフォームファクタで、4基のメモリスロットを備える。評価機にはECC付きのDDR3 DIMM(PC3-10600、unbuffered)が採用されており、2Gバイトのモジュールが1枚搭載されていた。サーバの場合、サウンド機能を持たないことが少なくないが、本機ではHDオーディオのCODECチップとしてRealtekの「ALC662」を実装して、バックパネルにも必要最低限の端子(マイク入力、ライン入力、ライン出力)が用意される。
サーバということで、状態監視機器を接続するシリアルを備えるほか、ギガビットイーサネット対応NICのPHYチップとして、Intel AMTに対応した「Intel 8758DM」を採用する。変わったところでは、ディスプレイ出力がアナログ(D-sub 15ピン)と、DisplayPortの組み合わせになっている。
なお、拡張スロットは、PCI Express x16とPCI Express x1が各1基ずつ、PCIが2基の計4基。RAID 0とRAID 1をサポートしたSerial ATAインタフェースは、チップセット内蔵のコントローラが管轄し、ファームウェア(UEFIベース)によりRAID機能が実現する。全部で4ポートあるが、評価機では2台のHDDとDVD-ROMドライブで3ポートをすでに使っており、残る1ポートはeSATAコネクタとなっている。
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