先週、PCパーツの新製品で最も注目を集めていたのは、MSIのGeForce GTX 480カード「N480GTX Lightning」だ。価格は6万5000円前後で、入荷数が少ないこともあり、週末までに売り切るショップも多かった。
N480GTX Lightningは、GeForce GTX 480をオーバークロックしたモデルで、8ピン2基と6ピン1基の補助電源コネクタを備えている。安定動作のために16フェーズの電源回路を採用し、8センチファン2基で効率的に排熱する独自クーラー「Twin Frozr III」を搭載したのも特徴だ。カード厚はブラケット2段分で、動作ロックはコアが定格から50MHzアップの750MHz、メモリは約1200MHzアップの4000MHz。ピーク時の省電力は定格の250ワットから269ワットに上がっている。
入荷したパソコンショップ・アークは「電力の問題はありますが、性能を引き上げただけでなく安定性もケアしているので、モノとしては優れています。現行でハイエンドなカードを求める人には無視できないモデルだと思いますよ」と語る。
一方、先週各社から登場したRadeon HD 6870搭載カードにも、さっそくオーバークロックモデルが加わった。ASUSTeKの「EAH6870/2DI2S/1GD5」は、コアクロックのみ定格の900MHzから915MHzに引き上げられており、アルミ製のクーラーカバーを採用しているのが特徴。価格は2万7000円前後から3万円弱だ。
クレバリー1号店は「ASUSTeK製を待っていたユーザーは結構いるので、順調に売れると思います。他社より高価な印象があるASUSTeKですが、それでも3万円以下ですし。やはりRadeon HD 6000ファミリーは安いです」と話しており、ほかのHD 6870カードも順調に売れている様子だった。
ただ、ハイエンドグラフィックスカードの買い控えは、まだ完全には解消されていないというのが大筋の見方だ。TSUKUMO eX.は「やはりRadeon HD 6900シリーズが登場するのを待っているユーザーは多い。最終的にGeForceを選ぶにしても、とりあえずレビュー記事などで性能をチェックしておきたいと考えるのは人情ですし、どちらのブランドも最強構成を狙うような人は様子見を続けている印象があります」と語っていた。
某ショップはさらに切り込む。「NVIDIAのほうもGeForce GTX 580の情報をちらっと出したりしているので、両者とも次世代のハイエンドでガチッと勝負する気じゃないですかね。問題はいつ出てくるかです。どちらも年末に間に合えば相当面白くなりそうですけど、こればっかりはあまり期待せずに待ちたいと思います」とのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.