―― 自宅のPCを遠隔操作できる「Lui」に対応しているのも特徴の1つですね。
藤野氏 これまで、LuiはPCと専用サーバ(ソフト)をセットで提供していましたが、N-08Bでは(対応する)PCにソフトウェア(Luiケータイサーバ)をダウンロードしてインストールすれば利用できます。
藤野氏 ケータイ画面の左端に、PCとケータイの接続の強さを示すアイコンが表示されます。回線レベルは4段階ありますが、3G網ではレベル1〜2、無線LANではレベル1〜4を選べます。
―― 回線レベルによって使い勝手はどのように変わるのでしょうか。
藤野氏 レベル1ではPCの音声をケータイで出力できないので、テキスト編集などに向いています。3G網でも、基地局に近い場所ではレベル3が有効になります。
―― 遠隔操作というと、ケータイで文書を編集するといった利用シーンが想定されます。
藤野氏 Luiで接続した直後は、テキストの作成やOfficeソフトの文書編集などに向いた「PCモード」が利用できます。
―― 操作感はどうですか?
藤野氏 遠隔操作をするとカーソルが遅れて追随しがちですが、N-08Bでは遅延を分かりにくくしています。iアプリでもPCの遠隔操作ができるものはありますが、カーソル移動はここまで滑らかではないですね。また、カーソルは(後述する)動画モードよりもPCモードの方が速く移動できます。
このほか、映像再生に適した「動画モード」もあります。PCモードで動画を再生するとケータイではカクカクした動きになりますが、動画モードなら比較的滑らかに再生できます。回線レベルが3だと、5Mbpsほどの転送速度になります。画質レベルも変更できますが、画質を上げると動画の滑らかさが下がります。
青木氏 ケータイのフルブラウザだと、容量制限やFlashに対応していなかったりで、見られないサイトがありますが、Luiを使えばYouTubeなどもそのまま閲覧できます。
―― PCとケータイは何台まで接続できますか?
中川氏 接続できるPCは1台で、初期設定でひも付けられます。ケータイ(N-08B)は8台まで接続できるので、複数のユーザーが同じPCのデータを遠隔操作することも可能です。
―― ケータイ側の利用料金はいくらですか?
青木氏 フルブラウザを利用したときと同じで、上限は月額5985円です。
―― Lui上ではどんなコンテンツもケータイで閲覧できるのでしょうか。
藤野氏 ゲームソフトなど、サーバで解像度を変更するアプリは表示できないこともあります。またDVDやブルーレイディスクの映像、ワンセグなど著作権保護されたコンテンツも再生できません。
―― PCで起動したSkypeをケータイでも利用できたら面白そうですね。
藤野氏 N-08B側でのマイク入力には対応していないので、N-08Bから音声を送ることはできません。送信はキー操作に限られるので、相手の音声を聞いて、こちらは(Skypeのチャットから)テキストのみを送るといった使い方なら可能です。
―― Luiを利用するには、PCの電源を常にオンにしておく必要があるのでしょうか。
藤野氏 基本的にはそうなりますが、NECアクセステクニカ製の無線LAN(Aterm WR8170N-STとAterm WR8170N-HP)など、WoL(Wake on LAN)ルーターを使うと、遠隔でPCを起動することができます。
―― ケータイのバッテリーの持ちはどうですか?
藤野氏 デスクトップの画面を表示しただけならパケット通信は行わないので、普段と変わりません。動画は最大で4時間ほどは連続再生できますが、画質優先で再生をするとバッテリーは消費しやすくなります。
―― 今後は通常のケータイにもLuiを搭載していく流れになるのでしょうか。
中川氏 可能性はゼロではありません。PCの画面をそのままの画角で表現できるのは、N-08Bくらいの画面サイズが適しているとい思いますが、PC連携は今後も強化していきたいと考えています。
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