液晶ディスプレイは1920×1080ドット(フルHD)表示の23型ワイドパネルに白色LEDのバックライトを組み合わせている。画面サイズと解像度のバランスが保たれており、フルHDの表示が細かすぎる印象はなく、適度な精細感がある。
輝度やコントラスト、発色などの表示性能は最近の低価格フルHD液晶ディスプレイと同程度で、特に画質にこだわる向きでなければ不満は出ないレベルだ。ただ、グレアパネルなので照明や周囲の風景が結構映り込むことに加えて、TN方式の液晶パネルということで上下の視野角は少し狭い。ここはユーザーの姿勢や設置場所に応じて、チルト角度の調整でカバーしたいところだ。
なお、BTOオプションのタッチパネル付き液晶ディスプレイを選択することで、Inspiron One 2310を大柄のタブレットPC(ブックレット型)ライクに使うことが可能になるのは見逃せない。タッチパネル液晶への変更は1万5750円と手ごろに設定されているので、タッチパネル式を選んでおくことを強くおすすめしたい。
実際、液晶をタッチパネル方式に変更することで、Inspiron One 2310の魅力はよりアップする。タッチパネルにするとWindows 7 Home Premiumのマルチタッチ対応タブレット機能が有効になるのに加えて、タッチパネル操作を効果的に利用可能なガジェット「Dell Stage」もプリインストールされる。このDell Stageにはタッチパネルを便利に使うツールが含まれており、画面を指で触って操作できる。
Dell Stageに含まれるタッチ操作向けのツールとWindows 7のマルチタッチ機能は、一度作法を覚えてしまうと楽しく、かつ効率的に操作を行える。付せんツールの「StickyNotes」は直観的な操作で手書きのメッセージも加えられるので、非常にアナログっぽい味のあるメッセージを残せたりする。各種楽器をタッチ操作で演奏する「タッチ楽器」など、タッチ操作を盛り上げてくれるツール類も豊富だ。
BTOによるオプションではなく、標準構成で最初から地デジチューナーを搭載しているのは、デルとしては意外なことに本機が初めてだ。地デジチューナーは、ほかのメーカーでも多く採用されているAVerMedia A320Nが搭載されている。
地デジ番組の視聴や録画などはOS標準のWindows Media Center機能を使う。別途視聴ソフトが搭載されているわけでもないため、機能は至ってシンプルだ。Windows Media Center標準の番組表経由で録画予約をして、録画した番組の視聴やDVDメディアへの書き出しなどもWindows Media Centerで行う。
地デジの画質については、23型フルHD液晶ディスプレイを搭載するため、精細さがあり、ノイズや変なザラツキもなく、カジュアルな視聴なら十分なクオリティといえる。付属のリモコンで手軽に操作でき、レスポンスも問題ない。
液晶ディスプレイの下にはステレオスピーカーを内蔵しているが、さらにサウンド面でのこだわり機能も搭載している。ダイナミックレンジを補間してより臨場感を高め、高品位なサウンドを再現する「THX TruStudio PC」オーディオテクノロジーに対応しているのだ。
MP3やAACで音声を圧縮すると、どうしても音域が間引かれてしまうが、THX TruStudio PCはそれを自然に聞こえるように補間してくれる。実際に聴いてみると、確かに低音域から高音域まで、幅が広がった再生となるので、音楽コンテンツを楽しみたい人や映像コンテンツで臨場感あるサウンドが欲しい人にとってはうれしい機能だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.