ウィレムス氏は、これから広がる可能性が危惧される要素として、SNSなどのネットワークを利用した活発なユーザー交流を挙げている。SNSに対する攻撃で弱点となる人的要因と技術的要因が示されたが、人的要因では、SNS利用の大前提となっている「ユーザー相互の信頼」を悪用して「リンクをクリックするとマルウェアがインストールされる」といった手法や、「慣れた行為はよく考えずに行動を起こす」ことを悪用した「コンフィッカー」などの犯罪が増加しているという。
また、技術的要因では、従来からあるOSの脆弱性を狙った手法以外に、PDFリーダーやフラッシュプレーヤーなど、利用するユーザーや定番アプリケーションが存在するカテゴリーのソフトウェアに潜在する脆弱性を狙う例が増えているという。ウィレムス氏は「メールによる感染成功率は1%程度だが、SNSではそれが10%まで高くなる」とSNSによる感染拡大の危険性を警告している。
ウィレムス氏は、ネットワークによる犯罪行為がなくならない理由にも言及しているが、そこでは、ネットワーク犯罪で得られる利益が大きく、簡単に実行でき、実行者が判明する可能性が低いというネットワーク犯罪の特殊性を挙げている。さらに、ウィレムス氏はインターネットラジオなど、PCでなくてもネットワークを利用するデバイスは常に危険にさらされており、ネットワークアクセス機能を実装するなら、たとえ冷蔵庫であってもウイルスに感染する可能性はあると警告した。
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